「引きこもり経験者のための居場所の説明会」を開きました(29日)。新事務所になったあとで「小規模な会合を数多く開いていく方向」(会報『ポラリス通信』2013年8月1日号)が求められると考えました。いくつかは実現したと思いますが、これからどうするのか考える場です。これまでに実例も参考に記録し、太字は今後加えたい有力案です。
話の中で出てきた居場所と当事者グループを大雑把に型分けするとこうなります。
(1)室内型
体験発表(サポステの報告、就職支援センターの状況)、製本教室と創作交流会、ライフプラン、ゲーム(麻雀、囲碁・将棋)、ブックシェアの会、カラーセラピー、ビデオ上映会、瀬戸内寂聴テープを聴く会、勉強したい人に教える場、食事会、DJ講座。
(2)業務型
パソコン利用・サイト制作、事務作業グループ。
(3)外出型
水族館見学、花屋敷などの遊園地、お寺、カラオケ、アカペラカラオケ、バーべキュ―。
(4)軽運動型
ボーリング、バッティングセンター、ダーツ。
(5)同行型
楽の会、萌えの会、新ひきこもりを考える会、など。
(6)手紙活動の企画
このほかに「手紙活動」についても意見を聞くことができました。
月別アーカイブ: 2013年9月
引きこもりの本人と家族への手紙活動を企画中です
親しくしています名古屋の木村登校拒否相談室の木村茂司先生からの質問の回答に、引きこもり状態の人に手紙を書く取り組みの例がありました。
不登校情報センターでは、引きこもりの人への訪問によるメンタルフレンド活動を続けています。メンタルフレンドは、訪問活動の開始まで、本人と会えるようになるまで、その後の展開などいずれも多くの課題があります。木村先生の手紙活動を見て、引きこもっている人に手紙でつながる方法もすすめたいと考えました。訪問と手紙がうまくミックスすれば活動全体が向上すると思えます。
そこで文通ボランティアの方に、この引きこもり状態の人への手紙活動への参加をお願いすることにしました。継続的な取り組みにするにはある程度の仕組みや基準づくりがいります。仕組みが決まればこれまでの文通ボランティアの方以外にも参加を呼びかけます。
手紙活動の説明会も必要になりそうです。
訪問サポートを考える会参加の親は30代と中学生の母2人
引きこもりの状態の人との接点をつくるのに訪問サポート活動によるメンタルフレンドがあります。不登校情報センターは専門のトカネットがあります。
昨日はトカネット・藤原さん主宰による訪問サポートを考える会というのを開きました。参加したのは30代の男性の親と中学生の女子の親の2人です。ずいぶん状況が違う2人の母親ですが、引きこもり状態、不登校状態を話していくと分かり合えることや参考になることも多かったと思います。訪問サポートの可能性を考えるいい機会になりました。また来月に予定します。
自治体の就職支援センターッて聞いたことがありますか
自治体の就職支援センターッて聞いたことがありますか
会員Cくんは葛飾区の就職支援センターに通っています。
就職支援センターは葛飾区の委託を受けた組織で、ハローワークとも違います。
葛飾区の場合は6か月の期間、個人的に相談する、グループで話し合う、支援者のケースワーカーと一緒にハローワークに行くなどの取り組みをします。
Cくんと一緒に参加している人の2人から、その実情を話してもらう機会をつくります。そう多くの人が参加できるとは思いませんが、家族の方を含めて参加希望者がいましたら連絡をください。
場所は不登校情報センターですが、日時は希望者がいましたら相談をして決めて行きたいと思います。
メール:open@futoko.info
FAX:03-5875-3731
トカネットの藤原宏美さん『独身・無職者のリアル』を出版
トカネットの藤原宏美さんが本を出しました。関水徹平さん(立正大学)との共著で『独身・無職者のリアル (扶桑社新書)』(扶桑社新書、2013年10月1日、定価760円+税)です。
この夏の暑い中、かなり集中して執筆をしてご苦労様でした。「自分で読む気がしない」とは藤原さんの弁ですが、なに時間を置いて読めば自分でも十分に納得のいく内容になっていることがわかるはずです。これは私の経験からそういえるのです。書いた当座、特に印刷されたものが始めて目の前に現われたときに生まれる不思議な感覚です。
藤原さんはそれよりも内容と書名の乖離を言っているようですが、それは読者の判断に任せればいいことです。原稿を書き終えたあとでは、当初の書名予定と実際の書名が違うと確定したとき著者が取りうるスタンスはそういうものでいいのではないでしょうか。
20代の長時間労働と超過勤務に残業手当が出ない話を聞く
平井に移ってきて何回目になるか、「お話し聞きます」を平井駅北口広場で店開き。まずはこの取り組みを知ってもらうのが目標の半分みたいになっています。
30代ぐらいの人が椅子に座ったのはいいのですが「来週来ます」といって帰りました。
店じまい近くなって、20代の技術系の人が待ち合わせていて幼馴染に強引に勧められた形で座りました。長時間労働と超過勤務の残業手当が出ない話しを聞きました。名刺代わりの連絡先を交換したので、この話は続きがあるかもしれません。
季節はだんだん涼しくなります。寒くなったらできなくなるかもしれませんが今日は寒さも内容もよかったといえます。
別の病気の発生源、社会生活上の妨害要素としての向精神薬
向精神薬の使用により生まれる問題の一つに“太る”ことがあります。少々ならばやむをえないと思えることもありますが、異様に太る人もいます。身長150cm台で体重90kgになったのではそれ自体が一つの身体症状といえます。若い女性の場合は、外出を妨げる最大要因にもなります。
これらは、副作用という言葉を超えて服薬は別の病気の発生源といえるのではないでしょうか。社会生活上の妨害要素になっているのではないでしょうか。そういう面にも眼を向けていただきたいところです。
処方をする医師からすれば、それは単純にクスリだけの問題ではない、クスリに関してはそれを防止することも考慮している……等の言い分もあるのでしょう。ですが、医師が治療しながら病気の発生をさせていることに変わりはないのです。
こういう背景のあることを思わせる事態がありました。
企画試験の形でサイトの更新・継続の方法を考えてみました
事務作業グループに課した企画試験です。
「翼学院、バンタン高等学院、KHJ親の会ニュース(県単位の連絡先の表がある)を入手しました。不登校情報センターはこれをどのように活用できるのか、箇条書きにしなさい」の問題を出し、白紙の答案用紙を渡します。実際の学校案内書や親の会ニュースを見てもらいながら回答を考える企画試験です。
これは不登校情報センターがこれまで情報を集め、サイトに情報掲載している方法なのですが、なかなかいいレベルの回答がでてきません。密かにこれまでと異なる活用方法がとっぴな答え方として出てくるかもしれないと思ったのですが、そうはなりませんでした。
(1)各団体に所定の情報提供用紙を送り、情報提供を受けそれをサイトに掲載する許可をもらいます。
(2)所定用紙により回答してきたところを紹介情報に掲載しますが、回答のないところは掲載しません。
(3)KHJ親の会の場合は各県の連絡先に所定の情報提供用紙を送ります。1か所に送って他の全部も同じとして情報を載せる方法は取りません。既に紹介情報を掲載している県単位の親の会は情報更新の有無を照会します。
(4)回答を受けたところは「学校・団体の基本台帳」を作成し、今後もいろいろな企画を紹介します。また掲載されている情報をときどき更新するように案内します。
(5)回答のないところは「学校・団体の基本台帳」は作成しません。それでもすっかり忘れ去ることがないように、ときたま学校・団体紹介の情報提供をお願いします。
基準的な回答はこれらを含むものです。回答としては全部がなくてもよく、むしろ新しい発想を期待したいところです。現在の不登校情報センターのサイトに掲載されている学校・支援団体の紹介情報は、これを繰り返してきたことによります。
この方法は、実物の学校案内書を目の前にしてもすぐには思いつかないものです。これからも工夫しながら繰り返さなくてはサイト制作の発展はありません。
事務作業グループに新メンバーを求めるのは、こういうことに関心を持つ人が参加してほしいと期待するからです。他にもいろいろなタイプの人を必要としています。
ある就労支援団体の様子が情報センターと似ている点
昨日の夕刻にHくんが突然姿を見せました。次に行く予定があり、短時間の立ち寄りです。Hくんはサポートステーションに通い、その一方就職活動もしています。
サポートステーション通いとはいえ、実際にはそこから紹介をうけた場所で訓練を受けています。訓練生というところです。パソコンを使う作業をしながら技術取得をめざしています。この場所を仮称「ポラネ」として、ポラネの話をききました。
Hくんが言うには仮称「ポラネ」は不登校情報センターと似ているとのことです。似ているのは、①訓練生が「立ち止まるのを“よし”としている点」、②その人が好きなことを仕事に勧めようとしていること、の2点です。
不登校情報センターがそうしているのかといえば、そうなるしかなかったというのがより正確でしょう。それ以外には成り立たないとも思います。
仮称「ポラネ」にはHくんの予想ですが30人ぐらいいて、定期的に来るのは3、4名がレギュラー的といいます。人材不足気味です。朝の10時から夜の8時の間の来られる時間に来て作業をしながら教えてもらいます。Hくんは技術を身につけることが目標です。最初はよく通っていましたが、いまは2週間に1回ぐらいで、1日4~5時間いきます。
「バイト料というか作業費は?」と聞くと“ない”とのことです。行政からの援助資金は出ているのでしょうが、運営資金は出ても、訓練生の作業費は出ないというのは現実でしょう。Hくんはここが不登校情報センターとは違うといっています。しかし私の認識では系統的な指導計画はないのですから大差はありません。
他のこの種の若者就労支援団体の様子を聞いても、全体として仮称「ポラネ」と似ています。訓練生の就職実績を強くアピールするところよりも、こういうところが訓練生というか若者の実情にそった対応をめざしていると思います。何らかの法則的な力が働いているのです。
Facebookによる「メンタル相談」情報集めの結果報告
8月にFacebook内で検索ワード「心理相談室」「カウンセリングルーム」などで探した方にFacebookのメッセージを送り、不登校情報センターのサイトに相談室等の紹介情報の提供を依頼しました。
かなり無理筋の取り組みでありましたが、それなりに成果と状況把握ができました。メッセージの文面はほぼ同じで次のとおりです。
「このような形では失礼かもしれませんが、取り組みやすいのでお願いいたします。
不登校情報センターは不登校、引きこもり、発達障害とその周辺状況の子ども・青年(摂食障害、AC、情緒障害、対人恐怖、いじめ・虐待後遺症状など)を相談支援する機関の情報をサイト上で提供するNPO法人です。このサイトで貴相談室等を紹介させていただくための情報提供をお願いいたします。
サイトには学校関係を中心に2000以上の団体紹介をしています。対象は心理相談室、心理療法施設、身体療法施設などで不登校、引きこもり、発達障害と周辺状況の子ども・青年に関わる心理相談・身体療法機関が対象です。可能なときはFAX番号をお知らせいただければ所定用紙を送信いたします。
NPO法人不登校情報センター 松田武己 」
送り先は総合計67人になります。その内訳は次のようになります。
返事なし―――――42人(63%)
FAXで用紙送信――7人(情報紹介の回答なし)
メールで用紙送信―4人(情報紹介の回答なし)
紹介情報の提供――4人(6%の回答)
相談組織を廃止――1人
条件により情報提供できず―9人
*(公共機関の取り組み、相談機関に所属しながらFacebookは個人、分野が違う、特定の 相談場所はない、不特定の人対象に自信がない、電話で話してから、見送る)
これまでまったく知らない人にいきなりのお願いですから、多くは期待できません。それでも4件(6%)の紹介情報を得たことは、これまでの取り組みから見て低くはなく、平均以上です。電話で話してから考えたいという人が3名いました。これはネットの信頼性の現状からすれば当然かもしれません。「返事なし」の人にはこういう信頼性の問題を感じた人が少なからずいたはずです。
また想像・推測の範囲ですが、カウンセリングをする自身・力量のない人がカウンセリングの何らかの資格等を持ち肩書きにしているように感じました。それはたぶんいいことです。