8月から建築関係の仕事に就いたIくんが、夜になって急に来ました。
あいかわらず静かな感じですが元気そうです。
「仕事はおもしろい?」と聞くと、
「特にはおもしろくはないですが、一緒に働く人たちがいいです」。
「その仕事のなかに楽しみを見つけられるといいね」
力仕事はさほどはないのですが、「設計図を見てもさっぱりわからないし、機械操作は見ていると簡単そうだけど…」。まだこれからのようです。
「英語は?」と、以前に希望していたことに話題を変えると、
「まだあきらめてはいないですが…」
「アメリカから建築関係の英文の雑誌なんかを手に入れて読めば両方続けられるかもしれないよ」
「そうですね。土日は疲れて動けないですからまだ余裕がないです」
「動けるようになったら、ゲームにでも来たらどうかな」
「そうですね」
Iくんを見ていちばんの変化は、よく話すようになったことです。一緒に働く人たちとの関係がいいことを表わしています。
仕事の途中で(よくわからない、おかしいと感じたとき)「これがちょっと…」というのです。
「どうおかしい?」と聞かれたときは、機械や材料の“それ”を説明しなくてはなりません。それがかなり難しくて、でも説明しないと伝わらないし、それで説明しようとしてきました。仕事上のやりとりで話ができる条件になっているようです。顔つきも少し大人びた感じを受けました。
今年は情報センターの関係で3人が仕事に就きました。Iくんはその一人です。