生活保護の受給者が過去最高の人数になったと報じられています。
これは生活保護を受けるだけの条件にいながら、それを受け取らないでいる人が過去最高になった事実の表に現われた面です。
引きこもりの人にとっては、働けず収入がない状態であることは引け目に感じることです。そうなった根本的な理由は個人に帰せられるとは言えないのに、“自己責任”とされます。ここに精神的な負担を上乗せするような生活保護とか障害者福祉を受けることを潔しとしない人も少なからずいます。
それだけの条件や権利があるのにそうしない人が多いのは、日本人の特質というか、人間であることの示し方のように思います。この気持ちを悪用して、生活保護の基準を切り下げる動きが明確になりました。
こういう控えめな人たちこそ生きられる条件や環境をつくりたいものです。不器用です。自分ではできないのに他に頼むことを拒否します。露骨にうまく立ち回ることを毛嫌いしています。そういう人たちだからこそ貴重な存在ではないでしょうか。
その環境や条件とは、正直者がバカを見ない社会です。小器用さや自己を強く主張することを生存の前提としないような社会です。
どうすればそのような人が生活できる社会ができるのでしょうか。金持ちではない、節約しながら生きる引きこもりの人たちのサバイバル戦略を作りたいです。……誰からも夢想としてしか聞いてくれないようなことをつい考えてしまいました。