居場所における対人関係づくり

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第3回「大人の引きこもりを考える教室」のレクチャーの主旨です。
第3回のテーマは、引きこもりからの対人関係づくりです。
人とつながり始めるとき何が生まれるのか、居場所での修行・葛藤などを話します。居場所(フリースペース)における、対人関係ができる基本的な順序性を話します。全ての人にこの順位性が当てはまるわけではありませんが、たどるルートは参考になるはずです。居場所を利用しない当事者にも参考になるでしょう。

*「教室」は7月8日、日曜日、午後1時から3時まで。個別の相談がある人はその後で行いますから事前に連絡をください。場所は不登校情報センターです。前回参加者は5名です。当事者以外の参加者は500円の参加費が必要です。
テーマは、引きこもりからの対人関係づくり。

初期(数か月から数年かかる)の対人関係づくりは支援者が付いている状態から始まる人もいます。支援者がいないときは、その場にいるだけで緊張、不安が高まります。そういう時期に生じること、心がけることを見ていきます。

① 何もしなくてもいいから、そこに座っていることが目標になります。支援者やスタッフがいるときはその人と話すとか、近くにいることです。しかし、スタッフを独り占めにする感じは意識して避けましょう。本をもってきて読んでいる、音楽を聴くなどして、一人でスペースの片隅にいるのもいいです。スペースによっては隔離された空間がありますので、そこにいてもいいのです。

②居場所にいる多数の人が怖い感じに思えます。「こんな場所でも理解者がだれもいない」という感覚、この居場所もダメだという思いが沸いてきます。これは自分のなかに周りの状態を受け止める力が少ないために生まれる感情です。周囲に見知らぬ人がいる環境にいることが、自分の力をわずかずつ伸ばしていきます。その力が少しずつ大きくなるにつれて何かを受け止められるようになるものです。早く話せる相手がつくりたいという結果を求めすぎているのです。じっくりと自分の力を育てる時間が必要です。

③だれとも親しくしようとする気持ちでなくてもいいのです。だれか気の会いそうな一人を見つけるつもりです。何度も居場所に行くようになると、だれか声をかけてくる人が表われます。そのときは自分の直観力を試すときです。多くを望まず、背伸びしない自分で対応しましょう。初めから大きく見せると自分のなかでつじつまがあわなくて困ることがあります。

④気のあいそうな人が現れても短時間で切り上げるようにすることです。ここぞと思って長時間付き合うと破綻しやすくなります。初期の状態では、助けてほしいという依存気分がありますから(逆に自分の過大評価もある)、相手に負担をかけやすいためです。適当に切り離してほしいと前もって支援者に伝えておくといいかもしれません。

*居場所の初期時代は特に「精神修養の時代」と心に決めているほうがいいと思います。「同じ体験をした人が集まる理解しあえる場所」といわれることもあります。それは一般社会になじんで人が評価することばであって、当事者にはウソッぽく聞こえます。ウソではなく、事実ではありますが事実の全部ではありません。支援者に見える部分は当事者には見えず、当事者が遭遇する事態の多くは支援者には見えないものです。初期時代はすぐに卒業することはありませんが、このなかで次の課題、進級の準備をしているものです。

〔参考〕これに関することはいろいろな場面に書いてきました。「人間関係」ということばを使って書いたエッセイはこちらで探してください。

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