漢字とかなを混合する文字表記(感覚を伸ばす日本語④)

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日本語の文字表記、すなわち漢字とカタカナ、ひらがなで構成される文字表記と、とくに漢字の読み方(発音)は複雑で、日本語を学ぶ人の難関として知られていています

文字表記にはこのほかにアラビア数字(1、2、3…)とローマ字(a、b、c)も加わるのですが、この説明は省きます。

鬼塚ちひろさんの曲にインソムニア(insomnia)というのがあります。日本語では不眠症、睡眠障害になるでしょうが、英語などで使われるインソムニア(insomnia)は元来は古典ギリシア語です。

インソムニアと聞いても何のことかわかりませんが(たぶん医学に通じない欧米系の人の多くもそうでしょう)、日本人には漢字を見ると不眠だけである程度の意味はわかります。これは漢字が表意文字によるからです。四字熟語——わかりづらいのもありますが、それでも何となく文字を見てわかるものも多くあります。

カタカナとひらがなは漢字の一部または草書体から生まれた表音文字です。日本人には当然のことなので説明は省きましょう。

“斜め読み”という読み方があります。一定の長さの日本文をたて書きなら右上から左下に、横書きなら左上から右下にかけて、一つの文章ではなくざっと見る方法です。これが可能(?)であるのは、文章内の漢字の並びを見れば、これはおおかた何について書かれたものであるかを知ることができるからです。

これは漢字が脳内では画像認識されるからと言われています。カタカナ・ひらがなは表音文字であり、文字列によって大意をつかみとることは困難ですが、漢字は表意文字であるが故に、ある程度可能なのです。

言いかえますと、日本語を読むとき、脳は右脳と左脳を同時に働かせているということになります。

どれだけ正確なのかの実証はよく知りませんが、日本語使用者のIQ(知的指数)が高いのは、この脳の働きが関係しているといわれます。

表意文字という漢字はまた、情報圧縮性をもつ、といってもいいでしょう。学術的論文でも、手紙でも、SNSに投稿される文章でも、この利便性は「文章が短い」ことに表れています。これを情報の圧縮性とみれば、AIの将来を与える意味は少なくないのではないでしょうか。

日本語表記は、

⑴、右脳と左脳の両方を使う——すなわち日本語活用者は日常から脳の活用を広く行っている。

⑵、AI(人工知能)の発展の将来をみるとき、情報圧縮力は有効な役割をもつ可能性があります。

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