10月14日は鉄道の日とか。
そういえば高校のときの通学は蒸気機関車の時代でした。
山陰線の五十猛(いそたけ)と大田駅間です。
なかでも一度、客車ではなく機関車に乗せてもらったことがあります。
一日の列車数は上り下りとも各5本と少なく、学校から帰るときの下り列車は「夕方の列車」とほとんど固有名詞になっています。
どういう状況であったかは思い出せませんが、中学時代の同級生で、高校も同じクラスであった松原正昭君と一緒でした。
出発までにはまだ時間があります。
大田駅では機関車の整備をしていて、二人でそれを見ていました。
特にすることもなかったわけです。
そうしたら整備をしていた人が「乗ってみるか?」みたいに声をかけてきました。
松原君と一緒に運転席の後ろに座らせてもらいました。
当時はおおらかな時代で、こんなこともときにはあったのでしょう。
出発が近づいても客室に移るようには言われません。
そこに座ったまま時間になりました。
五十猛駅までは途中に静間駅をはさんで2駅です。
整備をしていた人は、機関車に石炭をスコップで投げ入れる役割もします。
足を踏み出すと石炭が燃える炉の扉が開き、開くタイミングを合わせて石炭を投げ込みます。
力仕事になるでしょうが、慣れた感じでリズミカルです。
トンネルに入ったら、ときどき客室に煙が入り込むこともあったのですが、この時はそんなことはすっかり忘れていました。
一度だけとはいえSLの機関車に乗って通学する体験は珍しいことでしょう。
いい時代だったんです。