大人の引きこもりを考える教室(11月)を終えました。
遠方からはじめて参加された方もいます。いずれも引きこもりの子どもは30歳以上です。動いているタイプも外出も少ないタイプもいます。
私の話したテーマは「居場所について」です。いまの作業のある居場所のほかに何らかの違うタイプの居場所(スペース)を考えましたが、参加者の話を聞きながら、ややイメージを具体化したところです。
①、訪問まで、または当事者が居場所に参加するまでの中間期を考えました。当事者の状況を知るなかで乗りかかりやすい助走や踏切板の役割に当たるところになります。当事者の様子によっては2、3の中間段階が必要になるでしょう。
②、当事者が動きやすい形としては、集会的なミニイベントに参加する方法があります。すでになじんでいる人同士の中にはいる気持ちが少ないので居場所に自ら出かけるよりも壁は少し低いと思います。参加者が少なすぎると入りにくいこともありますし、多すぎて目を向けられる機会が少ないこともあります。どちらがより有効かは当事者の状態によります。目を向けられなくても、その場に行けた、座っていられるだけでも意味はあります。
③、ミニ集会などには親と一緒に参加することもあるし、一人で参加することもあります。一人で参加するときは、“そこにも居場所がない”体験をすることになりやすいものです。その場のスタッフから何らかの対応があるとしてもこの気分は避けがたいところで、そこを通過しなくてはなりません。
④、訪問サポートの方法として自宅以外のカフェなどで会う方法もあります。自宅を訪問されることは、自分が支援を受ける状態であることを意識せざるをえないですが、外であれば対等感も生まれます。このような場は継続が不安定になりやすいのが弱点です。適当な場所を探せることが大事でしょう。
⑤、引きこもり経験者のなかに、訪問活動とその前の中間期には引きこもりの経験を生かしやすい人がいます。このような時期に置かれる当事者の“何もしないで何かをしてもいい”という気持ちが理解でき、それができるかもしれないからです。