YouTube動画に日本語表現法の1つに「AI(人工知能)でも困難といわれていること」ができると紹介されるものがありました。その感想です。
(1)「~ている」にの言い方の2種類。
「子どもが走っている」=動作の進行を示す。 「窓が開いている」=結果の状態を示す。同じ「~ている」で進行・結果・習慣を1つの形式で表現する文法です。英語では、「is running」と「is open」と区別しますが、日本語では同じ形式2つを表現します。
(2)方向・距離を感じる
「~てくる」と「~ていく」として、「赤い炎が大きくなる」を2つの言い方、「赤い炎が大きくなってくる」と「赤い炎が大きくなっていく」表わします。日本語を使う人は83%が「赤い炎が大きくなってきている」を「変化が自分に向かってくるもの」と認識しているといいます。英語(アメリカ)と中国語(中国人)は「大きくなっている」の認識ではあるが、方向性は認められないといいます。日本語では「時間を流れととるだけでなく、向きと距離感を感じとっている」としています。
(3)上の2つの能力の取得の時期は、日本人は3歳ぐらい(国立国語研究所)であるのに対し、英語圏の人が「ingを理解するのは5歳くらい」といいます。「日本の子どもは文法を学んでいるのではなく、世界の見方を学んでいる」=これはある日本人学者の評価です。
動画ではこれを総合して、日本語を自然に話すこととは「①時間を流れとして感じ、②変化を距離として測り、③感情を言葉に織り込む」とまとめています。③の個別の説明はありません。そしてこれら全体は「AIでも困難といわれること」とまとめています。
私の感想は、これは日本語の特徴・特質であると思いますが、日本語の優位性とは考えません。TPOによっては有利に働くこともあれば不利に働くこともあるという意味です。 レヴィ・ストロース(Levi-Strauss フランスの文化人類学者)は構造主義の代表者として知られ、日本文化の特質を高く評価しています。私も30代ぐらいから彼の、特に未開人や途上国に関する論を読み勇気づけられた記憶があります。先の日本語の特質はレヴィ・ストロースが述べたものではありません。文化のある一面の特色・特質をその文化を担う人の優位性を示すものではないと理解する大事さを彼の説明から感じてきました。物事の一面を知る手がかり、とくに低位に置かれた状態の人の文化面を評価する視点として受けとってきたように思います。今回の一説もこれに加わるものです。