子ども時代のいやな思いが成人後も影響している言葉

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片付け物をしていたら古いノートが出てきました。その中にはさまっていた走り書きのメモです。
「だれに対してもどんな悪い感情もなく…」
「もっと深くおもしろく人と関われる人生を生きたかった」
「仕事をもった人生を生きたかった」
彼女の自室にかけられたカレンダーには、その日の眠れた時間、家族の誕生日などごく内輪のことが書かれています。その日付にまたがって大きく書かれていたのがこのメモにしたことばです。
外に出たときはそれなりにがんばって振る舞っていたと記憶しています。しかし、このことばには自分のおかれた状態の苦しみや悲しみがにじみでているように思いました。部屋には他の家族もめったに入ることがないのでしょう。
その部屋に通されて、話しているうちに彼女が少しの間、出て行きました。その間にメモしたことです。彼女は30代でしたが、なんだか人生の終わりを迎えているようなことばが気になりました。子ども時代のいやな思いが大人になったあとの感情や生活に深く影響していることを思わせます。ひきこもりがちな生活をする人の底にある思いなのです。
あれからかなりの時間が過ぎました。もう時効になったものとして(私の勝手な判断ですが)発表させていただきます。この気持ちは世の多くからは置き去りにされ、忘れられて行きます。その感情世界に生きる人が置き去りにされ、忘れられていくことと同じです。そう思って発表したいと思ったのです。

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