家族介護援助サービスという視点

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「働くに働けない状態の人/ニート」の人に対しては、1つの制度として訪問介護の際に家族が協力する場合を想定して「家族介護援助サービス」が考えられます。これは松村淳子さんがある事実に基づき発言したことで、私なりに文章化してみました。

高齢者の介護は家族内ケア(エッセンシャルワーク)の1つであり、ますます重要な役割をもっています。それなのに介護サービスの提供事業者は経営面だけではなく、ケアワークのスキル向上も大変です。

これまで私がよく聞いていたなかには、ひきこもり体験者は家族内の高齢者や障害者に「丁寧で優しく対応している」と聞くことがよくありました。数人がいましたがそのうちの1人に「介護職に就いては?」と勧めてみました。完璧にやり遂げる気持ちでいる本人は「とても出来ません」と返してきました。

私は介護事業においては介護施設や医療機関からの自宅への訪問サービス、送迎型サービスが有意になるのがいいと思います。そういう訪問や送迎の介護を含めて、介護を受ける側の家族の協力がいい役割をしているのを見聞きしています。しかしこれらは介護職員によるサービス業務とは違い、公の制度として認められていません。家族の立場での援助は介護職員の仕事と違って介護保険の対象外なのです。私はこの話を聞いて「介護保健」とは別枠の福祉サービスとして「家族介護援助サービス」を公的な制度として設けてもいいと思いました。

11月26日の新聞記事です。《衆議院議員が国会を欠席できる理由について、育児・介護などを明記する衆議院規則の改正案が25日、衆議院本会議で全会一致で可決された。欠席理由の例として、これまで「本人の出産」と「事故」のみ記載されていたが、実態に合わせて「配偶者の出産」「育児」「看護」「介護」「不妊治療の係る通院」も列挙した。》

「実態に合わせて」としているが、こういう実態は遠い昔からあったわけではなく最近になって定着してきたものでしょう。家族介護援助サービスは相当昔からあると思えます。それを公の制度に認めていく取り組みが生まれても不思議ではないでしょう。

家族介護援助サービスという公的な福祉制度が整えば、ヤング・ケアラーとして社会問題になっている(子どものばあいは広義の虐待になるらしい)ことにも、1つの視点が、改善の手がかりが得られるように思います。家族ケアや家事労働には、他にもこういう視点からとらえ直せるものがあるかもしれません。

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