カスタム検索(不登校情報センターの全サイト内から検索)

 
Clip to Evernote  Twitterボタン  AtomFeed  このエントリーをはてなブックマークに追加  


西淀川子どもセンター

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
17行: 17行:
 
</tr>
 
</tr>
 
</table>
 
</table>
 +
 +
===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
 +
ページ名[[西淀川子どもセンター]]、大阪府大阪市西淀川区(居場所・大阪府) <br>
 +
'''「親戚のように」地域で子ども支援、大阪のNPO'''<br>
 +
ひとり親や貧困などの背景を抱え、孤立してしまう子どもたちがいます。<br>
 +
「家庭の身近な場所にある『地域』で、子どもを支えたい」。<br>
 +
そんな思いから、大阪で親子2代にわたって子どもたちを支援するNPOがあります。<br>
 +
活動について、話を聞きました。(JAMMIN=山本 めぐみ)<br>
 +
「JAMMIN×西淀川子どもセンター」8/19~8/25までの1週間限定販売のチャリティーTシャツ(税込3400円、700円のチャリティー込)。<br>
 +
Tシャツのカラーは全11色、その他バッグやスウェットも。<br>
 +
チャリティーは、西淀川子どもセンターの活動資金となる <br>
 +
週1開催の「いっしょにごはん!食べナイト?」<br>
 +
チャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN」(京都)は、「西淀川子どもセンター」と1週間限定でキャンペーンを実施し、オリジナルのチャリティーアイテムを販売します。<br>
 +
'''西淀川センター分室「ねおほ」の外観''' <br>
 +
大阪市西淀川区を拠点に活動するNPO法人「西淀川子どもセンター」。<br>
 +
大阪の中心街・北新地から3駅のJR御幣島(みてじま)駅から徒歩5分ほどの場所にセンターの分室「ねおほ」があります。<br>
 +
ここで週に1度、夜間を大人不在で過ごしがちな子どもたちへの支援「いっしょにごはん!食べナイト?」が開催されていると聞き、取材に伺いました。<br>
 +
出迎えてくれたのは、団体代表の西川奈央人(にしかわ・なおと)さん(39)。<br>
 +
12年前に母の日奈子(ひなこ)さん(64)が立ち上げた団体を引き継ぐかたちで、2年前から代表を務めています。<br>
 +
「西淀川子どもセンター」代表の西川奈央人さん。団体の歩みが書かれたポスターを手に <br>
 +
「子どもをめぐる悲しい事件が後を絶ちません。ここ西淀川でも、過去に虐待を受けて子どもが亡くなる事件がありました。<br>
 +
事件が起きてからではなく、もっと手前の段階で気軽に子どもが駆けこめたり、周囲の大人がSOSに気づいてあげられる場があれば、<br>
 +
子どもたちも少しは楽になるのではないかという思いから活動しています」<br>
 +
団体立ち上げ当時は拠点がなく、公園にパラソルを立てて子どもに声をかけたり、一緒に遊んだりすることから始めたという支援活動。<br>
 +
立ち上げて2年目に市営団地の一室を事務所として借りられるようになり、「ぽぴんず文庫」という本の貸し出しや紙芝居をしながら、<br>
 +
子どもたちが自由に訪れて遊べる場作りを開始しました。<br>
 +
すると、文庫を閉める時間になっても家に帰りたがらない子どもや、「この後、ゲームセンター行こうや」と誘い合わせ、<br>
 +
やはり家に帰らない子どもを目の当たりにしたといいます。<br>
 +
「『家に帰っても誰もおらん』『朝から何も食べてない』という子どもたちがいて、<br>
 +
昼間ここに来たら一緒にたこ焼きを焼いたりおやつを食べたりしていたのですが、やっぱりどうしても夜の過ごし方が気になる。<br>
 +
彼らと夜の時間を一緒に過ごしてみようという思いが、夜間支援『いっしょにごはん!食べナイト?』開催へとつながりました」<br>
 +
「いっしょにごはん!食べナイト?」の夜。ずらりと並ぶ子どもとスタッフたちの靴 <br>
 +
買い出しから支度まで、すべてを子どもたちと<br>
 +
取材に訪れたのは、7月のある日。夕方5時の開始時刻を前に、少しずつ子どもたちが集まり始めました。<br>
 +
この日の夕飯メニューはキーマカレーとアボカドサラダ。<br>
 +
参加者は子どもが9名、20~30代のボランティアスタッフが8名、総勢17名です。<br>
 +
驚いたことに、なんとスーパーの買い出しから子どもたちと行うのだといいます。<br>
 +
「私たちにとっては当たり前かもしれませんが、子どもたちの中には誰かとスーパーで食材の買い物をするという経験もほとんどない子もいます。<br>
 +
それができたらいいなという思いから、あえて買い出しから一緒にするようにしています」と西川さん。<br>
 +
何人かの子どもたちとスタッフが、メモを片手に連れ立ってスーパーへ出かけていきました。<br>
 +
しばらくして買い出し班が戻ってくると、奥にあるキッチンで早速夕飯の支度にとりかかります。<br>
 +
'''ごはんができるまでの間、熟年のスタッフと一緒に折り紙をして遊ぶ子ども  多世代で子どもを支える'''<br>
 +
夕飯ができるまでの間、子どもたちはまるで自宅でくつろぐかのように、思い思いに時間を過ごしていました。<br>
 +
スタッフさんと一緒にごはんの支度を手伝う子、おもちゃで遊ぶ子、スタッフさんとマンツーマンで勉強する子、おしゃべりをする子…。<br>
 +
中でも印象的だったのが、「ねおほ」に入ってすぐの土間で、若いボランティアスタッフとは別の熟年のスタッフさんたちに折り紙を教えてもらう子どもの姿。<br>
 +
「いっしょにごはん!食べナイト?」では、若いスタッフとは別に熟年のスタッフが控えていて、子どもたちを見守っているのだといいます。<br>
 +
「『土間(どま)部』という、熟年層や来客のスペースです。<br>
 +
私たちの団体の特徴でもあるのですが、全員で同じ夕飯の支度をして一緒にごはんを食べるのではなく、<br>
 +
熟年層のスタッフで形成されている『土間部』は別メニューでごはんを作って食べながら、<br>
 +
子どもと若者スタッフが過ごす様子を見守ってくれています」と西川さん。<br>
 +
「ここの強みは『多世代が集まる』こと。<br>
 +
子どもを中心に、彼らと年の近い20~30代の若者ボランティアスタッフがいて、さらにその周りを土間部の熟年世代がサポートしています。<br>
 +
さらにその周辺に地域で支えてくださる方たちや賛助会員さん、食料を支援してくださる方や、<br>
 +
学校などの連携機関、活動をサポートしてくださる企業さんなどがいるというイメージです」
 +
「一つだけのスペースだと、その場に馴染めない気持ちの子どもがいた時に、行く場を失ってしまう」と話すのは、<br>
 +
西川さんの母で西淀川センターを立ち上げた日奈子さん。<br>
 +
「活動は若い人たちに任せていますが、隣にもう一つ私たちのような場所があることは、子どもにとっては大切。<br>
 +
その場にうまく馴染めない状態の時、こっちに来て一緒に遊んだり話したりして少し気分転換しながら、<br>
 +
ゆっくり過ごしてくれたらと思っています」(日奈子さん)<br>
 +
'''調理を手伝う子どもたち  そこにあったのは、家族のような風景'''<br>
 +
台所では、若いスタッフたちが料理に奮闘中。<br>
 +
「これで合ってる?」と手順をネットで調べたり、「土間部」の料理が得意な熟年スタッフの方に「これってどうしたら?」と確認しながら、みんなでワイワイ調理しています。<br>
 +
…ああ、このワイワイが楽しいんだ。食べることだけじゃなくて、ああでもないこうでもないとか、じゃあこうしようとか、それあかんやん!とか、<br>
 +
このワイワイの中にいろんな楽しさが凝縮しているんだよな…、そんなことを感じる空間でした。<br>
 +
'''ボランティアスタッフと勉強中の子ども。状況に応じて様々な支援を行う''' <br>
 +
そういえば幼い頃、正月やお盆に親戚が集まった時、まさにこんな雰囲気だったなとふと思いました。<br>
 +
多世代が集まって、みんなで同じことをしているわけではないのだけれど、<br>
 +
「家」「家族」という同じ一つの空間で、守られている安心感を感じながら時間を過ごしていたなあと思うのです。<br>
 +
「ねおほ」で感じたのは、まさにそんな空間でした。<br>
 +
たくさんの人とワイワイ囲む食卓で、笑顔でおいしそうにご飯を食べる子ども <br>
 +
そうこうしている間に、夕飯が完成!みんなで助け合って配膳をして、お待ちかねの「いただきます」。<br>
 +
子どもたちもお腹が空いていたのか、一瞬シーンと静まり返ってごはんに夢中になり、その後少し時間を置いて、賑やかさが戻ってきました。<br>
 +
食後はゲームをしたりおしゃべりしたりして過ごして、夜8時には解散。<br>
 +
スタッフさんが子どもを自宅へと送り届けます。<br>
 +
「虐待やいじめによる孤立を予防したい」。 活動のきっかけ<br>
 +
さて、ここからは西川さんに、活動について詳しく話を聞きました。<br>
 +
──活動のきっかけは?<br>
 +
「前代表である母は、日本でCAP(Child Assault Prevention、子どもへの暴力防止プログラム)が紹介された際にその一期生としてプログラムを学び、<br>
 +
その現場で子どもの声を聞いてきました。<br>
 +
地域では保護観察処分を受けた青年たちをフォローする保護司の活動もずっと行っていました。<br>
 +
たくさんの子どもや青年たちと出会う中で、『事件が起きてからではなく、その前の子ども時代に、地域で気軽に関わって悩みや相談を聞いてあげられなかったのか』という思いを抱くようになり、それがこの団体の立ち上げへとつながりました」<br>
 +
「ここはどんな子どもも来ても良い場所ですが、なかには家族の関係や貧困事情など様々な家庭の背景も見え隠れし、<br>
 +
居場所がなかったり、不登校になったりする子どももいます。<br>
 +
そんな子どもたちにとっては、私たちが彼らの受け皿となっていろんなことに一緒に取り組むことで、本人の孤立や虐待の予防につながればと思います」<br>
 +
「ねおほ」の中は、ごくごく普通の家庭にあるような、幸せな風景で溢れていました<br>
 +
「近所の親戚のような存在になれたら」<br>
 +
──家族や親戚のお兄さんお姉さん、おじいちゃんおばあちゃんと遊んでいるような、子どもとの近い距離感が魅力的だと感じました。<br>
 +
「その都度出てきた問題にあわせてすぐに様々な支援をしているので『何をやっている団体なの?』と聞かれると一言でまとめられないところはあるのですが、<br>
 +
近所の親戚みたいな存在になれたらと思っています。<br>
 +
たとえばこれまでには『自宅が散らかってゴミ屋敷のようになっている』という相談を受けて掃除の手伝いに行ったり、<br>
 +
親御さんから『先生が言っていることがよく理解できないので、面談に一緒に来て欲しい』と依頼を受けて面談に同席したり、<br>
 +
子どもから『見に来て!』と誘われて運動会を見に行って、家族と一緒にシートを広げてお弁当を食べて帰ってくる、なんてこともありました」<br>
 +
「私自身もこの街で子育てをしています。<br>
 +
やはり子どもたちには地域を好きでいてもらいたいという思いがあります。<br>
 +
『嫌な思い出がある街』『帰りたくない場所』ではなくて、『あんな楽しいことあったなあ』とか『おもろい人居てたなあ』とか、<br>
 +
いつかふと思い出してくれたりしたらいいなと思います」<br>
 +
「ちょうど今、世間は夏休みの時期ですが、『何の予定もない』『家に帰っても誰もいないから、ドアを開けるときはいつもしんどい』と漏らす子どももいます。<br>
 +
子どもがふっとSOSを出してくれること自体がすごく大きな力。<br>
 +
『話してくれてありがとう』ということ、そして何ができるのか、親御さんと話す必要があるならば話をしますし、<br>
 +
『逃げられるときは逃げや』、そんな話を子どもとすることもあります」<br>
 +
「直接的に解決に結びつく支援ではないかもしれません。<br>
 +
でも『今、困ってるねん』と言える関係性があるということが、子どもにとっても少し楽になるというか、<br>
 +
それだけで少し状況が良くなるのではないでしょうか。<br>
 +
子どもの声に耳を傾け、親身になって一緒に考えることができる大人が近くにいれば、子どもは自分で立ち直る力を持っています。<br>
 +
だからこそ、子どもたちのすぐ近くにある『地域』でサポートしていく必要があるのではないかと思います」<br>
 +
〔2019年8/19(月) オルタナ〕 <br>
  
 
'''「いっしょにごはん!食べナイト?」ボランティアスタッフ講座'''<br>
 
'''「いっしょにごはん!食べナイト?」ボランティアスタッフ講座'''<br>

2019年8月30日 (金) 14:42時点における版

Icon-path.jpg メインページ > 大阪府 > 大阪市 > 西淀川子どもセンター

NPO法人 西淀川子どもセンター

所在地 大阪府大阪市西淀川区
TEL
FAX

周辺ニュース

ページ名西淀川子どもセンター、大阪府大阪市西淀川区(居場所・大阪府)
「親戚のように」地域で子ども支援、大阪のNPO
ひとり親や貧困などの背景を抱え、孤立してしまう子どもたちがいます。
「家庭の身近な場所にある『地域』で、子どもを支えたい」。
そんな思いから、大阪で親子2代にわたって子どもたちを支援するNPOがあります。
活動について、話を聞きました。(JAMMIN=山本 めぐみ)
「JAMMIN×西淀川子どもセンター」8/19~8/25までの1週間限定販売のチャリティーTシャツ(税込3400円、700円のチャリティー込)。
Tシャツのカラーは全11色、その他バッグやスウェットも。
チャリティーは、西淀川子どもセンターの活動資金となる
週1開催の「いっしょにごはん!食べナイト?」
チャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN」(京都)は、「西淀川子どもセンター」と1週間限定でキャンペーンを実施し、オリジナルのチャリティーアイテムを販売します。
西淀川センター分室「ねおほ」の外観
大阪市西淀川区を拠点に活動するNPO法人「西淀川子どもセンター」。
大阪の中心街・北新地から3駅のJR御幣島(みてじま)駅から徒歩5分ほどの場所にセンターの分室「ねおほ」があります。
ここで週に1度、夜間を大人不在で過ごしがちな子どもたちへの支援「いっしょにごはん!食べナイト?」が開催されていると聞き、取材に伺いました。
出迎えてくれたのは、団体代表の西川奈央人(にしかわ・なおと)さん(39)。
12年前に母の日奈子(ひなこ)さん(64)が立ち上げた団体を引き継ぐかたちで、2年前から代表を務めています。
「西淀川子どもセンター」代表の西川奈央人さん。団体の歩みが書かれたポスターを手に
「子どもをめぐる悲しい事件が後を絶ちません。ここ西淀川でも、過去に虐待を受けて子どもが亡くなる事件がありました。
事件が起きてからではなく、もっと手前の段階で気軽に子どもが駆けこめたり、周囲の大人がSOSに気づいてあげられる場があれば、
子どもたちも少しは楽になるのではないかという思いから活動しています」
団体立ち上げ当時は拠点がなく、公園にパラソルを立てて子どもに声をかけたり、一緒に遊んだりすることから始めたという支援活動。
立ち上げて2年目に市営団地の一室を事務所として借りられるようになり、「ぽぴんず文庫」という本の貸し出しや紙芝居をしながら、
子どもたちが自由に訪れて遊べる場作りを開始しました。
すると、文庫を閉める時間になっても家に帰りたがらない子どもや、「この後、ゲームセンター行こうや」と誘い合わせ、
やはり家に帰らない子どもを目の当たりにしたといいます。
「『家に帰っても誰もおらん』『朝から何も食べてない』という子どもたちがいて、
昼間ここに来たら一緒にたこ焼きを焼いたりおやつを食べたりしていたのですが、やっぱりどうしても夜の過ごし方が気になる。
彼らと夜の時間を一緒に過ごしてみようという思いが、夜間支援『いっしょにごはん!食べナイト?』開催へとつながりました」
「いっしょにごはん!食べナイト?」の夜。ずらりと並ぶ子どもとスタッフたちの靴
買い出しから支度まで、すべてを子どもたちと
取材に訪れたのは、7月のある日。夕方5時の開始時刻を前に、少しずつ子どもたちが集まり始めました。
この日の夕飯メニューはキーマカレーとアボカドサラダ。
参加者は子どもが9名、20~30代のボランティアスタッフが8名、総勢17名です。
驚いたことに、なんとスーパーの買い出しから子どもたちと行うのだといいます。
「私たちにとっては当たり前かもしれませんが、子どもたちの中には誰かとスーパーで食材の買い物をするという経験もほとんどない子もいます。
それができたらいいなという思いから、あえて買い出しから一緒にするようにしています」と西川さん。
何人かの子どもたちとスタッフが、メモを片手に連れ立ってスーパーへ出かけていきました。
しばらくして買い出し班が戻ってくると、奥にあるキッチンで早速夕飯の支度にとりかかります。
ごはんができるまでの間、熟年のスタッフと一緒に折り紙をして遊ぶ子ども  多世代で子どもを支える
夕飯ができるまでの間、子どもたちはまるで自宅でくつろぐかのように、思い思いに時間を過ごしていました。
スタッフさんと一緒にごはんの支度を手伝う子、おもちゃで遊ぶ子、スタッフさんとマンツーマンで勉強する子、おしゃべりをする子…。
中でも印象的だったのが、「ねおほ」に入ってすぐの土間で、若いボランティアスタッフとは別の熟年のスタッフさんたちに折り紙を教えてもらう子どもの姿。
「いっしょにごはん!食べナイト?」では、若いスタッフとは別に熟年のスタッフが控えていて、子どもたちを見守っているのだといいます。
「『土間(どま)部』という、熟年層や来客のスペースです。
私たちの団体の特徴でもあるのですが、全員で同じ夕飯の支度をして一緒にごはんを食べるのではなく、
熟年層のスタッフで形成されている『土間部』は別メニューでごはんを作って食べながら、
子どもと若者スタッフが過ごす様子を見守ってくれています」と西川さん。
「ここの強みは『多世代が集まる』こと。
子どもを中心に、彼らと年の近い20~30代の若者ボランティアスタッフがいて、さらにその周りを土間部の熟年世代がサポートしています。
さらにその周辺に地域で支えてくださる方たちや賛助会員さん、食料を支援してくださる方や、
学校などの連携機関、活動をサポートしてくださる企業さんなどがいるというイメージです」 「一つだけのスペースだと、その場に馴染めない気持ちの子どもがいた時に、行く場を失ってしまう」と話すのは、
西川さんの母で西淀川センターを立ち上げた日奈子さん。
「活動は若い人たちに任せていますが、隣にもう一つ私たちのような場所があることは、子どもにとっては大切。
その場にうまく馴染めない状態の時、こっちに来て一緒に遊んだり話したりして少し気分転換しながら、
ゆっくり過ごしてくれたらと思っています」(日奈子さん)
調理を手伝う子どもたち  そこにあったのは、家族のような風景
台所では、若いスタッフたちが料理に奮闘中。
「これで合ってる?」と手順をネットで調べたり、「土間部」の料理が得意な熟年スタッフの方に「これってどうしたら?」と確認しながら、みんなでワイワイ調理しています。
…ああ、このワイワイが楽しいんだ。食べることだけじゃなくて、ああでもないこうでもないとか、じゃあこうしようとか、それあかんやん!とか、
このワイワイの中にいろんな楽しさが凝縮しているんだよな…、そんなことを感じる空間でした。
ボランティアスタッフと勉強中の子ども。状況に応じて様々な支援を行う
そういえば幼い頃、正月やお盆に親戚が集まった時、まさにこんな雰囲気だったなとふと思いました。
多世代が集まって、みんなで同じことをしているわけではないのだけれど、
「家」「家族」という同じ一つの空間で、守られている安心感を感じながら時間を過ごしていたなあと思うのです。
「ねおほ」で感じたのは、まさにそんな空間でした。
たくさんの人とワイワイ囲む食卓で、笑顔でおいしそうにご飯を食べる子ども
そうこうしている間に、夕飯が完成!みんなで助け合って配膳をして、お待ちかねの「いただきます」。
子どもたちもお腹が空いていたのか、一瞬シーンと静まり返ってごはんに夢中になり、その後少し時間を置いて、賑やかさが戻ってきました。
食後はゲームをしたりおしゃべりしたりして過ごして、夜8時には解散。
スタッフさんが子どもを自宅へと送り届けます。
「虐待やいじめによる孤立を予防したい」。 活動のきっかけ
さて、ここからは西川さんに、活動について詳しく話を聞きました。
──活動のきっかけは?
「前代表である母は、日本でCAP(Child Assault Prevention、子どもへの暴力防止プログラム)が紹介された際にその一期生としてプログラムを学び、
その現場で子どもの声を聞いてきました。
地域では保護観察処分を受けた青年たちをフォローする保護司の活動もずっと行っていました。
たくさんの子どもや青年たちと出会う中で、『事件が起きてからではなく、その前の子ども時代に、地域で気軽に関わって悩みや相談を聞いてあげられなかったのか』という思いを抱くようになり、それがこの団体の立ち上げへとつながりました」
「ここはどんな子どもも来ても良い場所ですが、なかには家族の関係や貧困事情など様々な家庭の背景も見え隠れし、
居場所がなかったり、不登校になったりする子どももいます。
そんな子どもたちにとっては、私たちが彼らの受け皿となっていろんなことに一緒に取り組むことで、本人の孤立や虐待の予防につながればと思います」
「ねおほ」の中は、ごくごく普通の家庭にあるような、幸せな風景で溢れていました
「近所の親戚のような存在になれたら」
──家族や親戚のお兄さんお姉さん、おじいちゃんおばあちゃんと遊んでいるような、子どもとの近い距離感が魅力的だと感じました。
「その都度出てきた問題にあわせてすぐに様々な支援をしているので『何をやっている団体なの?』と聞かれると一言でまとめられないところはあるのですが、
近所の親戚みたいな存在になれたらと思っています。
たとえばこれまでには『自宅が散らかってゴミ屋敷のようになっている』という相談を受けて掃除の手伝いに行ったり、
親御さんから『先生が言っていることがよく理解できないので、面談に一緒に来て欲しい』と依頼を受けて面談に同席したり、
子どもから『見に来て!』と誘われて運動会を見に行って、家族と一緒にシートを広げてお弁当を食べて帰ってくる、なんてこともありました」
「私自身もこの街で子育てをしています。
やはり子どもたちには地域を好きでいてもらいたいという思いがあります。
『嫌な思い出がある街』『帰りたくない場所』ではなくて、『あんな楽しいことあったなあ』とか『おもろい人居てたなあ』とか、
いつかふと思い出してくれたりしたらいいなと思います」
「ちょうど今、世間は夏休みの時期ですが、『何の予定もない』『家に帰っても誰もいないから、ドアを開けるときはいつもしんどい』と漏らす子どももいます。
子どもがふっとSOSを出してくれること自体がすごく大きな力。
『話してくれてありがとう』ということ、そして何ができるのか、親御さんと話す必要があるならば話をしますし、
『逃げられるときは逃げや』、そんな話を子どもとすることもあります」
「直接的に解決に結びつく支援ではないかもしれません。
でも『今、困ってるねん』と言える関係性があるということが、子どもにとっても少し楽になるというか、
それだけで少し状況が良くなるのではないでしょうか。
子どもの声に耳を傾け、親身になって一緒に考えることができる大人が近くにいれば、子どもは自分で立ち直る力を持っています。
だからこそ、子どもたちのすぐ近くにある『地域』でサポートしていく必要があるのではないかと思います」
〔2019年8/19(月) オルタナ〕

「いっしょにごはん!食べナイト?」ボランティアスタッフ講座
子どもたちと一緒に晩ごはんを作って食べたり、宿題を見守ったり、遊びやおしゃべりの時間を共に過ごす「いっしょにごはん!食べナイト?」のボランティアについて、活動紹介や具体的な役割などをスタッフがお話します。
現役スタッフとおしゃべりしながら、ざっくばらんにいろんな質問もできるような場にしたいと思います。
ボランティアとして活動に関わってみたいと興味を持ってくださった方、まずはお気軽にご参加ください♪
日時:2017年4月22日(土)14時~16時頃まで
場所:ねおほ(大阪市西淀川区御幣島2丁目13-34)
※JR東西線「御幣島」駅より徒歩5分
http://popins.exblog.jp/18184691/
対象:18歳以上の若者
参加方法:申込み先に電話またはメールにて、
①氏名(フリガナ)②年齢 ③住所・最寄り駅
④この講座を知ったきっかけ ⑤活動可能な曜日
⑥連絡のつきやすい連絡先(携帯番号・メールアドレスなど)をご連絡下さい。
<申込み・問合わせ先>
NPO法人 西淀川子どもセンター
事務局:電話 06-6475-1372(平日/13時~17時)
メール popi-nishiyodo@clear.ocn.ne.jp
〔2017・4・6 貧困ネット〕 

事業報告会:子どもを地域で守ろう NPOが訴え 大阪・西淀川 /大阪
大阪市西淀川区内で、夕食をともにして子どもたちを見守る事業の報告会が区役所で開かれ、約80人が参加した。
NPO法人「西淀川子どもセンター」(西川日奈子代表)のスタッフらが、子どもたちが安心して過ごせる環境を作るため、地域の大人たちが協力する必要性を説明した。
子どもと夕食を食べる地域活動は、子育てに課題を抱える家庭や不登校の子どもたちなどの支援に効果があるとして、近年、全国各地に広がっている。
西淀川子どもセンターは2014年度、地域の小中学生と夕食を食べる「いっしょにごはん!食べナイト?」を開始。
今年度は区や日本たばこ産業(JT)の補助・助成を受け、2カ所で計106回実施し、延べ364人の子どもたちが参加した。
大学生などのボランティア約30人が中心となり、買い物、調理、後片付けに加え、宿題や遊びなど、家庭の団らんを補っている。
報告会では、当初は正座して食べるなど緊張していた子どもたちが「本当は学校に行きたいねん」「夏休みの宿題は、家で飼っている犬のおしっこがかかって使えない」など、本音をもらす姿が紹介された。
中には、親からもらった昼食代をゲームなどに使って1日3食の習慣が壊れ、「お腹なんて空かない」と強がる子どももいた。
参加後に学校に再び通い始めた我が子を見て、スタッフに心を開いてくれた親もいた。
ボランティアの桃山学院大4年、深尾祐貴さん(22)は「支援を受けることに『負の感情』を持たせないように気をつけたい」と心構えを話した。
コメンテーターの金沢ますみ同大学准教授(児童福祉論)は「公的支援が広がるよう、社会的合意を作るための話し合いを続けるべきだ」と指摘。
最後に西川代表が「子どもの貧困の解決は、大人の責任としてしっかり取り組まなければならない」と訴えた。
〔◆平成28(2016)年3月30日 毎日新聞 地方版〕 

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
地域
不登校情報センター
イベント情報
学校・教育団体
相談・支援・公共機関
学校・支援団体の解説
情報・広告の掲載
体験者・当事者
ショップ
タグの索引
仕事ガイド
ページの説明と構造
ツールボックス