Aパターンに分類した人〔就業(社会参加)になっている〕をさらにみていきましょう。
ときどき不登校情報センター内で食事会が開かれます。食事会を開く中心メンバーは、数年前に不登校情報センターから離れて、不登校情報センターの外側に可能な仕事を見つけた人たちです。“ミニ同窓会”のように食事会に集まり、そこに現在の居場所メンバーが加わる形です。比較的安定的に自分がついた仕事を続けているように見えます。どれくらいの収入があるのかはわかりませんし、まちまちでしょう。それでもいわば成功例にあたります。
居場所(不登校情報センター)には顔を見せることがなくても、彼らのように仕事を続けられることは居場所と不登校情報センターの目標のひとつです。
本人の資質や選んだ(就いた)仕事の内容、就業のペース、それまでの心身の回復程度および家族との関係や環境などが相当以上にできているものと思います。本人はそれでも十分ではない、いろいろ問題を感じているかもしれません。これが社会参加というもので、階段式の引きこもり支援方法が当てはまる実例になるものです。
彼らに匹敵する不登校情報センターの状態をつくるのが「不登校情報センターを働ける場にすること」です。当面は「収入が得られる場」にすることと、その収入を継続的・安定的に支払えるように不登校情報センター自体の収入レベルを上げることも目標の一つです。
居場所にいる人へのもう一つの期待は各自の得意、興味・関心を収入に結びつける何かを始めることです。この部分はさらに遅れています。前半の不登校情報センター自体の収入を増やす取り組みのなかに居場所の利用が解消されている状態が広く見られます。
各自の目標をめざす人はむしろ居場所を恒常的に利用するのではなく、不登校情報センターとは着かず離れずの関係になっているようです。居場所(不登校情報センター)頼みではなく、居場所としても利用するスタンスにいるというべきかもしれません。ここは注目点になります。ただ居場所にくる全ての人にそれを求めるのは難しい面があり、現実的とは思いません。
どうしてもというべきか、やはりというべきか、居場所(不登校情報センター)自体を収入の得られる場所、働ける場所にする状態をめざすことは避けられないのです。階段式ではなくスロープ式の必要性はここに表われます。ただし丸山康彦さんがいうスロープ式とはまた違うように感じます。もしかしたら全体を持ち上げていくリフト式というべきものかもしれません。