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不登校

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{{topicpath | [[メインページ]] > [[:Category:メンタル相談|メンタル相談]] >[[:Category:対象者の症状・状態・訴え|対象者の症状・状態・訴え]] >  [[:Category:不登校|不登校]] > {{PAGENAME}} }}
  
==不登校の相談施設==
+
==[[サイト内に紹介する不登校の相談施設]]==
 +
'''[[:Category:適応指導教室|適応指導教室]]'''も参照。<br>
  
===北海道===
+
==新聞メディアのニュース==
[[トポス心理療法オフィス]] (札幌市北区)、[[ストレスカウンセリング 銀のすず]](札幌市中央区)、[[NPO法人 ゆうあい相談室]](札幌市豊平区)、[[江別市少年指導センター]] (江別市)<br>
+
[[:Category:不登校のニュース|不登校のニュース]][[:Category:子どもの貧困のニュース|子どもの貧困のニュース]][[:Category:いじめのニュース|いじめのニュース]]
===東北===
+
[[ミヤギユースセンター]] (宮城県仙台市宮城野区)、[[カウンセリングルームむぎのほ]](秋田県秋田市)、[[ケイメンタルクリニック(メンタルドック)]] (秋田県大仙市)、[[山形大学教職研究総合センター・心理教育相談室]](山形県山形市)、[[チャイルドケア・カウンセリング こども塾]](山形県上山市)、[[結(ゆう)カウンセリングルーム]](福島県福島市)、[[いわき明星大学心理相談センター]](福島県いわき市)、[[マインドヘルスパーソナリティーセンター]](福島県郡山市)<br>
+
===北関東===
+
[[阿見町教育相談センター]](茨城県阿見町)、[[足利市青少年センター]](栃木県足利市)、[[小山市青少年相談室]](栃木県小山市)、[[日光市教育相談室]] (栃木県日光市)、[[メンタルヘルス総合研究所]](群馬県前橋市)、[[子ども教育支援センター]](群馬県伊勢崎市)<br>
+
===埼玉県===
+
[[浦和カウンセリング研究所]](さいたま市浦和区)、[[カウンセリングルーム BON(凡)]](さいたま市浦和区)、[[心の相談室Sali(NPO法人子育て応援隊むぎぐみ・心理相談部門)]](さいたま市浦和区)、[[シニフィアン研究所]](上尾市)、[[阿部真里子臨床心理オフィス]](春日部市)、[[家族こころ相談室 カウンセリングルーム フェアリー]](川口市)、[[カウンセリングルーム「埼玉心療室」]](行田市)、[[にしかわオステオパシー(セラピールームにちようび)]](越谷市)、[[文教大学大学院 人間科学研究科付属臨床相談研究所]](越谷市)、[[NPO法人 メンタルサポートアカデミー]](鴻巣市)、[[漢方紫禁堂鍼灸院(往診専門)]](所沢市)<br>
+
===千葉県===
+
[[アイル事務所]](千葉市若葉区)、[[ディアコニア・カウンセリングセンター]](栄町)、[[千葉県教育庁南房総教育事務所安房分室]](館山市)、[[ふれあい教室]](富里市)、[[コスモス心理相談室]](松戸市)、[[こそだて研究所]](松戸市)<br>
+
 
+
===東京都(区内)===
+
[[NPO法人 不登校情報センター・相談室]](江戸川区)、[[フリースクール英明塾・NPO JENOC]](江戸川区)、[[藤田教育行政書士事務所]](大田区)、[[東京成徳大学大学院 心理・教育相談センター]](北区)、[[日本催眠心理研究所]](渋谷区)、[[バイラルブレインパートナーズ株式会社(田淵裕二の引きこもり相談室)]](渋谷区)、[[NPO法人 家族カウンセリングセンター]](新宿区)、[[高田馬場新澤ビルクリニック]](新宿区)、[[(社)日本青少年育成協会・神楽坂相談室]](新宿区)、[[NPO法人 ファミリーカウンセリングサービス]](新宿区)、[[矢吹孝志・新宿カウンセリングルーム]](新宿区)、[[ラディアンス]](新宿区)、[[癒しの音楽院(メンタル相談)]](杉並区)、[[カウンセリングルーム ウォーム]](杉並区)、[[ほっとカウンセリングサポート]](杉並区)、[[心のカゼ・クリニック]](世田谷区)、[[児玉教育研究所・心理療法センター]](世田谷区)、[[NPO法人 日本子どもソーシャルワーク協会]](世田谷区)、[[カウンセリングルーム ラポール]](中央区)、[[SEEDS OF LIGHT]](千代田区)、[[はばたきの会]](千代田区)、[[カウンセリングルーム フリダヤ]](豊島区)、[[NPO法人 ファミリーカウンセリングサービス池袋オフィス]](豊島区)、[[不登校・ひきこもり研究所]](豊島区)、[[CCPコミュニティ心理臨床研究所]](中野区)、[[サラカオル株式会社]](練馬区)、[[東京大学心理教育相談室]](文京区)、[[中村心理療法研究所]](文京区)、[[文京区教育センター教育相談室]](文京区)、[[IFF・CIAP相談室]](港区)、[[青山心理発達相談室]](港区)、[[日本心理療法研究所 JIPカウンセリングセンター]](港区)、[[ウェルビング・メンタル・サポート]](目黒区)、[[オフィス・るん ヒューマンセラピー研究所]](目黒区)<br>
+
===東京都(区外)===
+
[[奥多摩町教育相談室]](奥多摩町)、[[やまき心理臨床オフィス]](立川市)、[[NPO法人 ライブリー]](立川市)、[[NPO法人 日本人間関係心理士協会]](三鷹市)<br>
+
===神奈川県===
+
[[教育相談・心理療法のcon-brio 横浜青葉]](横浜市青葉区)、[[神奈川大学心理相談センター]](横浜市神奈川区)、[[文庫こころのクリニック]](横浜市金沢区)、[[CHR研究所]](横浜市港北区)、[[カウンセリングルームセンター南]](横浜市都筑区)、[[アトラスキネシオロジーJapan]](横浜市中区)、[[アララギ学院(メンタル相談)]](横浜市中区)、[[心理カウンセリング・ハートピット]](川崎市多摩区)、[[大河内メンタルクリニック]](鎌倉市)、[[こころのフリースペース・ポレポレちがさき]](茅ヶ崎市)、[[希望の光 心の相談室(カウンセリングセンター)]](藤沢市)、[[心理カウンセラー やぐちくみこ]](三浦市)、[[湘南内科医院]](横須賀市)、[[SOLSハウス(ソールスハウス)]](横須賀市)<br>
+
===甲信越・北陸===
+
[[葵高等学院 新潟駅前校(メンタル相談)]](新潟県新潟市中央区)、[[カウンセリングルームさくら 新潟]](新潟県新潟市西区)、[[子どもの教育相談室]](新潟県糸魚川市)、[[葵高等学院 長岡駅前校(メンタル相談)]](新潟県長岡市)、[[妙高市教育相談窓口・適応指導教室]](新潟県妙高市)、[[北陸内観研修所]](富山県富山市)、[[輪島市教育相談室]](石川県輪島市)、[[心理臨床オフィス・ルーエ]](山梨県甲府市)、[[都留市教育研修センター 教育相談室]](山梨県都留市)、[[韮崎市教育相談]](山梨県韮崎市)、[[山梨不登校の子どもを持つ親たちの会(ぶどうの会)]](山梨県笛吹市)、[[八ヶ岳セラピールーム]](山梨県北杜市)、[[いのちの森の学校]](長野県長野市)、[[信州内観研修所]](長野県飯田市)、[[セラピスト林]](長野県岡谷市)、[[カウンセリングルーム ほほえみ]](長野県塩尻市)、[[特定非営利活動法人 ジョイフル]](長野県塩尻市)<br>
+
===東海===
+
[[人間性回復文化・医学研究所 ぎふ カウンセリング・ルーム]](岐阜県岐阜市)、[[ながら心理相談室]](岐阜県岐阜市)、[[北村臨床心理相談室]](静岡県浜松市中区)、[[心理・教育・アートの基礎屋(メンタル)]](静岡県浜松市中区)、[[浜松性格矯正センター]](静岡県浜松市中区)、[[マザリーカウンセリング]](静岡県浜松市浜北区)、[[心とからだのセラピールームRelief(リリーフ)]](静岡県浜松市東区)、[[沼津市青少年教育センター]](静岡県沼津市)、[[静岡内観研修所]](静岡県牧之原市)、[[NPO法人 リベラヒューマンサポート]](静岡県三島市)、[[ホリスティック心理教育研究所]](三重県熊野市)<br>
+
===愛知県===
+
[[檀渓心理相談室]](愛知県名古屋市昭和区)、[[木村登校拒否相談室]](愛知県名古屋市中区)、[[心理相談室こころ]](愛知県名古屋市瑞穂区)、[[小泉心理相談室]](愛知県安城市)、[[犬山心理相談室]](愛知県犬山市)、[[カウンセリングルーム樹]](愛知県小牧市)、[[豊田市青少年相談センター]](愛知県豊田市)、[[自然治癒力研究所]](愛知県豊橋市)<br>
+
===近畿===
+
[[グッドハート]](滋賀県草津市)、[[メープル・クリニック]](滋賀県草津市)、[[CBTセンター]](滋賀県彦根市)、[[野洲市ふれあい教育相談センター]](滋賀県野洲市)、[[ひなぎく心理ルーム]](京都府京都市左京区)、[[コロコロこころ]](京都府京都市伏見区)、[[教育と人間関係の相談室 カンナ]](京都府向日市)、[[なら新大宮クリニック(心療内科・精神科)]](奈良県奈良市)、[[天理大学カウンセリングルーム]](奈良県天理市)、[[シニフィアン研究所]](和歌山県和歌山市)、[[和歌山市立子ども支援センター]](和歌山県和歌山市)、[[海南心理言語矯正センター]](和歌山県海南市)、[[田辺市教育研究所]] (和歌山県田辺市)<br>
+
 
+
===大阪府===
+
[[大阪あべのカウンセリングルーム]](大阪府大阪市阿倍野区)、[[ライトクルー大阪]](大阪府大阪市北区)、[[近畿自由学院]](大阪府大阪市城東区)、[[谷町こどもセンター]](大阪府大阪市中央区)、[[森ノ宮子ども相談室]] (大阪府大阪市中央区)、[[ストレスカウンセリング・センター]](大阪府大阪市東淀川区)、[[ひぷの教育アカデミー]](大阪府大阪市淀川区)、[[コミュニティ総合カウンセリング協会]](大阪府大阪市淀川区)、[[池田市教育研究所]](大阪府池田市)、[[関西大学 心理臨床カウンセリングルーム]](大阪府吹田市)、[[黒川内科・黒川心理研究所]](大阪府豊中市)、[[梅花女子大学大学院 心理・教育相談センター(豊中本室)]](大阪府豊中市)、[[Mother tree]](大阪府寝屋川市)、[[波カウンセリングルーム]](大阪府枚方市)、[[医療法人あすなろ会 わたなべ皮フ科・形成外科]] (大阪府八尾市)<br>
+
===兵庫県===
+
[[カウンセリングオフィス Sola]](兵庫県神戸市中央区)、[[神戸市立青少年補導センター]](兵庫県神戸市中央区)、[[Kumi心理カウンセリング研究所]](兵庫県明石市)、[[こくら心とからだのクリニック]](兵庫県尼崎市)、
+
[[小野市適応指導教室みらい(メンタル相談)]](兵庫県小野市)、[[小野市適応教室みらい(メンタル相談)]](兵庫県小野市)、[[宝塚市教育委員会 教育支援課]](兵庫県宝塚市)、[[NPO法人 京口スコラ]](兵庫県姫路市)、[[姫路市立教育相談センター]](兵庫県姫路市)<br>
+
===中国===
+
[[医療法人 石谷小児科医院]](鳥取県鳥取市)、[[岡本小児科医院]](鳥取県倉吉市)、[[心身教育研究所]](島根県松江市)、[[松江市青少年相談室]](島根県松江市)、[[杉原心理相談室]](広島県広島市中区)、[[広島国際大学心理臨床センター]](広島県広島市中区)、[[広島萌星館]](広島県広島市中区)、[[みなみストレス内科クリニック・みなみストレスカウンセリング]](広島県広島市南区)、[[駅家セラピールーム]](広島県福山市)、[[自由館]](広島県福山市)、[[山口市教育相談室]](山口県山口市)<br>
+
===四国===
+
[[徳島文理大学 臨床心理相談室]](徳島県徳島市)、[[催眠療法教室近藤]](香川県高松市)、[[みとも社会福祉士事務所]](香川県高松市)、[[カウンセリングスペース麦の家]](愛媛県松山市)、[[カウンセリングルーム青い鳥]](愛媛県今治市)<br>
+
===九州・沖縄===
+
[[ソリューションワークス]](福岡県福岡市中央区)、[[子どもと大人の自由空間スペースジェイズ]](福岡県福岡市西区)、[[碇精神医学研究所]](福岡県福岡市博多区)、[[九州大学心理教育相談室]](福岡県福岡市東区)、[[国際心理技術研究所]](福岡県古賀市)、[[のぞえ総合心療病院]](福岡県久留米市)、[[福岡教育大学 心理教育相談室]](福岡県宗像市)、[[(有)メンタルケアハウス]](熊本県氷川町)<br>[[大分丘の上病院]](大分県大分市)<br>[[遊学舎]](宮崎県宮崎市)<br>[[かごしま子ども若者総合相談センター]](鹿児島県鹿児島市)<br>[[特定非営利活動法人 こころのサポート アミ]](鹿児島県鹿児島市)<br>[[応用心理カウンセラー協会]](沖縄県南風原町)<br>
+
  
  
 
[[Category:対象者の症状・状態・訴え|ふとうこう]]
 
[[Category:対象者の症状・状態・訴え|ふとうこう]]
 
[[Category:不登校|ふとうこう]]
 
[[Category:不登校|ふとうこう]]
 +
 +
===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
 +
ページ名[[不登校]]、、(不登校のニュース) <br>
 +
'''「明日の学校はムリかも」と迷っている人へ 中学3年生を丸ごと休んで得られた6つの結論'''<br>
 +
夏休み明けの前後は子どもの自殺が増える傾向があります(下図参照)。<br>
 +
すでに多くの記事で警鐘が鳴らされていますが、今年の夏休み中にも5件の子ども自殺がありました。<br>
 +
うち1件は始業式前日の中学生自殺です。<br>
 +
「自殺の危険性」とまではいかなくても、「子どもが『行かない』と言いだしたらどうしよう」と不安を感じている親や、「あしたの学校はムリかも」と迷っている学生は多いと思います。 <br>
 +
私は中学校2年生の冬から学校へ行っていません。<br>
 +
中学3年生は丸ごと学校を休み、その後も高校や大学などには通わず36歳になりました。<br>
 +
現在は、不登校当事者や識者に取材をして『不登校新聞』を発行する仕事をして暮らしています。<br>
 +
私も「学校へは行かなくてはいけない、行かないでどうする」と思っていましたが、今振り返ってみれば学校へ行かなかったからこそ得られたものがありました。<br>
 +
今日はその得られた結論をお伝えしたいと思っています。<br>
 +
前半の3つは学校へ通う人自身に知ってほしいこと、後半の3つは親や祖父母など周囲の人に知ってほしいことです。<br>
 +
'''不登校から得られた私の結論1'''<br>
 +
「1日も通わずに卒業ができる」<br>
 +
不登校後に一番驚いた事実は小・中学校は一日も通わずに卒業できるという事実です。<br>
 +
卒業は校長が判断するもので「不登校の人を卒業させたがらない校長のほうが問題になる」という事実には驚きました。<br>
 +
実際に私が取材したなかには「小学校の入学式だけ行ったが、小中ともに問題なく卒業できた」という人もいます。<br>
 +
さらに高校からは通信制高校というものがあり、月に1度から2度の登校で卒業できる学校もあります。<br>
 +
試験だけを受けて「高校卒業」と同程度の資格が得られる制度もあります。<br>
 +
大学も通信制大学が全国で43校もあり、いわゆるテスト競争をする「大学受験」はナシで入学できます。<br>
 +
私としては「じゃあ苦労して登校した日々はなんだったんだ」という思いしかありません。<br>
 +
'''不登校から得られた私の結論2'''<br>
 +
「不登校をする前が一番ヤバかった」<br>
 +
学校へ行けなくなったとき「これで人生が終わった」と私は思いました。<br>
 +
しかし、最大のピンチは不登校をした時点で乗り越えていました。<br>
 +
私の最大のピンチは学校へ通っていたときです。 <br>
 +
不登校になるまで私は「学校への不満は人並みだ」と思っていました。<br>
 +
クラスのなかには、いじめもあったし、理不尽な先生にも苦しめられました。<br>
 +
勉強にも強い重圧を感じていました。しかし、そんなことは「あたり前のこと」だと思っていました。 <br>
 +
ところが、その「あたり前」に苦しんでいました。<br>
 +
中学2年生の秋ごろから、学校へ行こうとすると、どうしようもなくムカつく、視界がグラグラと揺れるなど、自分では制御できない異変が起きていました。<br>
 +
もちろん、ストレスによるものです。 <br>
 +
不登校になる直前の冬はハッキリと「死にたくなる気持ち」が出てきました。<br>
 +
電車の踏切を見ていると、なんだか踏切に吸い込まれそうな感覚が湧いてくる。<br>
 +
踏切に近づくと、毎回のように「電車に跳ねられちゃったら人生が楽になるな」と思うようになっていました。<br>
 +
学校と距離をとってから異変や死にたい気持ちは薄れていきました。<br>
 +
当然ですが、苦しみの根拠から離れたから苦しくなくなっていったのです。 <br>
 +
不登校自体を懸念される人も多いですが「不登校をする前が一番ヤバい」というのが私の結論です。<br>
 +
'''不登校から得られた私の結論3'''<br>
 +
「ふつうの未来が待っている」<br>
 +
不登校をしたとき教頭先生から「大人になれないぞ」と言われました。<br>
 +
その一言に震えましたが、あれから22年、私を待っていたのは「ふつうの未来」でした。<br>
 +
「ふつうの未来」とは、苦労もするし楽しいこともある大人になったという未来です。<br>
 +
中学生の当時は想像ができなかった「仕事」もしています。<br>
 +
仕事はミスをして叱られながら覚えました。つまり「ふつうの覚え方」です。<br>
 +
私の職場には大学を出た同僚もいますが、ちがいは感じません。<br>
 +
日常もふつうです。大好きな人と結婚をしたり、ケンカをしたり、2000円もするパフェが食べられたり、メタボと医者から言われたりしています。<br>
 +
最近の日常の悩みはソシャゲの課金が止められないことです。 <br>
 +
「学校へ行けない自分はもう終わりだ」と中学生の私は固く信じていました。<br>
 +
しかし、終わったことはなにひとつありませんでした。<br>
 +
なんでもない日常がボチボチと続くだけです。<br>
 +
それは私だけでなく、多くの不登校の人の未来だったと取材を通して確信しています。<br>
 +
明日の学校を迷う人には、どうかそういう「先行事例」を信じて、いまの自分の気持ちに率直になってもらえればありがたいと思っています。<br>
 +
'''不登校から得られた私の結論4'''<br>
 +
「当事者はSOSは言葉にしません」<br>
 +
ここから先は、私が専門家や親に取材をしてきたなかで得られた「親や周囲の大人に知ってほしい結論」をお伝えします。 <br>
 +
まず、「学校へ行きたくない」という一言こそ、当事者が口にしたくない言葉だということです。<br>
 +
「不登校は悪」だと思っているからです。<br>
 +
不登校に関しては第三者が言動を見てSOSを判断するものだと思ってください。<br>
 +
子どもの言動を以前と比べて「できない」ことが増えてきたらSOSの兆しです。<br>
 +
具体的には「宿題ができない」「あまり食べられない」「朝、起きられない」「支度ができない」「笑わない」などです。<br>
 +
周囲は「死にたい」や「行きたくない」という言葉が出るぐらいなら考えようと思いがちですが、いったん子どもの言動を思い出してみてください。 <br>
 +
'''不登校から得られた私の結論5'''<br>
 +
「SOSは自分だけで受けとめない」<br>
 +
言動を見て「もしかして」と思ったら、子どものSOSは絶対に自分だけで受けとめないでください。 <br>
 +
親ならばわが子の不登校に対して冷静になることはできません。親だからこそ、子どもの将来を案じるがあまりに「子どもの現在」を無視して「ちょっとがんばろう」と追い詰めてしまうからです。
 +
親や周囲は子どものSOSを「第三者に繋げていく存在だ」といったん割り切って相談や情報収集を始めてください。<br>
 +
全国のフリースクールや不登校の親たちによる「親の会」があります。<br>
 +
『不登校新聞』などでも、たくさんの当事者の経験談が得られます。 <br>
 +
'''不登校から得られた私の結論6'''<br>
 +
「危ないと思ったら安全確保を第一に」<br>
 +
学校は命がけで通う場ではありません。命が脅かされるのならば「安全第一」が鉄則です。<br>
 +
本当に危険な場合は、子どもから嫌われても「学校を休ませる」「近い距離で見守る」など周囲による「ドクターストップ」もあり得ます。<br>
 +
大きな決断だと感じるかもしれません。<br>
 +
しかし、「学校は命がけで通う場ではない」という周囲の思いがあれば「本当に危険な状態にはなりづらい」というのも事実です。 <br>
 +
というのも、学校へ行くか行かないかで悩んでいる子は人並みに常識がある子です。<br>
 +
学校が苦しくてもがんばっている子は、ほかのこともがんばれる子です。<br>
 +
怠けている子でも、弱い子でもありません。 <br>
 +
本人のことを周囲が信じて「学校よりもあなたが大事だ」という思いが伝われば危険が回避できるからです。<br>
 +
以上が私の結論です。<br>
 +
「明日の登校はムリかも」と迷い始めたら、ぜひここに書いた6つの結論を思い出してもらいたいと思います。 <br>
 +
以下は不登校にくわしい団体の連絡先、そして学校が苦しいと思った人などが相談できる連絡先です。<br>
 +
■保護者や子どもの相談窓口 <br>
 +
「子どもの人権110番」(電話0120-007-110)<br>
 +
■不登校の相談窓口 <br>
 +
「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(電話03-3906-5614)<br>
 +
■学校へ行っている子どもなどの相談窓口 <br>
 +
「チャイルドライン」0120-99-7777<br>
 +
〔2018年9/2(日)石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕 <br>
 +
 +
===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
 +
ページ名[[不登校]]、、(不登校のニュース) <br>
 +
学校へ行けない理由
 +
'''魔の9月1日 車のハンドルをガードレールへ動かそうとした少女は…'''〈dot.〉<br>
 +
小6の秋、突然学校へ行けなくなったかすみさんの本心とは <br>
 +
子どもの自殺が増加する夏休み明け。内閣府調査によると過去42年間に自殺した子どもは1万8048人にのぼる。<br>
 +
最も多かった日付は9月1日だった。<br>
 +
「学校へ行きたくない」という思いを抱える子は、どんな思いでこの日を迎えるのだろうか。<br>
 +
不登校新聞編集長の石井志昂さんは、ある15歳の少女の手記を紹介する。<br>
 +
小学6年のときに不登校になった彼女はどうして親にさえSOSを出せなかったのか。<br>
 +
*  *  *<br>
 +
学校に向かう車の中で、事故に遭えば「学校を休める」とふと思いました。<br>
 +
母が持っていた車のハンドルをガードレールのほうへ動かそうとし、怖くなってやめたことがあります。<br>
 +
小学6年生の秋のことです。<br>
 +
小6の秋、私は突然、学校へ行けなくなりました。<br>
 +
学校へ行こうと思うと玄関で足が止まってしまったからです。<br>
 +
いまふり返っても学校へ行けない理由は私自身もわかりません。<br>
 +
友だちもいたし、行けば楽しいこともありました。<br>
 +
でも学校にいると息苦しくなり、帰ってくるとすごく疲れていて気が重くなりました。<br>
 +
学校へ行けなくなってからは「行きなさい」と言われることはすごくつらいことでしたが、それとともにイヤだったことがあります。<br>
 +
それは大好きな母親と、学校へ「行く」「行かない」を言い合うことでした。<br>
 +
私はずっと「学校へ行きたくない」という言葉を誰にも言うことができませんでした。<br>
 +
学校へ行けないことが悪いことだと思い、「行けない自分」になったことを自分で認めたくなかったからです。<br>
 +
また、「行きたくない」と言えば絶対に理由を聞かれます。<br>
 +
理由を答えられないのに、自分から「行きたくない」と言うことはできませんでした。<br>
 +
私がハッキリと「行きたくない」と言わないこともあって、毎朝のように学校へ行くのか、行けないのかという母との言い合いは長引き、結局、学校へ行く時間にはどうしてもまにわなくなって学校を休む……、そのくり返しでした。<br>
 +
無理やり車に乗せられて学校へ行くこともありました。<br>
 +
事故に遭えばと思っていたのはそのころです。<br>
 +
あれから3年が経ちましたが、毎年、夏休み明けの新学期が始まるころは無意識に学校のことを考えます。<br>
 +
冬休みや春休みも同じです。<br>
 +
中学1年生からは学校へ行ってない人が集まる教育支援センターにも通い始め、自分の居場所ができました。<br>
 +
学校とはすこし距離を置き、いろいろな人とお話をしたり、遊んだり、安心してすごせてはいます。<br>
 +
でも、新学期に近づくにつれて不安になりました。<br>
 +
もしかしたらまた「学校へ行きなさい」と言われるのではないかと思っていたからです。<br>
 +
いまは以前のような不安はありません。<br>
 +
母も私のことを理解してくれています。<br>
 +
もしも私が中学1年生の私に出会えたら、ぜひ「自分の空間を大事にしてほしい」と伝えたいと思います。<br>
 +
自分の空間というのは、自分がやりたいことができたり、みんなと楽しくすごせたりする空間ではありません。<br>
 +
私にとっては本を読む時間、本を手に持つと自分の空間に入れました。<br>
 +
自分のまわりの環境がどんなときでも本があれば嫌な感情、人の話し声……、すべてをシャットアウトすることができます。<br>
 +
家のリビングにいても、教育支援センターにいても、本を読んでいる時間はちゃんと自分のことが大切にできる。<br>
 +
そういう自分の空間があれば、それが安全基地になって、自分が否定されても耐えられます。<br>
 +
もしもまわりに私と同じような人がいたら、「学校」という1つの場所が全てではないこと、またどんな時でも見方で自分を守ってくれるような、その人の自分の空間を大切にしてほしいと思っています。<br>
 +
かすみ(仮名、15歳・女性)<br>
 +
*  *  *<br>
 +
この手記は、当事者の心の内側、それも一番、言葉になりづらい部分を明確に示してくれた手記でした。<br>
 +
学校で苦しいことがあった子どもが、一番、言葉にできないのは「学校へ行きたくない」という一言です。<br>
 +
SOSは出しづらいんです。<br>
 +
とくに追い詰められ、苦しんでいる子どもほどSOSを発するのは難しくなります。<br>
 +
それは、不登校の子どもだけでなく、大人も同じです。<br>
 +
学校へ行きたくないと言えなかった理由はかすみさんが書いていたように「学校へ行けないことが悪いことだ」と思っていたからです。<br>
 +
自ら進んで罪を犯すことができない、親を困らせたくないというのが当事者心理です。<br>
 +
また「行きたくない」と言えなかったのは「理由が答えられないから」とも指摘していました。<br>
 +
かすみちゃんのように「理由がわからない」という不登校の子どもも多くいます。<br>
 +
これまでの取材では、背景としては4つのパターンがありました。<br>
 +
(1)純粋に理由が見当たらないため<br>
 +
(2)苦しすぎる経験ゆえに当時の記憶を失ったため<br>
 +
(3)理由が重層的で言葉にできないため<br>
 +
(4)深刻な原因だと思えないため<br>
 +
最近、10代からよく聞くのが「深刻な原因だと思えない」というパターンです。<br>
 +
「行きたくないほどの理由じゃないんだけれど……」という語り出しで、いじめや体罰を受けていたり、病気になったりした話を聞いてきました。<br>
 +
私が聞くかぎり、みんな深く傷つき、深刻な状態を生き抜いてきた子どもたちばかりでした。<br>
 +
しかし彼ら自身は「深刻ではない」と思っているため、他人から不登校の理由を聞かれても「わからない」と答えていたそうです。<br>
 +
このように「わからない」という言葉のうらには、その人なりの背景があります。<br>
 +
今回、くり返し伝えたいのは、学校へ行きたくない子どもが一番言葉にしづらいのが「行きたくない」という一言だということ。<br>
 +
そして、たとえ「行きたくない」と言えたとしても、その理由を説明できない子どもも多いということです。<br>
 +
周囲はつい明確なSOSを待ってしまいますが、本人にすればSOSは出しづらいものです。<br>
 +
言葉にしなくても態度や表情からSOSを受け取ることができます。<br>
 +
「言葉にしないなのは甘えだ」と突き放さず、いま態度に出していることが、その子なりの精いっぱいのSOSだと受け止め、本人の気持ちを大事にしてほしいと願っています。<br>
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〔2018年9/1(土)AERA dot.(文/石井志昂)〕 <br>

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目次

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ページ名不登校、、(不登校のニュース)
「明日の学校はムリかも」と迷っている人へ 中学3年生を丸ごと休んで得られた6つの結論
夏休み明けの前後は子どもの自殺が増える傾向があります(下図参照)。
すでに多くの記事で警鐘が鳴らされていますが、今年の夏休み中にも5件の子ども自殺がありました。
うち1件は始業式前日の中学生自殺です。
「自殺の危険性」とまではいかなくても、「子どもが『行かない』と言いだしたらどうしよう」と不安を感じている親や、「あしたの学校はムリかも」と迷っている学生は多いと思います。
私は中学校2年生の冬から学校へ行っていません。
中学3年生は丸ごと学校を休み、その後も高校や大学などには通わず36歳になりました。
現在は、不登校当事者や識者に取材をして『不登校新聞』を発行する仕事をして暮らしています。
私も「学校へは行かなくてはいけない、行かないでどうする」と思っていましたが、今振り返ってみれば学校へ行かなかったからこそ得られたものがありました。
今日はその得られた結論をお伝えしたいと思っています。
前半の3つは学校へ通う人自身に知ってほしいこと、後半の3つは親や祖父母など周囲の人に知ってほしいことです。
不登校から得られた私の結論1
「1日も通わずに卒業ができる」
不登校後に一番驚いた事実は小・中学校は一日も通わずに卒業できるという事実です。
卒業は校長が判断するもので「不登校の人を卒業させたがらない校長のほうが問題になる」という事実には驚きました。
実際に私が取材したなかには「小学校の入学式だけ行ったが、小中ともに問題なく卒業できた」という人もいます。
さらに高校からは通信制高校というものがあり、月に1度から2度の登校で卒業できる学校もあります。
試験だけを受けて「高校卒業」と同程度の資格が得られる制度もあります。
大学も通信制大学が全国で43校もあり、いわゆるテスト競争をする「大学受験」はナシで入学できます。
私としては「じゃあ苦労して登校した日々はなんだったんだ」という思いしかありません。
不登校から得られた私の結論2
「不登校をする前が一番ヤバかった」
学校へ行けなくなったとき「これで人生が終わった」と私は思いました。
しかし、最大のピンチは不登校をした時点で乗り越えていました。
私の最大のピンチは学校へ通っていたときです。
不登校になるまで私は「学校への不満は人並みだ」と思っていました。
クラスのなかには、いじめもあったし、理不尽な先生にも苦しめられました。
勉強にも強い重圧を感じていました。しかし、そんなことは「あたり前のこと」だと思っていました。
ところが、その「あたり前」に苦しんでいました。
中学2年生の秋ごろから、学校へ行こうとすると、どうしようもなくムカつく、視界がグラグラと揺れるなど、自分では制御できない異変が起きていました。
もちろん、ストレスによるものです。
不登校になる直前の冬はハッキリと「死にたくなる気持ち」が出てきました。
電車の踏切を見ていると、なんだか踏切に吸い込まれそうな感覚が湧いてくる。
踏切に近づくと、毎回のように「電車に跳ねられちゃったら人生が楽になるな」と思うようになっていました。
学校と距離をとってから異変や死にたい気持ちは薄れていきました。
当然ですが、苦しみの根拠から離れたから苦しくなくなっていったのです。
不登校自体を懸念される人も多いですが「不登校をする前が一番ヤバい」というのが私の結論です。
不登校から得られた私の結論3
「ふつうの未来が待っている」
不登校をしたとき教頭先生から「大人になれないぞ」と言われました。
その一言に震えましたが、あれから22年、私を待っていたのは「ふつうの未来」でした。
「ふつうの未来」とは、苦労もするし楽しいこともある大人になったという未来です。
中学生の当時は想像ができなかった「仕事」もしています。
仕事はミスをして叱られながら覚えました。つまり「ふつうの覚え方」です。
私の職場には大学を出た同僚もいますが、ちがいは感じません。
日常もふつうです。大好きな人と結婚をしたり、ケンカをしたり、2000円もするパフェが食べられたり、メタボと医者から言われたりしています。
最近の日常の悩みはソシャゲの課金が止められないことです。
「学校へ行けない自分はもう終わりだ」と中学生の私は固く信じていました。
しかし、終わったことはなにひとつありませんでした。
なんでもない日常がボチボチと続くだけです。
それは私だけでなく、多くの不登校の人の未来だったと取材を通して確信しています。
明日の学校を迷う人には、どうかそういう「先行事例」を信じて、いまの自分の気持ちに率直になってもらえればありがたいと思っています。
不登校から得られた私の結論4
「当事者はSOSは言葉にしません」
ここから先は、私が専門家や親に取材をしてきたなかで得られた「親や周囲の大人に知ってほしい結論」をお伝えします。
まず、「学校へ行きたくない」という一言こそ、当事者が口にしたくない言葉だということです。
「不登校は悪」だと思っているからです。
不登校に関しては第三者が言動を見てSOSを判断するものだと思ってください。
子どもの言動を以前と比べて「できない」ことが増えてきたらSOSの兆しです。
具体的には「宿題ができない」「あまり食べられない」「朝、起きられない」「支度ができない」「笑わない」などです。
周囲は「死にたい」や「行きたくない」という言葉が出るぐらいなら考えようと思いがちですが、いったん子どもの言動を思い出してみてください。
不登校から得られた私の結論5
「SOSは自分だけで受けとめない」
言動を見て「もしかして」と思ったら、子どものSOSは絶対に自分だけで受けとめないでください。
親ならばわが子の不登校に対して冷静になることはできません。親だからこそ、子どもの将来を案じるがあまりに「子どもの現在」を無視して「ちょっとがんばろう」と追い詰めてしまうからです。 親や周囲は子どものSOSを「第三者に繋げていく存在だ」といったん割り切って相談や情報収集を始めてください。
全国のフリースクールや不登校の親たちによる「親の会」があります。
『不登校新聞』などでも、たくさんの当事者の経験談が得られます。
不登校から得られた私の結論6
「危ないと思ったら安全確保を第一に」
学校は命がけで通う場ではありません。命が脅かされるのならば「安全第一」が鉄則です。
本当に危険な場合は、子どもから嫌われても「学校を休ませる」「近い距離で見守る」など周囲による「ドクターストップ」もあり得ます。
大きな決断だと感じるかもしれません。
しかし、「学校は命がけで通う場ではない」という周囲の思いがあれば「本当に危険な状態にはなりづらい」というのも事実です。
というのも、学校へ行くか行かないかで悩んでいる子は人並みに常識がある子です。
学校が苦しくてもがんばっている子は、ほかのこともがんばれる子です。
怠けている子でも、弱い子でもありません。
本人のことを周囲が信じて「学校よりもあなたが大事だ」という思いが伝われば危険が回避できるからです。
以上が私の結論です。
「明日の登校はムリかも」と迷い始めたら、ぜひここに書いた6つの結論を思い出してもらいたいと思います。
以下は不登校にくわしい団体の連絡先、そして学校が苦しいと思った人などが相談できる連絡先です。
■保護者や子どもの相談窓口
「子どもの人権110番」(電話0120-007-110)
■不登校の相談窓口
「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(電話03-3906-5614)
■学校へ行っている子どもなどの相談窓口
「チャイルドライン」0120-99-7777
〔2018年9/2(日)石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕

周辺ニュース

ページ名不登校、、(不登校のニュース)
学校へ行けない理由 魔の9月1日 車のハンドルをガードレールへ動かそうとした少女は…〈dot.〉
小6の秋、突然学校へ行けなくなったかすみさんの本心とは
子どもの自殺が増加する夏休み明け。内閣府調査によると過去42年間に自殺した子どもは1万8048人にのぼる。
最も多かった日付は9月1日だった。
「学校へ行きたくない」という思いを抱える子は、どんな思いでこの日を迎えるのだろうか。
不登校新聞編集長の石井志昂さんは、ある15歳の少女の手記を紹介する。
小学6年のときに不登校になった彼女はどうして親にさえSOSを出せなかったのか。
*  *  *
学校に向かう車の中で、事故に遭えば「学校を休める」とふと思いました。
母が持っていた車のハンドルをガードレールのほうへ動かそうとし、怖くなってやめたことがあります。
小学6年生の秋のことです。
小6の秋、私は突然、学校へ行けなくなりました。
学校へ行こうと思うと玄関で足が止まってしまったからです。
いまふり返っても学校へ行けない理由は私自身もわかりません。
友だちもいたし、行けば楽しいこともありました。
でも学校にいると息苦しくなり、帰ってくるとすごく疲れていて気が重くなりました。
学校へ行けなくなってからは「行きなさい」と言われることはすごくつらいことでしたが、それとともにイヤだったことがあります。
それは大好きな母親と、学校へ「行く」「行かない」を言い合うことでした。
私はずっと「学校へ行きたくない」という言葉を誰にも言うことができませんでした。
学校へ行けないことが悪いことだと思い、「行けない自分」になったことを自分で認めたくなかったからです。
また、「行きたくない」と言えば絶対に理由を聞かれます。
理由を答えられないのに、自分から「行きたくない」と言うことはできませんでした。
私がハッキリと「行きたくない」と言わないこともあって、毎朝のように学校へ行くのか、行けないのかという母との言い合いは長引き、結局、学校へ行く時間にはどうしてもまにわなくなって学校を休む……、そのくり返しでした。
無理やり車に乗せられて学校へ行くこともありました。
事故に遭えばと思っていたのはそのころです。
あれから3年が経ちましたが、毎年、夏休み明けの新学期が始まるころは無意識に学校のことを考えます。
冬休みや春休みも同じです。
中学1年生からは学校へ行ってない人が集まる教育支援センターにも通い始め、自分の居場所ができました。
学校とはすこし距離を置き、いろいろな人とお話をしたり、遊んだり、安心してすごせてはいます。
でも、新学期に近づくにつれて不安になりました。
もしかしたらまた「学校へ行きなさい」と言われるのではないかと思っていたからです。
いまは以前のような不安はありません。
母も私のことを理解してくれています。
もしも私が中学1年生の私に出会えたら、ぜひ「自分の空間を大事にしてほしい」と伝えたいと思います。
自分の空間というのは、自分がやりたいことができたり、みんなと楽しくすごせたりする空間ではありません。
私にとっては本を読む時間、本を手に持つと自分の空間に入れました。
自分のまわりの環境がどんなときでも本があれば嫌な感情、人の話し声……、すべてをシャットアウトすることができます。
家のリビングにいても、教育支援センターにいても、本を読んでいる時間はちゃんと自分のことが大切にできる。
そういう自分の空間があれば、それが安全基地になって、自分が否定されても耐えられます。
もしもまわりに私と同じような人がいたら、「学校」という1つの場所が全てではないこと、またどんな時でも見方で自分を守ってくれるような、その人の自分の空間を大切にしてほしいと思っています。
かすみ(仮名、15歳・女性)
*  *  *
この手記は、当事者の心の内側、それも一番、言葉になりづらい部分を明確に示してくれた手記でした。
学校で苦しいことがあった子どもが、一番、言葉にできないのは「学校へ行きたくない」という一言です。
SOSは出しづらいんです。
とくに追い詰められ、苦しんでいる子どもほどSOSを発するのは難しくなります。
それは、不登校の子どもだけでなく、大人も同じです。
学校へ行きたくないと言えなかった理由はかすみさんが書いていたように「学校へ行けないことが悪いことだ」と思っていたからです。
自ら進んで罪を犯すことができない、親を困らせたくないというのが当事者心理です。
また「行きたくない」と言えなかったのは「理由が答えられないから」とも指摘していました。
かすみちゃんのように「理由がわからない」という不登校の子どもも多くいます。
これまでの取材では、背景としては4つのパターンがありました。
(1)純粋に理由が見当たらないため
(2)苦しすぎる経験ゆえに当時の記憶を失ったため
(3)理由が重層的で言葉にできないため
(4)深刻な原因だと思えないため
最近、10代からよく聞くのが「深刻な原因だと思えない」というパターンです。
「行きたくないほどの理由じゃないんだけれど……」という語り出しで、いじめや体罰を受けていたり、病気になったりした話を聞いてきました。
私が聞くかぎり、みんな深く傷つき、深刻な状態を生き抜いてきた子どもたちばかりでした。
しかし彼ら自身は「深刻ではない」と思っているため、他人から不登校の理由を聞かれても「わからない」と答えていたそうです。
このように「わからない」という言葉のうらには、その人なりの背景があります。
今回、くり返し伝えたいのは、学校へ行きたくない子どもが一番言葉にしづらいのが「行きたくない」という一言だということ。
そして、たとえ「行きたくない」と言えたとしても、その理由を説明できない子どもも多いということです。
周囲はつい明確なSOSを待ってしまいますが、本人にすればSOSは出しづらいものです。
言葉にしなくても態度や表情からSOSを受け取ることができます。
「言葉にしないなのは甘えだ」と突き放さず、いま態度に出していることが、その子なりの精いっぱいのSOSだと受け止め、本人の気持ちを大事にしてほしいと願っています。
〔2018年9/1(土)AERA dot.(文/石井志昂)〕

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