新聞取材「イジメの後遺症」

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P新聞社の記者から電話取材がありました。テーマは「イジメの後遺症」です。「不登校情報センターのなかにイジメを受けそれで苦しんでいる人はいませんか」という質問から始まりました。当事者ではなく松田への取材です。その答えの私なりの要約をしておきます。

不登校や引きこもりの人の多くは、程度の差はありますがイジメ、嫌がらせ、排除、からかい…の対象となり、その経験があります。本人にとっていまの時点でそれがどう影響しているのかは一律ではありません。何かをきっかけに思い出すこともあります。

しかし、影響が一生の重荷となる人もいます。そういう人の多くはフリースペースには加われないのです。強い人間不信により人格的成長が阻まれます。自分に対しては自己否定感が根付いています。他の人に対しては警戒感、敵愾心、憎悪の感情がわいてきます。それでいて表面的には穏やかに見える人も少なくはありません。これらの感情的、心情的な組み合わせは極めて多様です。程度が相対的に少ない人がフリースペースなどで人と関わって自分なりの成長をとげ、社会と関わる力を身につけていきます。

イジメの影響が大きい人とは、自身の成長発達がストップさせられてしまう人です。その時点までの成長を破壊されることもあります。そして人との接触ができず、社会に入っていけず、社会的に排除されたままになるのです。これはイジメによる自死とともにもっとも重大な被害を受けた人といえます。思春期におけるイジメ被害には、子どもが人格的に成長し社会性が成長するときであるだけに影響はとても大きいです。イジメを軽く見てはいけません。

不登校情報センターが通常接触する範囲にはこのレベルにいる人はいません。訪問活動のなかでそれをうかがわせる人に会ったことはあります。イジメを受けた精神的なダメージの程度の差によるものですが、引きこもりの経験者と重なる部分はあります。そのことが通常接触する引きこもり経験者たちの持つ成長過程での問題やいまの課題を教えてくれました。

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