ようやく北海道から沖縄までの全市区町村社会福祉協議会(社協)に「ひきこもり・ニート・若年無業者」への対応策の質問アンケートを送りました。およそ2か月かかったことになります。いちばんの難関は送り先のFAX番号の確認でした。それをそろえたことが直接の成果になりそうです。
質問アンケートの作成はそれ以前から少しずつ準備をしていました。取り組む必要を感じたのは、昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法に「ひきこもり」が支援対象に入ったことです。業務上知りえたことから判断して、その施行状態に自治体間でバラつきが大きいと感じたことです。そのいくつかの事例を参考に質問アンケートをつくりました。振り返るといくつかの不十分さはあります。避けられないことです。
回答は30か所(19日現在)です。別に「特化した対応事業はない」とする回答が32か所からありました。回答は少ないですが、アンケートを送った時期が早かったのも理由です。それでもこの時期の様子を知る意味もありました。回答の目標は100か所です。「対応事業はない」というのを含めると100か所にはいくでしょうが、それでは不十分です。
もう一つ感じていることがあります。生活困窮者自立支援法の運用は、社会福祉協議会が中心ではないかもしれません。協議会というよりもそこに参加する事業体(経営体・運動体)に迫る必要性です。協議会は事業体の面もありますが、同時に公共機関として受付窓口で終わるかもしれません。もう少し様子を見なくてはわかりません。
ところで、社協に参加する事業体から情報を得ようとすると特別の手立てはありません。取り組んでいる所の個別の状況を集める形になります。それは前進かもしれませんが。
「引きこもり」カテゴリーアーカイブ
ネットをしているだけで外への関心がない引きこもり
社会福祉協議会「ひきこもり」等への取り組み(中間2次コメント)
24の社会福祉協議会(社協)から回答を受けました(2月14日現在)。
そのうち16か所が「生活困窮者自立支援法」の受託事業です。この受託があるなしにかかわらず、社協にはそういうスタンスはあります。「特別の取り組みをしていない」と回答を受けたところ(28か所)でも、同じ状況はあります。
ある所からの回答には、「①心配ごと相談、②生活福祉資金貸付相談、③たすけあい貸付資金相談」とありました。別の社協からは「家計相談、就労準備支援、自立相談支援」とありますが、基本的には同じ範囲のものだと思います。
さて「生活困窮者自立支援法」の受託事業を行う社協を見ると、多くは相談と関係機関への紹介事業です。これはこの受託事業を行う以前からのもののように思えます。ではあまり意味がないかと言うとそうとは言えないかもしれません。それは施行1年未満の状況であり、今後の動向にかかっているからです。その中でも、訪問相談と家族会をしているところが各3社協ありました。
相談と関係機関への紹介を超えた取り組みをしている社協がいくつか見られます。「生活困窮者自立支援法」の受託であるなしに見られます。もともとそういう取り組みをしてきたものと理解できます。
相談と紹介、および訪問と家族会を超える取り組みとは何か。それは当事者の集まれる居場所の運営と就労準備(ワーク)に及んでいるかどうかです。これを紹介します(回答文による)。「ひきこもり・ニート・若年無業者」に対応する内容に関することで、各社協の取り組み全体をみてのものではありません。回答が増えていく中でいろいろな状況がわかることを期待しています。
(1)北海道浦河町「①講演会等:利用者のニーズがあれば実施可能。
②相談室:平日に開設されているスペースあり(8:30~17:00)。
③対人関係向上の取り組み:集団及び個別の対応あり。
隔週水曜日に若者たちの語らいの場「10代(20代の人も)ミーテイング」の開催。
④技術習得・能力向上の機会:利用者のニーズにより、パソコン操作、調理、スイーツづくり等実施。
⑤職場見学等:利用者のニーズに応じ、福祉施設等の見学実施可。
⑥家族会は現在のところなし」。
(2)埼玉県三芳町「当社協では、公開型の福祉大学(10回)の1コマで毎年、ひきこもりの講座をおこない、福祉生活相談及び生活困窮者自立支援法総合相談事業「アスポート相談支援センター」で相談を受け、 関係機関へのつなぎや継続的な面談をおこなっています。
また、生活困窮者の学習支援事業をおこなうなかで不登校の児童の学習支援・社会体験の支援をしています」。
(3)(山口県長門市)「15歳以上で高校に通学しない方や高校を中退された方も利用が適当と認めた場合は対象とする。まず見学していただき、利用の意思を確認したうえで、関係機関やボランティアとともに対応(支援)する。
竹作業(竹切り、竹割り、竹炭、竹酢液、竹チップ、竹パウダー)、竹細工などが特色」。
Sさん主催の「ひきこもり大学in下町」
メール交流を呼びかけます
地方在住のまさ子さんとメール文通をすることにしました。
彼女は書くこと大好き人間で、いろいろな人と文通を希望しているのです。ところが不登校情報センターの文通システムは停滞していて、ご希望に沿えません。そんななか彼女がメールを寄こしてきました。
これをみてメールによる書くグループを考えました。目標はメーリングリストのグループですが、まずは彼女とメール交換を続け、そこに参加者を増やしていく作戦です。…
さっそく彼女からは「自分でタブレットを設定できました」というメールが届きました。この第1便を生かして、さっそく「メール交流グループをつくりたいので参加者を募ります」というニュースを数名に送りました。それが昨日(9日)のことです。
それと入れ違いにまさ子さんから第2便「ミドリムシサプリについて」のメール便りが届きました。文章多発型の私もこればかりに関わっておれないのですが、とりあえず私からの第1便「苦手な食べ物は味覚の問題」を返しました。
これで少しはバランスを埋め合わせたと思っていたら、なんとその間にも「屋根にサル発見」と「昨日も寒かったですね」が送られてきています。
作戦変更です。マイペースを維持し、参加者を増やす方向に戻ります。
参加希望者は下の〔文通に代わるメール交流を呼びかけます〕を見て、申し込んでください。Help me!
http://www.futoko.info/…/%e6%96%87%e9%80%9a%e3%81%ab%e4%bb…/
5月の連休明けにひきこもり大学・下町キャンパスを予定
2月7日「フュ―チャーセッション・庵Iori」に参加しました。Mくんが考える「ひきこもり大学in下町」に多少メハナを付けたいからです。Mくんが運営内容を含めてだいたいを考えているので手続きをとっておきたかったのです。
それで今日は会場予定の亀戸のカメリアホールに部屋を借りました。5月8日(日)の昼時間です。これで日時・会場が決まったことになります。この日は「大人のひきこもりを考える教室」(親の会)の日なので、共同の会合になります。
フュ―チャーセッション、庵Iori、ひきこもり大学、それに何かの形でかかわるKHJ家族会との関係をつかみかねているのですが、どうやら支障はなさそうです。詳細はこれから決めます。
社会福祉協議会「ひきこもり」等への取り組み(中間1次コメント)
各地の社会福祉協議会宛に「ひきこもり・ニート・若年無業者」対象の取り組みをしているのかどうかの問い合わせ(アンケート)を実施しています。回答件数はまだ少数ですが、気づいたことをまとめます。
(1)主目的は取り組み内容の調査です。
昨年施行された「生活困窮者自立支援法」の事業を受託するところが一定程度あると予測しました。これは大田区のJOBOTAを訪問したのが重要なきっかけになっています(2015年12月)。予想通りですが、その程度を判定するには十分な情報が集まっていません。回答数が少ないこととともに、法の施行から期間が短いことも関係します。
社会福祉協議会は制度としては不可欠のセーフティネットです。民生委員がいて、何らかの問題のある人・家庭を把握して行政機関に結び付ける役割を持っています。しかし、それが必ずしも十分に機能していないかもしれません。それには制度上の問題も、運用上の問題もあります。制度の補充として生活保護法や生活困窮者自立支援法を制定してきたものと思えます。
運営の問題とは、制度の理解のしかた、運営担当者の特にリーダー役の能力と個性、国民性や地域性、福祉制度の関する思想や階層性・宗教観も関係すると思えます。
数年来の国の福祉予算の削減や、地方自治体の施策と予算配分などもおおいに関係します。
社会福祉協議会の取り組みは重層的になっています。都道府県としての対処、市町村および支部としての対処があります。それらが民生委員の活躍に負わされている地域もありそうです。今回は原則として市区町村の社会福祉協議会に情報提供を依頼しました。
(1-2)生活困窮者自立支援法
「生活困窮者自立支援法」の役割もここから評価していけると思います。自治体の担当者から、生活保護の受給者を減らすための対応策と聞かされたことがあります。以前から社会保障を考える時いきなり生活保護に突き当たるので、そこに至る中間的な対応策を必要と考えてきたのですが、それに該当するのかもしれません。
「ひきこもり」という言葉が公式に入る福祉的な法制度として受け取っていいと思います。「生活困窮者自立支援法」の施行は自治体間にかなりのばらつきがあると感じています。それがどの程度なのかを少しは知ることにもなります。
回答を見ると対応をしている例には、相談レベル、関係機関への紹介レベルにとどまっているところが多いようです。ここを実質的なものにするには担当者の力量が関係します。特に社会福祉協議会から業務委託している所での実質的な取り組みの実例を期待しています。
(2)技術的な面
全国的に統一された社会福祉協議会のリストが見当たりません。それは必ずしも悪い方ばかりに出るわけではありません。市区町村の社会福祉協議会の一覧を集めているのですが、それが県単位でできていないところがあります。政令指定都市が別になっている。市町村の下部になるはずの支部単位になっている、都道府県が載っていない、など。県別に調べる担当者の検索する能力を高めています。
(3)このコメントの性格
この分野の専門的な知識はありません。回答件数が少ない中での、覚書的なコメントです。100件ぐらいからの回答を期待しています。2月8日現在、12件です。「取り組み内容なし」と寄せてもらったのが11件あります。これも貴重です。
コメントは情報収集により得た事情をまとめたものです。参考になればいいのですが…。あわせて福祉分野を専攻する学生等の協力も欲しいところです。
〔市区町村社会福祉協議会〕http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…
フューチャーセッションに行きます
2月7日(日)、本日、思うところがあって夜のフューチャーセッション(庵)に参加します。場所は、中目黒住区センターで6時20分からです。
〔追記〕参加者多数でした。所期の目標は一応達成しました。それは後日、改めて整理して発表します。
生活困窮者自立支援法の実施状況を知るのに役立つ
各地の社会福祉協議会が「引きこもり・ニート・若年無業者」を対象に取り組んでいる様子の情報集めを始めています。
まだ回答は数件ですが、昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法の実施を自治体から業務委託を受けて行っているところが多いようです。
ある社会福祉協議会から「体調に不安があるけど働きたい…どうやって仕事を探せばいいのかな…」、「息子が働かないでずっと家にいる…先々の将来が心配」、「親の年金で生活しているがこの先が心配。働いたことはないけど、仕事を探してみようかな」、「近くに住んでいる人が生活に困っているみたい…どこに相談したらいいのか…」というどういう人を対象にしているのかをわかりやすく説明するチラシがありました。…
これは生活困窮者自立支援法の対象者を示したものです。そこには長期の引きこもりの人が含まれています。生活困窮者自立支援法はいくつかの面があり、自治体ごとに様子も違います。情報提供の依頼がそこを解明するのに役立ちそうです。
戸惑いの時代を抜けて自分を生かす時代が近づく
戸惑いの時代を抜けて自分を生かす時代が近づく
『ポラリス通信』2016年2月号
不登校の中学3年生を訪ねました。好きなことは自動車だそうです。運転はできませんがカタログを多数集めていて100種類ぐらいにはなったといいます。「デザインに関心が?」と聞くと「型ですね」と答えます。「高校へ行く目標になるね」と言うと、ちょっとわかりにくかったようです。数学やパソコンとそれを知る英語などの学習は、自動車への関心を伸ばすものになるのです。
このところ引きこもりや不登校の当事者と会うと、その興味・関心を聞き出す方向になります。フィギュアを売っている、動画サイトを見ている、パソコンのハードへの関心、英語を生かしたい、ウサギを飼っている、布を扱うのが好き…最近聞いた例です。
この個人的な興味から出発するのは私の場合も同じです。子どものころから地図を見るのが好きでした。いまもとても役に立っています。高校時代にはその延長で事典づくりに進みました。社会人になってからもそれは続き、いまの不登校情報センターのホームページはネット時代の事典づくりです。
いまの子ども・青年たちはネットにより興味から職業に転換できる条件にいます。「勉強でいい成績をとり、いい学校に行き、いい会社に入る」一昔前のコースから「自分の興味を生かす」コースのための社会的な基盤ができつつあるのです。
このような時代の転換点を前にして、それを強く感じる条件にいる子ども・青年の戸惑いや判断を見きわめようとする状態が、引きこもりや不登校の意識できない隠された理由になっているのです。
この不透明な時代もようやく抜け出し、少なくともその先にある時代をすかし見えるところまで突き進んできたと私は考えています。
1960年代の終わりごろに「情報化社会の到来」が予測され、アルビン・トフラーが『第三の波』を表わしたのは1980年でした。その予測した姿が、必ずしも予測通りではないにしても、目前に近づいているのです。
大量生産と並んで、個人使用にカスタマイズされること(オーダ―メイド型)が強く求められる社会になりました。それを実現する技術的な条件(スマートフォンとパソコン)が多くの人に普及している社会、それが情報社会です。
私が向き合う不登校の子どもやひきこもりの青年は、鋭い感覚(センス)と情感(強い感情表現か感情抑制のどちらかになりやすい)のため大量生産型の時代にはなじめなかったともいえます。この時代の終わりとともに新しい空気の中で興味を生かすことができるでしょう。しかし、この過去になりつつある時代の後遺症はなおしばらく続きます。世紀末から21世紀初めの転換点で、不登校や引きこもりの人から学んだことはこれからの時代に通用する財産です。