20代に入った青年で高校卒業資格がない人がいて、その親に同行しある通信制高校の東京学習センターにいきました。入学相談に行くのですが、何を聞けばいいのか迷いそうなので一緒に来て欲しいと言われました。これまで私が知らなかった高校であり、知っていてもおかしくはないと思い同行したのです。
本部校は西国にありますが、数年前から東京に学習センターを開いています。この高校は広域通信制高校です。その高校の由来を聞いて、かつてサポート校の時期に私が問い合わせた教育機関の流れを汲むことを知りました。こういう例はときたまにあります。
通信制高校(とくに広域通信制高校)には通信制サポート校から発展的に生まれたところは少なくありません。大検予備校(現在の高卒認定予備校)だったところ、技能連携校だったところ、高等専修学校だったところ、それらが通信制高校になったところは少なからずあります。というよりも多いです。
通信制高校にはかつてそのサポート校のところもありますが、現在もサポート校のままもあります。いや学習塾やフリースクールがサポート校に移行しているのが現状です。学習塾が通信制高校の学習センターに移行したところもあります。
入学相談には事務長が面接してくれました。話しているうちに確かに不登校生を含むさまざまな “わけあり”の生徒を受け入れていることがわかります。
こういう学校を教育機関として世間的には低く見られる傾向がありますが、私はそうは思いません。困難を抱える子ども・生徒を受け入れようとしない学校の方が教育機関としては貧相です。それが平穏に成り立つのは生徒が支えているのであって、学校と教師の能力ではないのです。教師が対応できない生徒はどんどんはじかれているのです。そのあたりはかなり誤解されています。
それよりも通信制高校とサポート校が広がりは、問題を抱える子どもが増えていることを逆に裏付けています。子ども・生徒を理解できるという本物の教育力がないと対応できません。低学力や貧困層の子どもたちの生活と人間関係づくりを支えるだけの教育力を高めているのはこれらの通信制高校とサポート校です。