土曜日の29日、新・人生模索の会というのを開きました。2時間の話とそのあとの様子から思いついたことです。
居場所について、引きこもりについて、テーマを限定せずに話し合う機会になりました。話しつくす、聞きつくす場にするつもりではないかと思うくらいいろんなことが出されました。雑談ですからそれは目標どおりです。
これはこれでいいのですが、数回で終わってしまいます。自分にとってのさしあたり必要な答えを広く薄く求めているのかもしれません。話し合える相手(共通の関心を持つ人)が見つかればそこに集中するものです。テーマを深めるような討論にはなりません。解消はあるけれども建設には向かわないようです。
先日話した居場所の定義、「自分の状況が向上するよりも、ここからは下がらないようにする場。攻めではなくて守りの場」の実現です。
今回は仕事体験の情報交換がありました。ネット上の情報やサポートステーションのような“公式の場”ではつかめない、わからない事情が体験した本人から聞くことができたからです。
この種の居場所を継続するヒントは、先日の居場所探しの企画会議2で話し合ったことの中にあると思いました。イベント(特にミニイベント)との組み合わせです。
候補になるミニイベントを種類分けすると、
(1)体験発表型:誰かの体験発表(就業・カウンセリング・家族や成育歴など)を聞く機会を設ける。そのあとの雑談、交流の機会です。
(2)お出かけ型:博物館や公園などに行き、そのおりに一緒に食事をするなどです。料金があまり高くならないことが条件になります。
(3)室内型:ビデオ上映会やテープ視聴会のような機会です。アニメを上映するとよさそうな感じを受けました。アニメには長いものもありますが、それでもいいのかもしれません。ゲームや食事会もこの室内型に入るでしょう。
(4)別の発想ですが、複数の居場所をめぐり歩くことです。1人で行くのは行きづらい。かといって大勢が一緒に行くとその場を席巻することになりかねないので2人で行く。それらを含めていろんな居場所の情報交換です。
他にもあると思いますがとりあえずこれらを組み合わせ、繰り返していけば継続できる可能性があります。
どの場に行っても参加者が固定メンバーにならないことも必要です。あの傾向の時にはいるけれども、この傾向の場にはいない、全体としてそういうものがいいと思います。これは“人アレルギー”傾向のある引きこもり経験者への対応方法にもなります。
居場所の役割、目標は話し合える相手、話しやすい相手を探すことが中心になるはずです。それを達成した人は来なくなります。それだけでは十分ではないのですが、早く卒業したい気分になる人は少なからずいます。
居場所が継続するには、入って来る、離れていく、何人かは継続する、その全体を了解しておくのが必要です。安定しなくて当然かもしれません。「入って来る」がないと消滅します。
特定テーマによるサークル・研究会などとはこのあたりが違います。メンバーという人中心ではなく、居場所という場を中心に性格づけられるのはこのためですし、そうなるだけの意味を受けとめてこそ活用できるものです。