学校案内書DM発送の余話

今回の学校DM案内書の発送数は合計4864通になりました。

届いた後のいろいろな連絡が不登校情報センターにも入っています。多くは学校に復帰した、進学先が決まったなどの連絡です。なかには就職をした人もいます。今年の進学は見送るつもりという人もいます。ようやく動き出した、毎年春先はいいのだけれども今年はどうなることかというお母さんもいます。4月には何とかしたいけれどもどうにもならない方もいます。子どもの問題は家族全体の問題なのです。

応援のつもりでカンパを送ってくれた人、多数の切手を送ってくれた人もいます。ありがとうございます。

いただいた便りに、かなり長い期間の様子を簡潔に書いた例があります。
「中学二年のときに不登校になりお世話になりました。
当時はしばらくは昼夜逆転の生活をしていましたが、サポート校を無事卒業し、大学に進学することもできました。
考えてみると、学校や外へ連れ出してくれた友達の存在がとても大きかったのだと思います。
私たちは疲れたら戻ってきて休める居場所をつくってあげることだけで精一杯でしたが、友達は家族がして上げられないことを簡単にしてあげられる存在なのだ…と痛感しています。」

まだ2月です。しばらくは進学関連の動きは続きます。

NTT代理店の電話リースの案内

NTTの代理店の方に来ていただきました。
NTTのリースになっている電話機のリースが終了になるので交換してはどうかの提示になります。
結論は使っている機器を引き上げ、新式の機器にする。そうすると毎月の電話料が9400円増えるというのです。
私が、NTTの仕様のものでなく市販の電話機にした方が安くなると言うと、このシステムの対応機器はNTTでしか販売していない、NTTでは一括販売になり、代理店では7年リースの分割払いになるので導入しやすいという話です。
NTTの対応機は同時に最大24台の子機が使えるシステムのあるものです。これがあるからそれに対応する高額の対応電話機を導入するのです。
このシステムを外せばいいのです。そういう選択の説明はしない営業です。
私はこれがペテンまがいだと思います。24台の子機を使うことはありません。子機がなくてもいいくらいです。この小さな事務所にいればわかることです。
ですがこのシステムを残したままで、市販の電話機を導入する方法がないものかどうか、それを調べてみようと思います。NTTはこの機器の販売経路をどこまで閉鎖的にしているのか、代理店の説明に疑問を持つからです。

発達障害と高次脳機能障害の技法

Tさんからリハビリセンターの様子を聞く機会があります。
そこでは交通事故の後遺症によるリハビリが多いようです。
脳の機能障害をみるところもあります。
ここの様子を聞くわけですが、実はどんなことかはよくわかりません。
むしろそれらの状況を話すTさんの変化や機能回復のために取り組んでいる漢字や書き取りの学習が事態を感じさせてくれます。

それとは直接は関係ないのですが、私は昨年来、脳と神経系に関する文献をいくつか読みました。
いずれも古い本です。
それらが予行練習になり、「小岩特別支援学校・全国発表会」での講演を聴きました。
講演者は「神経心理学の視点からとらえるコミュニケーションの指導」と題する坂爪一幸先生です。
講演においては最近の研究成果が現れています。

そのなかで特に印象的なのは成人の高次脳機能障害の治療の成果を子どもの発達障害の教育活動に生かそうという視点です。坂爪先生が言うには両者の間には20年の差があるといいます。
その高次脳機能障害の「さまざまな技法の開発・発展」として次の例が紹介されました。

・各高次脳機能障害の回復の技法―失語症、半側無視、記憶障害、注意障害、遂行機能障害の回復技法など。
・特定行動の形成と除去の技法―オペラント法、モデリング法。
・自己の監視と制御の技法―自己教示法、自己監視法、自己強化など。
・獲得の効率化・定着化の技法―全習・分習法、集中・分散学習法、シェービング法、背向型学習法、時隔的検索法、無誤謬学習法、手がかり漸減法など。

これはパワーポイントに個条書きされたものです。
なんとなく想像できるものもありますが、技法となるとどれ一つとしてよくわかりません。
私がそれらに立ち入ってわかる必要はないと思いますが、何かの折に触れることもあるでしょう。
これらの知見や技法を子どもの発達障害に応用できないかを提起されたわけです。

Tさんの様子からわかることは、これらの技法は華々しくはなく地味なものです。
それを日常的に継続することが機能回復訓練であり、また教育活動になります。
坂爪一幸先生の紹介された技法の多くはそのようなものだと思います。
劇的な効果を求めるのではなくこうした活動が大事であると思います。