お互いを思いやるがゆえに真実を遠ざける親と子の気持ち

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母は子どもによかれと思い、消化器系の薬を食事に混ぜてのむようにしました。子どもは母がそうしていると感づき、食欲がなくなったと食事の量を少なくしました。少しずつ子どものからだからエネルギーが下がりやせていきます。
母はその状態を見て食事に薬を混ぜているのを知らせない状態を迷います。知らせることは子どもに病気を告知することになります。子どもは体調の異変から何らかの病気であると感じ始めています。母と子の意志疎通は「食事に薬を混ぜる」形でつながっているのですが、お互いに気遣い合ってお互いの気持ちがずれ、ゆがみ始めていくように思えます。

「賢者の贈り物」という物語があります。夫は妻の髪にさす櫛(くし)を買うために大事にしていた懐中時計を売る。妻は長くのびた髪を切って売り、夫の懐中時計をつり下げるチェーンを贈る。その結果、クリスマスのプレゼントの櫛をさそうとしても妻の髪はなく、チェーンはあってもそれが下げる夫の懐中時計はありません。けれどもお互いに相手が何を大事にし、そのためにいちばんふさわしい贈り物をしたわけです。

「内密に薬を食事に混ぜて」飲んでいる母と子の関係はどうでしょうか。賢者の心遣いになるのでしょうか。相手を大切に思うがゆえに大切なことを言えない。親子ともにお互いに相手の真意をわかっているつもりでも微妙にずれが出てくる。気遣い合ってお互いの気持ちがずれていく。聞きながらそんなことを考えてしまいます。
このずれた関係を超えるものは真情と事実に基づく関係に求めるしかないのでは…。子どもには自分の病気を知る怖さに加えて、内緒で薬を飲まされてきた反発が出るかもしれません。子どもを思う母親には越えられない大きな勇気が求められ、圧倒されているかもしれません。真情が、ただ真情だけがこの勇気をひき出す…と思います。その一方でいまの心遣いが賢者の選ぶものであったらいい、そういう結果になればいいとも思うのです。

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