土佐勇先生がなくなりました。
40年近く前に、出版社にいたころ原稿を書いていただきました。
手元にそのうちの1つがあります。
「一人また一人と退学していく生徒たち」というものです。
秋田県の大館工業高校の教諭時代のもので、高校中退を扱っています。
1980年4月、45人の1年生を担任し、2年末には11人がやめていった記録です。
その11人、一人ひとりの軌跡を紹介しながら、それらの生徒とときには家族との関係を報告しています。
それらの生徒とは退学後もやり取りがあります。
人間として当たり前の関係でやり取りを続けながら、学校の持ついろんな事情を元の生徒側から聞き取ってもいます。
「それぞれのよさを持つ退学者」―原稿のある部分に付けた小見出しです。
派手さはありませんが生徒に対して誠実な雰囲気が伝わってきます。
秋田県高等学校教職員組合はそのご『高校中退の追跡調査』という取り組みをし、その貴重なまとめを発表して注目されました。
土佐先生はその中心的な役割をしていたのです。
秋田県高等学校教職員組合の副委員長を務められたことを知りました。
80歳、ご冥福をお祈りいたします。合掌。