死にかけた猫を見かけた男の子

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乳母車を押している人とすれ違ったところで、「危ないよ!」というお母さんの声がしました。押している乳母車の横から小さな子が抜け出してきてこちらに歩いてきます。どうやら乳母車とぶつかりそうになりながら抜け出てきたみたいです。
その子は私の歩く方向の少し前を乳母車がきた方向に戻っていく感じで進みます。
お母さんが何か言っていますが、なんて言っているのかわかりません。「戻りなさい」とでも言っているのでしょうか。
小さな子は路地をどんどん進みます。50メートルくらい戻ってきたでしょうか、そこで立ち止まりました。近づいてみると一匹の猫が横になっています。様子が少しおかしいです。
私が腹の部分をさわると温かいので死んではいません。
「耳が動いている」
その子がいいました。確かにときどき耳が動きます。
乳母車を押したままお母さんが途中まで戻ってきて「はやく行こう」と呼んでいます。
「お母さんが呼んでるよ」と声をかけると、何かつぶやきましたがすぐには戻ろうとしません。
通りすがりに見かけたこの猫の様子が気になってこの子はここまで戻ってきたのです。
「4歳、おとこ」と答えてくれました。
少し赤っぽい服装だったので「女の子かなあ…」と言ったのが聞こえたのです。
猫の様子は変わりません。
ようやくその子はお母さんの方に戻りました。乳母車には下の子がいるようです。
こっちを見て「ありがとう」といいました。お母さんも「ありがとうございます」といいました。
小さな子に声をかけるのがやりにくい、いやな世の中になりました。この「ありがとう」に少しホッとしました。

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