文通の役割は認めますが十分でなく、もどかしさもあります

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先日、大学生の中で文通の取り組みをしている人がやってきました。1年間に40人以上がこの文通グループに参加したようです。居場所論からは脱線しますが文通に思うことを前の続きとして書いておきます。

引きこもり経験者のうちのどれくらいの人が文通に関心を持つのかといえば、きわめて少数です。しかし軽視はできません。7、8割は女性が占めることが特色です。例えていえば小説を書いている、創作活動をしている、あるいはカウンセラーになりたい、セラピストになりたい…これらもきわめて少数です。
文通への関心もそういうものです。文通は、カウンセラーや創作活動につながる要素があります。そこまでの人は少ないでしょうがこれは確かです。しかし、目標の先にあるものが見当たらず、文通自体が目標らしいです。引きこもり経験者と他の社会的グループを比較することができるならば、引きこもり経験者のこれらへの関心や希望者や適任者の比率は大きいものになるでしょう。

文通は引きこもり状態の人の対人関係づくりには、ときには重大な影響を与えることがあります。他の社会的グループというか一般人にとっての文通の対人関係づくりへの影響は、「その他いろいろの一つ」であるとしましょう。対人的な接点をほとんどもたない人には、唯一の接点になる人がいます。居場所にしても仕事場に準ずる程度に壁の高い向こう側の世界に感じる多数の引きこもり状態の人にとっては、貴重な対人的な接点が可能な方法になることがあるからです。
引きこもりなどを対象とする文通の特色を、ある人がメンタル文通と呼びました。私も拝借しています。

不登校情報センターは2001年から2002年までの2年余りの期間を中心に文通を仲介しました。いろんな傾向を見てきたのですが、深く分け入っていくことはできないでいます。そのとき文通を始めた人はわずかながら現在も続いています。
2010年はじめに文通誌『ひきコミ』の投稿者などにアンケート調査をしました。文通仲介を始めて10年経ての調査です。文通の役割・特色・限界などをわかろうとしたのです。600人以上にアンケートを送り、回答は66人からです。この回答は「ひきコミWEB版」に掲載しています。これは貴重な調査ですが、そこに何が表われたのかを私は十分に消化していないもどかしさがあります。

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