3月9日、横浜で「青少年支援セミナー」が開かれました。主催は藤沢市のヒューマンスタジオ・丸山康彦さんです。
不登校情報センターに通所するSくんも発表者の1人として参加しました。I・Hくんも参加しました。当日の様子を2人から聞き、深く実感することがありました。
I・Hくんがメモを取っていたのでそれも参考に、実感することをまとめます。
井上陽水さんの歌に「傘がない」というのがあります。
♪ 都会では自殺する若者が増えている。…だけど問題は今日の雨、傘がない…♪
大きな問題が生まれている、それは知っている。しかし、自分にとってのさしあたりの問題は、雨が降っているのに傘がなくて外に出られないこと…というわけです。
引きこもりからの社会参加が求められている、この青少年支援セミナーには4、50名の引きこもっている子どもの親たちが、どうすれば自分の子どもは社会に出られるのかを聞きに来ています。世の引きこもり支援(とりわけ30代以上になった子どもの支援)というのはこれに応えようとしているわけです。
その場でSくんともう一人の発表した当事者Mくんが自分にとって必要としていることを話しました。自分が社会参加をするのには何が必要なのか? と参加している親たちは期待していたのかもしれません。少なくともどうすれば家から出られるようになるのか、人と接触できるようになるのかの実体験を…。
Sくんが話したこと=「いま受けたい支援は、仕事をするためのアドバンテージではなく、親も高齢化しているのでライフプランの知識、役所に行くときの同行者、役所でたらいまわしにされるのが怖い、“なんでそんなこと知らないんですか”と言われるのではないか。そういうことをわかりやすく教えてくれる人がほしい。お金の回り方から社会の構造、そういうことを教えてくれる人」。
Mくんが話したこと=「支援は“働く”という目標に向かっていくものがほとんどであまり受ける気がしない。髪を切りにいけない、話を聞かれるのがイヤ、ウソを言うのも苦しいが本当のことを言うのもイヤ。これからほしい支援は、親の相続、一人っ子なので相続税などの知識、冠婚葬祭は避けられないのでそれを指導してくれる人、平服とスーツはどう違う、ネクタイの締め方、フォーマルな靴とは何か…」
I・Hくんのメモから抜書きしたものです。I・Hくんは「親に媚びた話しではなく自分が本当に必要としていることを話していたのでよかった」という感想です。
私の感想も同じで、就業支援の前に日常生活に必要な支援を訴えているのだと思います。私は就業支援を否定するのではありません。しかし、当事者にとって自分にとっての問題は「傘がないこと」なのです。親や支援者の思いだけで行っても空振りになるしかないです。
10年以上前に就職支援から社会参加支援に言い換えてきたのですが、その意味するところは私が考えた以上の内容をもっていたことでした。内容が拡散したのではなく、真実に迫る面があったのです。これまで気づきませんでした。