1か月外出しないNくんからの電話

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およそ1か月ぶりに引きこもり最中のNくんから電話がありました。
この間まったく外出していません。部屋を暗くして過ごしているそうです。
テレビを見るのもネットを見るのも出来ないそうです。なぜ見ることができないのかは、うまくことばに表現できないといいます。
布団から出るのもしんどくて、5cm手を動かすのも大変、体を動かすのも大変です。トイレは我慢に我慢をかさねてぎりぎりになってからよろよろと動き出す。食事は餌を口に入れる感じになるといいます。生理的な生存条件の相当に低いところにいます。
不安になって、生身に人の声を聴きたくなると、「0120-」の受取人払いの電話をする、以前にも「0120-」をかけまくったことがあるようです。(◎)
知り合いには電話をしない。どうも自己防衛的な気持ちがあって、なにかを言われるのを恐れている感じがするといいます。ここに書いてあることは、以前に他の人から聞いたことがありますが、この電話をしないのは自己防衛的な気持ちがあるためとは初めて聞きました。
「どうすればいいのか」と聞くので「どうしたいのか」と返すと、「わかりません」の答えです。すぐに「思いっきり出るしかないですね」と言ってきました。
この間、23分です。話しているうちに(私が話を聞いているうちに)少し気分が高まったからだと思います。対応は(アドバイス的なことではなく)よく聞くことになります。

◎『ひきこもり国語辞典』のこれに似たことです。「人の声(ひとのこえ):部屋にとじこもって家族ともしばらく話しをしていない日がつづくと、妙に不安になってきます。夜中になるととくに不安が強まるのです。ふとひらめきました。ある電機メーカーのクレーム受付が24時間体制で問い合わせに応じています。しかも「0120」で電話料は無料。思い切って電話をかけてみたら「こちらは○○ですが、ありがとうございます。 …」という声が返ってきました。なんだかほっとしたのですが、悪い気がして「すみません、間違いました」と電話をきりました。久しぶりに人の声を聞きました。」

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