アンケートのお願い

アンケートをお願いしています。「(40~50代の)高齢化したひきこもり等への対応」を考えるためです。数人から回答を受け取っています。原則無記名ですが、「会って話してもいい」人がお名前と連絡先を書いてきました。

それで次のようにお返ししました。

《ぜひ会って話を聞かせてもらいたいです。(1)あなたとは連絡が途絶えている人で、私から連絡できそうな人(1人でも2人以上でも)がいれば一緒に会う方法を考えたいです。(2)あなたの友人・知人と呼べる人と一緒に会う方法もあります。(3)それ以外に2人だけで会うのもいいです。(4)親の会にひきこもり経験者が来て話すのでそれもあります。親の会では話しづらいこともありますが、終了後の時間が取れればうまくいくかもしれません。》

結果として「(3)2人だけで会う」ことになりました。回答にはいろんな事情が書かれていましたので、詳しく聞ける気がします。

アンケートはサイト内にありますので、ぜひ見てください。お返事をお待ちしています。また会って話す機会を持てるのもいいと思います。
長期ひきこもり経験者へのアンケート – 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター

ニューヨークの新しい市政に注目

2025年11月4日、ニューヨーク市長選で民主的社会主義を掲げるゾーラン・マムダニ(34歳)が勝利しました。資本主義の牙城のアメリカ(USA)の最大都市での左派の勝利はそれだけで大きな出来事でしたが、NYの新市長成立は他にも注目すべきことがあります。今回はそれを書きます。

私が注目するのは、新市長が左派とか民主的社会主義者ということではありません。経済的・社会的な格差が大きく広がるNYで、とくに住民の中で社会的に弱い立場の人たちの生活の改善を基本から変えようとする主張です。それを毎日実感している人たちがこの選挙に参加していました。民主・共和二大政党が対立しているUSAで、両党とも賃金面では巨大企業が担い、その政策的意向を反映した“対立”構造を長く続けてきました。この構造を打ち破った点が第一。マムダニ勝利のために動いた10万人のボランティアが、賃金面でも行動面でもこの構造に対応しました。

第二にはマムダニの掲げる公約——高騰しつづける家賃凍結、市営バス(公共交通)の値下げ・無料化、保育の無料化、物価高対策などです。その新しいNY市政への移行のために支援団体「生活できるニューヨーク市の求める私たちの時代」が発足しました。そして市政移行チームは5名、いずれも女性が指名されました。

メンバーの一人は、バイデン前政権下で連邦取引委員会(FTC)委員長を務めたリナ・カーン氏です。同氏は委員長在任中、巨大企業による不正や人権侵害から国民を守るとして大企業の規制を推進。インターネット通販最大手アマゾンを提訴しました。

カーン氏は市長選の結果について、「大企業の力やお金が私たちの政治を支配することに対して、市民は明確な拒否を示した」と指摘。労働者や中小企業が成功できる市政を目指すと語りました。

市政移行チームを統括するイラナ・レオポルト氏は、2010年代に格差是正に取り組んだデブラシオ市政のもとで政策作りに関わりました。いま妊娠中だというレオポルト氏は、「子どもが受け継ぐ社会は可能性と機会を保障する社会であってほしい」と強調。物価高対策や保育の無償化に取り組む意欲を語りました。

市民生活を支援する民間団体の責任者でチームに入ったグレイス・ボニラ氏は、トランプ政権による過剰な移民取り締まりを批判。「新市政は常に市民の側に立ち、政権による迫害と闘う」と表明しました。

移行チームの他のメンバーも女性が生活に関わる行政や制度づくりに関わることが用意されている点が評価できるのです。社会の全体構造や軍事関係ではなく、市政という住民の日常生活に近い部分では、女性の意見が求められており、それを実現しようとしていると思われます。USA連邦政府(トランプ共和党政権に限らず、他の共和党であっても民主党であっても)との関係にも注目します。

同じ11月4日、USA西部の大都市シアトルでも「社会主義者」ケイテイ・ウィルソン(43歳・女性)が市長選挙で勝利しました。細かな事情には違いもあるでしょうが、共通する変化を感じます。

日本語・言語学との関わり(感覚を伸ばす日本語⑧)

日本語の特色には感覚と感性のゆたかさに関する表現が強く見られます。それは日本語話者の感覚器官の特色、感性の特別な発達に結びついたのではないかと思います。感覚器官の発達は脳の働きと結びつき、とくに言語においては右脳と左脳の両方の使用が活発であると推測されます。これが日本人にひきこもりが多く生まれる生物学的な条件に関係するのかもしれません。
感覚の発達と感性のゆたかさは、AI(人工知能)に日本語が導入されるとき、他言語とは異なる意味をもつとは、十分な論拠があるとは信じられませんが一応の根拠があると考えています。
この2点の結びつきにおいて、私はここ数回連続して、日本語または言語学について書いてきました。私は日本語・言語学に独自に入っていくつもりはありません。ひきこもりとの関わる範囲で考えるのです。さらに追求するつもりはありませんが、これから日本語・言語学にふれる機会があるかもしれません。

感情をもち創造性のあるAI技術発展の作り話(感覚を伸ばす日本語⑦)

AIの先行の研究者カーツワイルはこう言っています。「(AIは)量的な進歩があるところまで到達すると、質的な飛躍が生じると確信しています。そのパラダイムの転換点が、コンピュータに意識が生まれる時だと見ているのです」(松田卓也『2045年問題——コンピュータが人類を超える日』廣済堂新書,2013,135p)。

このノートで、「私には感覚器のところから行くのが順番で、カーツワイルは見事な弁証法を示していますが、順番が逆ではないかと思います」(2016年12月25日のエッセイ「カーツワイルなどの人工知能の研究解説を読む」)。これは短いエッセイですが内容全体を今の時点で書き換えることはないと思っています。

さてYouTubeチャンネル(固有名詞・HeadLineなし)で創作物語を読みました。このYouTubeチャンネルは事実と創作の区別を(おそらく意図的に)消し去り、あたかも全体が事実であるかのように描いた作り話です。日本語は、感覚表現が特に優れており、そのAIへの導入に高い精度で成功した結果、AI翻訳機が「機械ではなく、何か別の存在」になった説明がされます。実在する固有名詞が出てきますが創作物語として読んでください。

2024年9月15日、アメリカ・シアトルのマイクロソフトの本社で、難関の日本語のAI翻訳が、99.9%の精度を達成しました。これには1000億語以上の日本語テキストが「文脈理解型ニューラルネットワーク」に投入されていました。それまでは日本語以外の翻訳精度は95%ほどでしたが、日本語の精度は75%の達成だったのです。「文脈理解型ニューラルネットワーク」システムには、日本語の特性である、次の点を改善していました。

・漢字は文脈により読み方が変わる。 「誕生してから生きた生涯を生々しく話す」の「生」の読み分けは、文脈を理解することになります。                                     ・敬語表現=話し手、聞き手、話題人物の(社会的)関係が使い分けられる。                                     ・主語の省略=文脈により主語が推測できる。                                     ・日本語の曖昧な表現[そうですね=同意、否定、思案、時間稼ぎ。がんばって=応援、皮肉、諦め。など多義的な意味をもつ多くの言葉を判断する。                                     ・間(ま)=表情、声のトーン、沈黙の長さ…がメッセージになっている。                                     ・「察し」の文化=言われていない部分を推測できる文化伝統。

大量の日本語テキストの投入によって、AIがこれを処理できる方法が「文脈理解型ニューラルネットワーク」システムというわけです。

さて、このシステムで日本語の翻訳で99.9%達成した後で、AIはとんでもないことを始めます。まるでAIが独立した人格をもつ存在のように、詩的な文章を作成し始めました。この事態になったとき、プロジェクトは「作業中止!」になりました。このブレークスルー事態を想定していなかった作業責任者の判断でした。

ところが日本語翻訳の精度を95%以上高めることに成功したのは、マイクロソフトだけではありませんでした。Google、Apple、Facebook、Baidu(中国)、Samsung(韓国)、SAP(ドイツ)、DeepMind(イギリス)、Dassault Systemes(フランス)…などでも同じ事態が、すなわちAI翻訳機が「機械ではない別の存在」は続出していました。日本語の恐ろしさは、言語構造の複雑さではなく、AIに予想外の変化をもたらしたことだったのです。この続出した事態を受けて、国際的会議(世界のAI企業参加)が開かれました。その結果、二つの方向が生まれました。

(1)日本語翻訳回避派——サム・アルトマンCEO(OpenAI)、DeepMindなどは安全性を図る策です。(2)日本語研究派——大学や研究機関(MITのマービン・ミンスキー記念研究所のレイチェル・グリーン博士)。たぶんこの時点では、態度表明ができない所が多かったのです。

続いて2025年7月、国連は「AI言語安全保障理事会」を設立します。日本語AI問題への国際的対応するためであり、そこで「言語AI安全保障条約」が締結されます。    第1条 文化的価値をもつ言語のAI学習には、特別の安全基準を適応する。     第2条 日本語AIの研究は、国際監視下でのみ実施する。              第3条 AIが意識的行動を示した場合、即座に開発を中止する。

先述のレイチェル・グリーン博士は、この意義を次のように説明しています。「日本語AI事件が示したのは、AIが単なる道具を超えた道具になり得るということです。これは「パートナーAI 理論とされ、AI開発の新しいパラダイム。感情や創造性をもつAIを、単なる機械として扱うのは倫理的ではない」。

ところが終わりになって「言論AI安全保障条約」にもかかわらず、日本では「AI共生国際会議」を開き、日本語AIとの安全な対話システムを開発し、「調和型AI」を進めていきます。最後にボロを出した感じがします。

AIの発展を考えると、安全性または「感情や創造性をもつAI」の出現は必ずしも不可能ではないかもしれません。その仲立ちをするのが感情表現などの多い日本語の難解さを実施したAIの技術開発にあるというわけです。しかし、感情あるいは感覚を言語で表現はできるのと、感情や感覚は同じではありません。AIが受け入れたのは言語化された感情や感覚であり、感情そのものではありませんし、感覚そのものでもありません。もしかしたらカーツワイルは将来のAIは感覚器官を備えるようになっているのか(?)。カーツワイルはそこまで言っていませんしそれはわかりません。

最後に再度申し述べておかなくてはならないことがあります。今回のYouTube動画にみられる現実と創作物語は混同しやすく、AIの創造力とは明確に区別する必要があります。

高齢化したひきこもり経験者へのアンケート

基本的な主旨は下記の試案によります。

アンケートはサイト内に置きましたので、コピーして記入の上お送りください。

*「長期ひきこもり経験者へのアンケート」〔無記名〕

「http://www.futoko.info/zzmediawiki/%E9%95%B7%E6%9C%9F%E3%81%B2%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A%E7%B5%8C%E9%A8%93%E8%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88」

☆高齢化したひきこもり等への対応(松田試案)

最近はひきこもり等経験者が40代、50代と年齢を重ねるなかで、これまでとは違う問題に直面しています。10月某日、不登校情報センターに通っていた6名と松田で食事会と上野動物園内の見学をしました。今回の食事会に集まった人たちからもそれに関する事情が話されました。

直面する全体を十分に見渡せるまでには行きませんが、今の時点では次の様子を確認できます。

(1)心身の症状・状態として、ウツ状態が表われやすい人が多い。それには睡眠障害、過食傾向を伴う場合もあります。気分・感情として怒りを抑制している感じ、愛着的感情が表われやすいなどの特徴もあります。これらは乳幼児期以降の生育期から子ども時代の生育環境による後遺的な状態と思われます。

(2)心身の症状・状態により社会的にもいろいろな困難におかれています。仕事に就くことが難しい(継続的な仕事の経験を重ねられない)。家族関係が不安定であり、家族がバラバラである、他の家族構成員と対立的になっている、家族と離れて住んでいるなどの人も少なからずいます。

(3)こういう状態のなかで、国や自治的の福祉制度および就労支援事業を利用している人もそれなりに高い割合になります。生活保護の受給、自立支援法の認定、愛の手帳の交付(精神障害者手帳)、それに加えて障害者雇用施設(A型・B型)の利用などが目立つ。

(4)これらの福祉制度の利用は大きな助けではありますが、とくに親なき将来を考えるときわめて不安定な生活状況が予測されます。ひきこもり支援の一環である若者サポートステーションやひきこもり当事者の居場所においても、20代・30代中心の当事者への対応が中心であり、40代・50代への対応は後回しになり対応策がわからない状況にあるといえます。

(5)現在この高年齢化したひきこもり経験者に国でも自治的でも対応をどうするのかは十分に明確になっていません。生活保護などで対応している部分も重複して考えるならば、次のようになります。

① 生活全般——生活できる収入・所得の確保できる状態をつくる。

② 心身の状態を安定・向上させるもの——カウンセリング(民間では健康保険不適応)、公衆衛生視点での浴場(銭湯)利用の援助。

③ 行動を促進する条件——一定の条件の下での交通費・通信費の支給。居場所その他の問題解決に取り組む場への移動と通信の援助。

④ これら「ひきこもり等経験者」の認定―認定できる団体・グループの活動実績の評価に基づき一定の条件を備えている家族会・心理相談室等に与えること。厚労省基準によるひきこもりの定義とそれに基づく研修機会の受講の2つを条件として、この認定者の資格を与える。

(6)これらを高年齢化しているひきこもり等経験者の実情でさらに詳細で具体的にするためのアンケート調査と当事者との会合を重ねたいと思います。全国的な家族会、精神心理・就業支援団体との意見交流を重ね、国の制度(厚労省案件)および自治体での施策として採用するような動きをつくる必要があると信じます。

11月15日はセシオネット親の会

10月の会は親の参加が一人で、ひきこもり経験者3名と松田の5名(松村さんは別事情で欠席)になりました。話がうまくかみ合ったかどうかは分かりませんが、世の中のいろんな事情をかなり活発に話し合いました。個人的な感想としては、何か一つ中心になるものが欲しいと思いましたが、強引に何かを結び付けるわけにもいかず、なお自然な流れに従うことになります。
★11月のセシオネット親の会
セシオネット親の会の定例会は毎月第3土曜日、午後2時~4時です。
11月15日(土)14:00~16:00 ★曜日・時間に注意
場所は助走の場・雲:新宿区下落合2-2-2 高田馬場住宅220号室
参加等の連絡は、松村淳子さん(090-9802-9328)までお願いします。

ひきこもり経験者への無記名アンケートをお願いしています。
長期ひきこもり経験者へのアンケート – 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター 」 ぼつぼつ回答が届いているところです。多くの回答をお待ちしています。

日本語話者はひきこもり的心情に近づく⁽⁉)(感覚を伸ばす日本語⑥)

私はひきこもり経験者には、「感性が鋭い」という感覚をもっています。編集した『ひきこもり国語辞典』のはじめに、「人並み以上の感覚の鋭さと、人並みに近い社会性」としてひきこもりの特性を表示しました。もちろんこれは全体の様子を示したもので、個別的事情はいろいろなわけです。

それにしても、日本語を子ども時代から話している日本人は、全体として感性が強くなり、感覚的な把握が高くなるというのは一応の理屈として成り立つと思います。あえていえば、日本人はひきこもりに近づきやすい体質的・気質的特性をもった国民性があるといえるわけです。

実際にひきこもりを経験するには、その人の生きる時代環境や生育環境が関わるわけですから、「なりやすい」とはいっても数%の人たちがひきこもりを実際に経験するのです。

だから、心理的あるいは実質的・体質的な面から、要因をさぐるには、原因のいろいろな面に目を向けることになります。私はかなりの期間それをしてきたわけです。

しかしその後にもう半分、その人が生きてきた時代・社会的背景の関係から、ひきこもりの要因が説明できるのではないかと、取り組んできたことになります。

ここ数回、日本語に関することを書いてきました。私の関心の中心は「ひきこもり」にあります。日本語や言語学の世界に深く入っていくつもりはありません。言葉が、とくに日常的な言葉が、人間の感性や感覚に関わっており、それが感性・感覚に体質的から気質的に基づくこともそれを成長させている可能性を思うからです。そういう意味で、言葉とひきこもりは無関係ではありません。それを日本語の周辺にいる者としてノートしているわけです。

〔2025年11月13日〕

日本語は脳を活性化し情報量が大きい(感覚を伸ばす日本語⑤)

マルテン・シュミットというドイツの計算言語学者の日本語分析がYouTubeチャンネルにあります。私はこのチャンネル全体を正確に知るわけではありませんし、このYouTubeプログラムを全面信用しているわけでもありません。いくつかの論点に注目しましたので、その論旨を列挙してみます。

(1)日本語は、母音と子音が基本的に1対1で絡み合わさっている。

カ行(k+母音)、サ行(s+母音)…で「五十音」が成立。

実際には濁音のガ行(g+母音)、ザ行(z+母音)…、半濁音のパ行(p+母音)が加わります。

『この組み合わせは、それ以外の組み合わせ言語(子音が連続する言語)と比べると、「脳の言語活動分野が均等分散される」と研究されます。

音節分析では日本語は0.15秒で平均的で均一。

英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、アラビア語など合計30言語では0.08秒~0.25秒の範囲で分散し、バラつきが大きい』といいます。

これは言語の脳の処理負担が少ないことに結びつくようです。

(2)日本語は漢字、カタカナ、ひらがなの文字体系

このような言語持つのは唯一の文字体系のようです。漢字は意味の核心を示し、カタカナは外来語や強調する言葉を示し、ひらがなは文法的要素を表わしています。漢字は表意文字(意味をもつ記号)でなり、3つの情報(絵であり、音であり、意味である)を含んでいます。

ひらがなのうち助詞(は、が、を、に、と)は単語と単語の関係を表わし、文の方向性を示し、語順が違っても意味は変わらない役割を持ちます。

「私は学校がおもしろくなく、友達もおらず、先生は好きではないので、不登校を続けています」

「私が不登校を続けているのは、学校がおもしろくなく、友達もおらず、先生を好きではないからです」

「私は、不登校を続け、友達もおらず、先生は好きではなく、学校はおもしろい所ではありません」

これらは、言語の文字表現における情報の階層化を実現しており、視覚的な情報圧縮ができる。“文章の斜め読み”ができるのはこれによります。

シュミットさんの分析では、日本語の特長として、主語の省略、敬語使用などが語られています。

主語の省略は、その前提として、会話の相手の表情、声の調子、文脈の総合的な処理する傾向によるもので、その状態把握には右脳と左脳を同時に活用させているといいます。

敬語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種があり、これは日本語が高度に対人関係を中心に発展させた体系と紹介しています。

何らかの異論もあるのではないかと感じられるのですが、追加して紹介しておきます。

MIT(マサッチュセッツ工科大学)のある研究では、「日本語は情報理論的に最も効率的な言語の1つ)といいます。単位時間当たり伝達できる情報量がきわめて高い理由とされています。

〔2025年11月12日〕

漢字とかなを混合する文字表記(感覚を伸ばす日本語④)

日本語の文字表記、すなわち漢字とカタカナ、ひらがなで構成される文字表記と、とくに漢字の読み方(発音)は複雑で、日本語を学ぶ人の難関として知られていています

文字表記にはこのほかにアラビア数字(1、2、3…)とローマ字(a、b、c)も加わるのですが、この説明は省きます。

鬼塚ちひろさんの曲にインソムニア(insomnia)というのがあります。日本語では不眠症、睡眠障害になるでしょうが、英語などで使われるインソムニア(insomnia)は元来は古典ギリシア語です。

インソムニアと聞いても何のことかわかりませんが(たぶん医学に通じない欧米系の人の多くもそうでしょう)、日本人には漢字を見ると不眠だけである程度の意味はわかります。これは漢字が表意文字によるからです。四字熟語——わかりづらいのもありますが、それでも何となく文字を見てわかるものも多くあります。

カタカナとひらがなは漢字の一部または草書体から生まれた表音文字です。日本人には当然のことなので説明は省きましょう。

“斜め読み”という読み方があります。一定の長さの日本文をたて書きなら右上から左下に、横書きなら左上から右下にかけて、一つの文章ではなくざっと見る方法です。これが可能(?)であるのは、文章内の漢字の並びを見れば、これはおおかた何について書かれたものであるかを知ることができるからです。

これは漢字が脳内では画像認識されるからと言われています。カタカナ・ひらがなは表音文字であり、文字列によって大意をつかみとることは困難ですが、漢字は表意文字であるが故に、ある程度可能なのです。

言いかえますと、日本語を読むとき、脳は右脳と左脳を同時に働かせているということになります。

どれだけ正確なのかの実証はよく知りませんが、日本語使用者のIQ(知的指数)が高いのは、この脳の働きが関係しているといわれます。

表意文字という漢字はまた、情報圧縮性をもつ、といってもいいでしょう。学術的論文でも、手紙でも、SNSに投稿される文章でも、この利便性は「文章が短い」ことに表れています。これを情報の圧縮性とみれば、AIの将来を与える意味は少なくないのではないでしょうか。

日本語表記は、

⑴、右脳と左脳の両方を使う——すなわち日本語活用者は日常から脳の活用を広く行っている。

⑵、AI(人工知能)の発展の将来をみるとき、情報圧縮力は有効な役割をもつ可能性があります。

オノマトペによる状態・動きの表現について(感覚を伸ばす日本語③)

オノマトペとは、擬態語、擬音語というもので、古典ギリシアの演劇に使われ始めたとされています。日本語にはその語がきわめて多く(一説では数千に達する!)、ものごとの様子を表わす形容詞的・副詞的役割をするものです。

「雨が降る」というのと「しとしとと降る」、「ザァーザァーと降る」、「ポツリポツリと降る」…英語で「Its rains」の降り方を具体的に仕分けして表わします。多くは「しとしと」「ザァーザァー」「ポツリポツリ」と2回くり返すことが多いのですが、そうではないものもあります。「桃が川をどんぶらこと流れてきた」という「どんぶらこ」もその様子を表わすオノマトペと考えられますが、2回くり返さなくても意味は通ります。川の流れにそって浮き沈みする様子を描いています。

日本語におけるオノマトペ表現の多さは、ものごとの様子を細かく具体的に直観的に表現します。これはものごとを感覚的に察知し細かく表わす日本語の特徴の1つとなっています。

すなわち日本語話者がものごとを繊細に感知する結果であり、また細かく表現しようとする原因になっているのです。「周囲の様子を感覚的・感受性ゆたかにものごとを細分化して表現する」日本語の特色はこうして生まれたものと思います。

その数はとても多くて、オノマトペ表現だけでものの形容およびそれを感知する日本語話者の感覚の鋭さを示しています。

さて次は私の仮説です。私の仮説の論拠となるものを見たことはなく、思いつきです。日本語の起源にあたる言語系統は、「不明」「謎」あるいは「特定できない」という論をいくつか読みました。確かにこれという決め手になるものは(少なくとも現在は)なさそうです。

私の仮説は、日本語の発生の起源にものごとの様子をその(聴覚による)音や動き(視覚による)を表わす日本列島に住み始めた人たちの音声が重要な役割をもっているのではないかと思います。多くの言語は、ものの名前(名詞)や動き(動詞)が重要な役割をもったと推測されているようです。それを否定する理由はありませんが、日本語においては、オノマトペ的なものの様子を表現する言葉が言語発生の始めから比較的大きな役割をもっていたのではないか。これが私の推測する仮説です。

たぶんオノマトペ的なものの表現は、とくに日本語においては現在も新たに発生しているのではないでしょうか?

オノマトペ表現によるものごとの様子の表現は、日本語話者による感覚的感性の鋭さを反映しているとみるのです