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◆若者支援:児童養護施設出身者らの居場所が財政難、公的支援に望み 母の日ギフトで活動資金 /群馬
児童養護施設などで育った子どもたちの支援に取り組む民間の「ひだまりサロン」(前橋市住吉町2)が資金不足に苦しんでいる。
2014年10月の開所以来、これまでの利用者は延べ2500人を超えるが、公的な援助がほとんどなく、スタッフもボランティア頼み。
今年から「活動資金の足しに」と、スタッフ手作りのギフト販売も始めたが、サロン関係者は「安定した運営資金があればもっと多くの人たちを救える」と県の財政支援を望んでいる。
サロンは一般社団法人「ヤング・アシスト」(前橋市)が開設。
利用者は、虐待や死別などで親元で暮らせない子どもが原則18歳まで過ごす児童養護施設の出身者や、実家に頼れず働かざるをえなくなった若者が共同生活を送る自立援助ホームに在籍していた人ら。
こうした人たちからは「SOS」が24時間、365日届く。
経済的にも精神的にも後ろ盾が乏しいため、一度仕事を失ったり、体調を崩したりすると、生活が立ちゆかなくなるリスクが高いという。
家賃を払えなくなって住居を転々としたり、自傷行為や自殺未遂を繰り返したりすることも珍しくない。
そこで、サロンのスタッフが生活保護の申請のために役所に付き添ったり、生活や仕事の相談に乗ったりして公私両面から支える。
週2~3回サロンを訪れるというカフェ店員の女性(23)は「用がなくても来て、話ができるところが居心地が良い」とよりどころにしている。
子連れで来るシングルマザーもいる。活動資金は独立行政法人「福祉医療機構」の助成金のほかは寄付頼み。昨年度は収入の95%にあたる約540万円が助成金だった。
残りの5%、約30万円が寄付だが、知名度不足で思うように集まらない。スタッフ6人の人件費も賄えない状態だ。
そこで活動資金を少しでも増やそうと、今年から手作りギフトの販売を始めた。
法人理事長の佐藤昌明さん(63)が花屋の経営者だったこともあり、昨年3月にコサージュを手がけ、今は「母の日」に向け、プリザーブドフラワーを販売している
。佐藤さんは「ギフトを買いにサロンに来てくれる人が増えれば知名度も上がり、支援者も増えるかも」と期待を寄せる。
ひだまりサロンのような施設への国と県による補助制度(1カ所当たり756万円)はある。
国と県が半分ずつ負担するため、県の予算化が不可欠。しかし、県はこれまで予算化したことがない。
県は「今春新たに開設した自立援助ホームの運営を優先したい」(児童福祉課)と及び腰だ。
佐藤さんは「利用者たちは、お金も住むところも頼れる人間関係もない。行政はもっと真剣に向き合ってほしい」と訴える。
サロンの開所時間は午後0~6時、木曜と日曜祝日が休み。年会費3000円のサポーターを募集している。
詳細はhttps://www.facebook.com/young.assist/
〔2016年5月22日・貧困ネット、平成28(2016)年5月8日 毎日新聞 地方版〕
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