不登校の時代は終わったとは、不登校生がいなくなったのとは違います。
セシオネット親の会というのを、フリースクールと相談室と共同で9年間続けています。
その席で私は1つの状況を話しました。フリースクールの情報集めをしていると、フリースクールが福祉の施設に変わっているのに出会います。そんなフリースクールなどの状況報告です。
それを聞いたフリースクールのS先生から飛び出したのが「不登校の時代は終わった」発言です。もちろん不登校生がいないのではありませんが、主に不登校クラスの生徒が減っている状況を踏まえてのS先生の発言です。
S先生からも生徒の様子が話されました。生徒個人というよりは家族・家庭や地域の状況が子どもたちの様子に影響しているのです。地域の子どもの数が減少し、学校が統廃合して減少していると言います。
杉並などの都内西部は、東部の葛飾・江戸川とは違い貧困家庭とその中での子どもの様子とはかなり違うと想定したのですが、東部と似た状況もあるようです。
「不登校の時代は終わった」というのは、不登校を含むより深い問題の中に子どもたちが置かれている、不登校の一面でなく、生活全体を福祉的な面からも見ていく必要がある時代になったのです。
3年前に「かつしか子ども・若者応援ネットワーク」を結成した時、集まった人たちは不登校やひきこもりに関わっていた人たちです。それでも名称に“不登校”をつけることはありませんでした。私は何の抵抗もなく“不登校”をつけないことに賛成しました。それは、“不登校”が存在しないのではなく、より大きな深い問題のなかに含まれている現実を認めていたからです。