引きこもりは大問題の一つに

内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室の調査報告書『困難を有する子ども・若者の支援者調査』(概要版)というのが送られてきました。
昨年、該当するNPO法人447団体から寄せられた回答のまとめです。A4版127ページですから、時間のとれるときに見ることにします。
企画分析委員の座長を宮本みち子さんがされています。

その宮本みち子さんが『ビッグイッシュー』のあるところに、ホームレス、貧困、引きこもりなどの問題が「陸続き」になってきていると書いていました。発生因が異なりそれぞれ個別の問題はあるけれども、問題に共通することが多いなってきたという意味になるでしょう。
私は、引きこもりの問題にかかわり、彼ら・彼女らを社会につなげようとしていたところ、「社会の方からこちらに近づいてきている」と書いたことがあります。
これは実は宮本みち子さんが感じる陸続きが、私の受けとめ方とほとんど同じということです。
引きこもり場面に身をおいて見ると、宮本みち子さんが見ている景色は私の言葉で表せるはずです。

日本共産党は、被災地復興、TPP(環太平洋経済協定)反対、脱原子力発電、沖縄における米軍普天間基地撤去、消費税増税反対など、それぞれの関係業界・団体と「一点共闘」と呼んで進めています。私はそれらが相互に関連し、まとまりを持っていく感じがしています。
同じように、ホームレス、貧富の差の拡大と貧困の深刻化、引きこもり、生活保護と社会福祉、非正規労働の不安定性…などが徐々に重なり関連し、一つの大きな社会問題になりつつあるのは確かでしょう。
この状況は社会が本物の変動に向かう予感を持たせます。むろんどんな政治勢力であってもこの舵取りは容易ではないでしょう。そして思います。子どもの不登校・登校拒否とはこの時代変化の前ぶれと考えていいのです。子どもはいつのときも、時代に先行して極端な形で事態を表すものです。

〔6月27日追記〕宮本先生の文章が見つかりました。「若者ホームレスは特殊な現象ではない。グローバル経済競争の中で人間関係の選別化が進み、学校からも仕事からも排除される若者が増加している。また、親に頼れない若者が増加している。しかも、若者の生育環境はますます個人化し、心を許せる友人や知人のない孤独な若者、社会的な技量を習得できないまま放置される若者が生まれやすい。ひきこもりが約70万人、若者無業者(ニート)が約60万人、フリーターが200万人弱などを数えると、300万人に達する若者は、ホームレスと地続きといっていいすぎではないだろう。」(『若者ホームレス白書』2、NPO法人ビッグイッシュー基金、2012年3月の「はじめに」)

不登校の総合相談室を具体化

昨日、「不登校・引きこもり・発達障害の悩み相談室」、すなわち総合相談室設立の準備会をしました。出席は4名です。ここにホームページ制作の担当者も同席しました。前回の合意をさらに一歩進んだ具体化ができました。

4名それぞれが、これまでに取り組んできた経験を生かして、定期的(毎月1回程度、またはそれに追加する形で)にミニイベント的な取り組みを重ねます。それとは別に4人共同で年数会のイベントを行います。こうして不登校・引きこもり・発達障害の総合的な相談室をつくり上げていく方向です。

次回(6月18日)には各自の企画を持ち寄り、それぞれを説明することになりました。私には、2つの案があります。

1つは「引きこもり理解セミナー」を月例で開きます。5月から「大人の引きこもりを考える教室」を始めましたが、これを少し加工したものを池袋で開くことになります。
もう一つは、先日(6月6日)具体化したばかりの「出前の体験発表」を、毎月開くことです。5人ぐらいまではすでに発表メンバーが想定できます。このメンバーに発表の機会を提供するとともに、メンバーを広げていきます。

準備会参加の他のメンバーもそれぞれ思うテーマがあるので、それを企画提出することになります。準備会の後、スペースに予定している場所に行きました。7月までは中に入れませんが、窓越しに中を見ました。池袋駅東口から10分のところです。裏側が豊島区役所の移転先として建築工事中、道路沿いの隣が東京福祉大学のビルです。落ち着いた町中です