人は依存しながら依存から抜け出す力をつける

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10代後半以降20代、30代になって親への依存をする人の相談を受けます。
この場合の依存というのは経済的な依存をさすのではなく、それ以前の精神的な依存を指します。30代になった本人から親に依存していると話されることもあります。話すということは、本人が自覚している分ましということもできますが、事態は自覚していない場合とあまり変わらないこともあります。
年齢が高くなっている状態の精神的な依存は、共依存的ではないかと検討することが多いです。子どもが何らかの形で親から離れていき、親の思いとは別の動きを示すと、親のほうが不安感を示すのです。親が子どもに依存するから、子どもは親からの依存から抜け出せないのではないかと思うこともあります。
いろいろな状態、ケースがありますが、この状態の解消は依存状態を“やめる”というのとは少し違うでしょう。たとえばクスリ依存をやめるとしても多くの場合は、“徐々にやめる”のがいいと思います。〔強制的・物理的にクスリを断ち切った人もいますが、それは一般論にはできません〕。
同様に親子間の依存、共依存も似たところがあります。相当にひどい家庭環境で親の愛情が感じられなかった人が、これはという信頼感を寄せられる人と出会ったとき“独り占め型(占有型)”の依存を示すことがあります。このような例を対象に「依存を断ち切る方法」を主張することはありうると思いますが、それもまた特殊な例です。
そういう極端なことでなければ(極端になりやすいことは確かですが)依存しながら、依存から抜け出す方法を考えたほうがいいと思います。大人の多くはそのような道をたどって自立してきたのです。幼少期に依存体験を得なかった人が、成人したあとで依存経験なく依存から離れ自立した状態に進むことはちょっと考えられないくらいのものです。人は依存しながら依存から抜け出す力をつけるのが自然な道であると思います。
親の集まりや個人相談で感じたことです。

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