あらためて文通ボランティアを考えます

また文通ボランティアに参加したいという人からの問い合わせがありました。
電話でしたので少し丁寧に説明できました。その後で考えたことと一緒にまとめておきます。
(1)これまで6、7人の人が文通ボランティアに参加しました。いずれも女性です。女性であることに意味があるのかもしれません。
(2)これまでは手元にある文通希望者から届いた手紙数通(相手先は知らせませんのではじめは不登校情報センター経由です)をこれらの文通ボランティアに渡し、書きやすい人に返事をするように依頼してきました。
(3)その結果は個人的な文通関係になり、不登校情報センターは関わらない状態になります。それはかまわないのですが、いつの間にかその文通関係が途切れたままになっています。それはまだいいほうで、文通ボランティアが最初に返事をした時点で受け取った人は拒否反応を示している事態があることもわかりました。
(4)こうなった原因は時間が経つにつれて少しずつわかってきました。文通ボランティアの方には善意ではあるけれども、アドバイスをする役割があると思っている、正論に終始する…などが関係していることもあります。また一般に相性というものがあり、手紙の形でもそれは伝わります。それに関係することもあります。
(5)文通ボランティアの役割はアドバイス役ではないでしょう。体験の種類は違っても文通ボランティア自身が苦しい思いを経験し、文通を通して、聞く耳を持って共感できることではないかと思います。特に女性であることはこの点が重要ではないかと思います。したがって文通ボランティアが自分の体験を語れる状態にいることが、文通ボランティア活動を成立させる前提かもしれません。
(6)文通ボランティアを希望する人の多くが何らかの自分の体験を生かそうとしているのではないでしょうか。これは上の項目に重なり、また体験がその人の“業績”であることとも重なります。
(7)今回の問い合わせてきた方は、文通ボランティア同士で交流する機会がなかったのかを聞いてきました。文通ボランティアは互いに離れた地域に住んでおり、また費用と時間をかけて集まるほどの重要なテーマとも思えませんでした。これまではそんな機会は考えませんでした。数名の文通ボランティアが生まれ、東京近辺にいるならば今後は交流する機会はありうると思います。
(8)文通を始めた時点で、文通者2人の関係になるのは避けられません。それをフォローする仕組みは案外この交流会的なものかもしれません。
(9)これら全体から浮かんでくることは文通ボランティアの希望者のなかには体験者が自分の体験を生かそうとしていると思えることです。その手始めにできることとして文通ボランティアを考えているのではないか、少なくともそういう人が混じっている可能性は高いです。その延長線上にはカウンセラーや対個人サービス的な活動像があるのかもしれません。

文通ボランティア記事へのコメントについて

昨日、コメントをいただきました。
そのまま掲載するには内容がなく、しかし不真面目なものとも思えず詳しい返事を書きました。
それを送ろうとしたところアドレスが不明確であり送ることができません。
ここにその全文を掲載させていただきます。(松田)

なみさんへ
昨年5月17日の「文通ボランティアをしたい学生」に対してコメントをいただきました。
ありがたい申し出ではありますが、“ハイどうぞ”とするにはコメントには内容がありません。

最近、投稿された方がいますのでその人の例で考えたいと思います。
「こんにちは。桜桃です。インターネットを見て手紙を送りました。日常の話や悩み相談に乗りたいと思っています。22歳の社会人です。男女問いませんが、10代から30代でお願いします。たくさんのお手紙をお待ちしております。」

なみさんと違うのは通常の文通のやり取りです。文通ボランティアを名乗ってはいませんが、なみさんと近い内容を求めています。
もしあなたが桜物さんに手紙を書くとしたらどうでしょうか。意外と難しいのです。

その難しいハードルを低くするために、私は桜物さんに次のような要請をしています。
「提案ですが、あなたの自己紹介をネット上に載せ、そこで手紙を受け付けつける方法にしてはどうかと思います。
直接に住所・名前を載せるのは避けたいので、ハンドルネームにして、手紙は不登校情報センター経由にすることになります。
それも含めて、自己紹介を詳しくする必要があります。
もしかしたら、自己紹介レベルではなく詳しい体験手記を書いて、その上で手紙での交流を求める方法も考えられるかもしれません。
そういう実質的に密度の濃いい文通になることを期待したいです。」

なみさんにもほとんど同じ内容の返事になります。
(1)文通ボランティアをしようとする人は自己紹介が必要です。
お名前、年齢、男女別、興味・関心のあること、なぜ文通ボランティアなのか、どんな人とやり取りしたいのか、などです。
詳しい体験手記を書いていただいてもいいと思います。
*その人がどんな人かわからないと文通しようとする気にはなれないものです。

(2)文通ボランティアをしようとする人が自分の課題を探そうとする機会にするのはいいことです。
答えるつもりで書いていっても自分を見つめる面があります。
*文通ボランティアをしようとする人の“自己実現”の方法として積極的に取り組むつもりであれば何かが見えてくると思います。

以上がコメントへの答えとして返せることです。
あなたのできる範囲で、あなたの納得できる形で参加してください。
歓迎しますし、うまく進むように考えているつもりです。

手紙による交流の入り口にネットを使う

ある女性から多くの人と手紙による交流をしたい趣旨の手紙をいただきました。
その人の体験したことがあまり書かれていなかったので、その点を指摘した上で手紙交流の提案をしました。ネット相談室を立ち上げたところですが、手紙による交流も捨てがたいものです。要点を載せます。

「その提案ですが、あなたの自己紹介をネット上に載せ、それへの手紙を受け付けつける方法にしてはどうかと思います。直接に住所・名前を載せるのは避けたいので、あなたの名前はペンネームにして、少なくとも初めのうちは不登校情報センターを経由してやり取りしたらいいと思います。
そうするには自己紹介を詳しくする必要があります。もしかしたら、自己紹介レベルではなく詳しい体験手記を書いて、その上で手紙での交流を求める方法も考えられるかもしれません。
それにより実質的に密度の濃いい交流になることを期待したいです。」

文通仲介をして感じることは、女性が多いこと、手書きの手紙のほうがしっくりくる感じがする人も少なくないのです。手紙相談というよりも、手紙を通した交流であり、その入り口にネットの機能を生かそうなります。

『ひきコミ』廃刊に異議申し立てあり

先日、そろそろ『ひきコミ』の発行を続けるのは潮時で、中止を考えていると書きました。それについていぶかる声もありましたが、今日は明確にその結論は正しくないという主旨の手紙をもらいました。それを紹介しておきます。

《 「文通の掲載がまったくなく、ひきコミの廃刊も考えている」とのことですが、そのような結論は正しくないと思います。
 「ひきコミ」に文通希望の掲載がなくても、ひきこもり当事者が寄稿できる場所として、「ひきコミ」は極めて貴重な場所だと思います。デジタルが普及すればするほど、紙の媒体は貴重さが増していき、重要になるのです。
 「ひきコミ」は、単に文通希望者たちの交流の場ではありません。情報センターの活動報告を発信する場所であり、主催者の理念を公表する場所であります。そして、「どんなに文章が破綻していても、基本的には全ての文章が掲載される」という、とても貴重な「ひきこもりの発信基地」でもあります。
 デジタル化は世の中の流れですが、時流に従うだけが正解ではありません。当事者の親御さんと交流していれば分かりますが、ひきこもりの親世代は、パソコンも携帯も持っていないことがあります。六十代以上になると、やはり紙の媒体を信頼する人がとても多くなるのです。
 パソコンの画面に映っているものと、紙に書いてあるものでは、その「信頼性」が違います。正直な話、パソコンや携帯の画面に映っているものは、どんなに正しいことが書いてあっても、嘘くさく感じられるのです。インターネットの情報の中には、正しくない情報も山のように混ざっています。そのような中では、紙の媒体の信頼性がとても貴重になってくるのです。手間がかかるからこそ、信頼性が増すこともあるのです。
 私は、紙でできた「ひきコミ」が読みたくて、センターの会員になりました。デジタル版の「ひきコミ」だったら、私は会員にならなかったと思います。
 日本には数え切れないほどのNPOがありますが、これだけデジタルが普及しても、ほとんどの団体は、紙の会報を発行し続けています。デジタルではなく、紙だからこそ伝えられる「温かさ」がそこにあるからです。
 文通希望の投稿がなくなっても、「ひきコミ」の価値がなくなった訳ではありません。本音を口にすることが滅多にないひきこもり当事者の、率直な胸の内が聞ける、極めて貴重な場所であることは、代わりがありません。
 「ひきコミ」の廃刊を考え直して頂きたく、こうしてお手紙しました。》

どうも私はこのような意見に弱いところがあります。私の感覚に近いからです。
そういう思いでこれまでは『ひきコミ』を発行し続けてきました。それも潮時だ、というつもりで書いたものです。ですが考え直すしかなさそうです。応援をお願いいたします。応援の仕方は投稿と購読が直接的です。

葛飾区不登校関係団体の情報交換会

東京都葛飾区で活動する不登校関係団体・関係者情報交換会(仮)というのがこの夏に生まれました。
近く3回目の情報交換会が開かれます。呼びかけ人から次の“たたき台”が送られてきました。

不登校関係団体・関係者情報交換会(仮)

◎目標
葛飾区では中学校において毎年200名を越える不登校の子どもたちが記録されています。
しかしその背景については必ずしも捉えられているとは言えません。
全ての子どもたちに学びの場をつくるのが私たち社会の義務であるはずですが、はたされていない状況です。
区内で不登校引きこもりの支援をしている団体個人は複数存在しますが、それぞれ個別に活動をし、おたがいに連携をとれている状況ではありませんでした。不登校の子どもや引きこもりの若者の支援をするためには関係団体や個人が、専門分野や地域を越えてつながる必要があります。
全ての子どもが子どもらしく育ち、学び合える場をつくるために、また、人がおたがいを認め合い人として生きられる社会をつくるために、ネットワークをひろげていきます。

◎方向性
不登校・引きこもりの支援をしている関係団体や個人のネットワークを構築し、学習会や情報交換を通し、団体や支援者がおたがいに高め合い、補完し合あう場所をつくるとともに、新たな支援者を育成する。
支援団体・個人で連携をし、不登校・引きこもりをしているこども若者、一人ひとりの状況に応じた支援へつなげる。
区内の不登校・引きこもりの背景を調査し、課題を把握する。
情報が届かない子どもたちや孤立した家庭への支援体制をつくるため、広く情報発信をする。
保護者・家庭への情報提供や情報交換の場を設け、家庭への支援を輪を拡げるとともに、ピアサポートを目指す。

◎具体策
区民大学等で学習の機会をつくり区民への周知をし、不登校・引きこもりへの関心を拡げます。
区民大学等を開催する過程で関係者同士が連携をし、関係をつなげ、場をつくります。
学習機会等の広報を通し、孤立している家庭などへ情報発信をし、支援への入口をつくります。

文通ボランティアをしたい学生

子どもたちを対象に学生の文通ボランティアグループをつくりたいという連絡を受けました。
子どものころ自分の思いを打ち明けられる相手が欲しかった、それをこんな形で考えたのです。
不登校情報センターに文通ボランティアがあるので、参考意見を聞かせて欲しいという主旨です。
〔お答え〕とはいえ、参考にはならないかもしれませんが、実情を話します。
(1)文通の開始は、希望者に冊子・ネットに投稿をしていただき、それに返事を書くところから始まります。
この返事を書く人は文通ボランティアではありませんが、文通ボランティアに頼むこともあります。
(2)実際に文通が始まれば、不登校情報センターはタッチしません(その方がいいと思うからです)。
長く続いた人もいますが、文通をする多くは数回の往復で途切れます。
両方の信頼関係が、文通している間に生まれないとつづきません。
その後、メールになる、年賀状の交換、会って知り合いになる人もいます。
(3)文通ボランティアは3人います。全員女性です。文通を始めた相手も女性です。
文通をするのは女性がかなり多いです。男性は少なく長続きする人も少ないです。
(4)文通ボランティア同士が集まって話したことはありません。
遠方の人もいます。私が会ったことのない人もいます。
(5)学生のグループで互いに交流する形なら継続するかもしれません。
文通という方法の利点と限界を知っておくことも大事です。
過大な期待はできないし、話よりも書くのがいい人には向いています。
相談相手のいない中高校生と文通の関係ができれば、役立つと思います。
文通ボランティアも状態や悩みの内容を直接にわかる機会にできます。
(6)文通ボランティアを始めるとき不登校情報センターとサイトが役立てば協力します。

文通ボランティアへの手紙

文通ボランティアの人と文通したいという女性からの手紙を受け取りました。
さっそくそれは「文通ボランティア」の人に転送したのですが、気づいた点があります。
自分の思いを理解して欲しいのでそういう人に出会いたい気持ちは出ていますが、我を忘れている感じです。
返事を書く立場から見ると書きづらい点があります。
まず名前がありません。自分のペンネームなり、ニックネームが欲しいです。
次に年齢がわかりません。これも返事を書きづらくしています。
後はこれというものは決めがたいのですが自己紹介です。趣味、好きなこと、苦手なことなどが欲しいです。それとも家族の様子とか、心配事とかを自分の抱える事情があれば書きやすくなります。共感するにも事情がわからないと共感のしようがありません。
「文通ボランティア」だからきっといい返事が来ると思うのでしょうか。でも事情がわからないと返事をするにも一般的な言葉しか書けなくなると、ふと思ったところです。
手紙を転送する一方、より詳しく書いて欲しいと連絡しました。

文通ボランティアとの文通希望者

「文通ボランティアを紹介してほしい」という要望がありました。
「あなたの状態や気持ちなどを自己紹介の形で書いて送ってください。それを文通ボランティアの人にわたします」と返事をしました。
 文通ボランティアの人は数人います。いずれも女性です。
 これまでは文通希望の手紙があるとき、これはと思う文通ボランティアにその手紙を渡し「何かを書けそうなら返事をして下さい」と伝えてきました。その後は2人の文通になっていると思いますが、情報センターとは途切れている人もいます。
 今回は情報センターともつなげる形に発展すればいいと思っているところです。文通ボランティアも文通ボランティアとの文通希望者の両方を募集しています。

〔注意〕文通は原則として「文通を希望する本人同士」が行なうものです。文通ボランティアが関係するのはそれを希望する人に限られます。一般の文通システムについては「ひきコミWEB版」を参照してください。

文字は人なり=文通のすすめ

不登校や引きこもりなどの対人関係が苦手な人に文通を呼びかけています。
今日は25歳の男性からの「自己紹介」が届きました。今月は3通になるはずです。
これを会報の『ひきコミ』に載せ、文通の希望者を募ります。
今現在、何人ぐらいの人が文通をしているのかよくつかめていませんが、10年近く続いている人もいるようです。

メールの時代に手書きの文通、とはいかにも旧式ですが、直筆文字の手紙はまた別物です。
私は、「文は人なり」であるとともに「文字は人なり」でもあると思います。
手書き文字には書いた人の人間が出ます。これも重要な情報です。