身体的成長も停滞してはいないか

10月度「新小岩親の会」の話を聞いているなかで浮かび上がった仮説です。
長期に引きこもることと、(週5日の)フルタイム就業が困難なことは関係があるのか、どう結びつくのか。9日の「新小岩親の会」のなかで話されているのを聞きながら、私はこの2つが結びつくというインスピレーションがわいてきました。
思春期から青年期初期にかけて、外出が少なく、対人接触が極端に少ない状態が長く続く影響のひとつに身体的なものもあると思えたのです。この年代の通常の対人関係による成長は、社会的なものにとどまらず身体的な成長も伴っているのです。この時期の長期の引きこもり状態は身体的にも成長の停滞を招くのではないでしょうか。
フルタイム就業が困難になる理由はそこに由来するかもしれません。たぶん身体の神経系の成長に関係すると思います。
かなり以前にある人が「成人になりきらないうちに老化は始まるような気がする」と半ば冗談じみて話しているのを聞いたことがあります。これも関係するのではないでしょうか。
回復不可能というのではなく、事態を客観的に評価して、合理的なアプローチの仕方を見つけ出したいものです。
それには何らかの形で調査が必要になるでしょう。多数の経験者への働きかけが可能なので協力者が現れるのを期待したいです。

不登校情報センターの収入増の課題

「フルタイム就業でなくても生活できる社会的条件つくり」の後半です。
もう一つの面は不登校情報センターが取り組む内容で、実践的な課題です。
不登校情報センターは引きこもり経験者の準職場をめざしていますが、ここを引きこもり経験者個人にとって週5日のフルタイムで働ける職場にすることはできません。
それは通所している引きこもり経験者の状態が、一般にそれに耐えることができないからです。
一般企業に就職するにしても週5日のフルタイム就業に応えられる人は限定的です(全くいないわけではありません)。

不登校情報センター内の作業のしかたはさらに研究・改善の余地があります。
しかし、フルタイム就業を目標にすることにはなりません。
例えば、45分作業と15分作業の繰り返しをさらに柔軟にする、午前中の作業を設定する、そういう点の改善が検討の対象です。
それはこれまでもしてきたし、これからも現実を見ながら改善していくものです。
フルタイム就業とは異なるもの=私はそれをハーフタイム就業といいますが、混乱しなければそれを「短時間労働」といっても差し支えないでしょう。
不登校情報センターのなかでは単位時間あたりの作業費を上げていきたいと願っています。
最低賃金の保証とそれを上積みしたいということです。
それを達成した時点では、作業時間が週10時間から30時間(短時間労働者)・1時間1000円とすると、到達目標は月収4万円から14万円程度です。
そこが目標になることは、目標を達成しても通常の生活できないレベルです。
そのために前述の社会的・制度的な面での条件づくりがテーマになるのです。

しかし、不登校情報センターにとってはこの目標を設定しても、それを達成することはそう容易なレベルではありません。
ですが工夫と努力と応援により達成可能な目標に設定できると思えます。
おおよそ現在の3倍の収入が必要になります。
それに関してもさまざまなことを考え、これまでもいろいろな形で追求し、少しずつ収入項目を企画し、収入額も増えてきました。
これを普段に追求し、さらに研究し、企画していく課題になります。

夏の取り組みを振り返る 

8月14日、真夏の日曜日ですが「新小岩親の会8月定例会」を開きました。
そこで話すなかで改めて思いました。
就業支援として対人関係づくりと就職をめざすだけでは行きづまるしかありません。

6月の中旬から約2か月、あることに集中して調べ、動いてみました。
それは、1月に発表した「30代以上の引きこもり支援方法」を、どう具体化していくのか、その条件や方向をより明確にしていくことでした。

6月以降の2か月を振り返ると、こうなります。
30代後半以上の引きこもり経験者のかなりは、フルタイム就業は難しいと判断します。
それに見合った就業、社会参加、収入を得られる手段をつくらなければなりません。

国、自治体の支援を期待したいが、それを待っても活用できる保証はありません。
何らかの支援策が出たとしても、独自の取り組みがなくては上手く利用できないでしょう。

具体化の方向は、不登校情報センターのサイト運営を向上させ、収益のある事業をめざします。収入項目は増えましたが、それぞれを実らせなくてはなりません。
各人は、それぞれの特技により自営業型、または自由業型の取り組みつづけます。
不登校情報センターは、サイト制作と並び、その一部に共同の企画部、広報部および事務所の役割をもつことになります。
その事務作業は事実上の営業活動になることがはっきりしてきました。
9月以降、不登校情報センターが主催して事態を動かす時期が始まります。
10月16日の「引きこもりを抜ける仕事づくり」発表会は、いくらか進んだ部分の取り組みの企画・広報活動です。

これらの全体をいま少し詳しく箇条書きにしようと考えています。

“ハーフタイム就労”アピール機会を逃す

6月29日、葛飾区役所で「不登校 関係団体・関係者顔合わせ会」が開かれ参加しました。参加者は東京シューレ葛飾中学校、おおぞら会、のぞみ発達クリニック、かつしか夢プラス、ポニースクールかつしか、寺小屋、スクールカウンセラーなど19名です。不登校情報センターは松田とトカネットの藤原さんが出席しました。区の職員は個人参加であり、機関として公式には参加していません。内容全体の報告は別の機会にします。

会の最後に引きこもり経験者の就業について質問を受けました。
「引きこもりの経験者は、会社員…というか、第三次産業には就きにくいのではないのですか」という質問でした。
私は「ネットに関わることは、第三次産業に入るのですね」と確認をしたうえで、おおよそ次のように答えました。
「パソコンを使うのに問題ない人は多いです。第三次産業がダメとは思いません。いろんな職種が開かれそれぞれの選択と適性のなかで仕事につけるようにするのがいいと思います」
第三次産業を確認したのは、工業的生産を第三次産業とし、販売業(デパートや小売商店)は第四次に、医療、教育、情報はさらに細かく分けていく産業区分を意識しているかどうかを確認するためでした。
しかし、帰ってからあの質問の主旨はもっと違ったものではないたのかと振り返りました。どうもそういう主旨の質問ではない気がするのです。とっさのことで質問する方も上手く表現できなかったのではないかと…。
最初に「会社員と…」と言いかけて、言い直した点です。たぶん「一般企業の会社員として週5日のフルタイム就業が難しいのではないか」と質問したかったのではないかと思えたのです。
不登校に、特に20代後半以上の引きこもりの人に関わっている人が感じるこの状態を確認したかったのではないかという思いがわいてきました。
そこをキャッチして「フルタイム就業に代わる就業型を積極的に提示する取り組みをしませんか」と、問題を深め、私が考えている“ハーフタイム就労制”をアピールし、意見交換する場をとらえ損ねたことになります。貴重な体験をしました。いつか取り戻します。

好きなことで月に5000円を稼ぎたい

親の会で話していたことです。
「引きこもり後を考える会」準備会で「年収200万円」で暮らせる生活方法を話したところ、ある当事者から「できる」との答えです。
その準備会では実は150万円から200万円で、税金・社会保険料などを含むと話されたと説明しました。おおよそできるだろうの雰囲気です。
準備会では、そのために公の制度利用と“人とのつながり”が大事と続いたのです。
週5日の就労が心身の苦悩になる状況では、現実的に考えなくてはなりません。

その人がもうひとつ追加しました。
仕事以外のこと、趣味や好きなことで月5000円を稼ぎたいといいます。
就労は限界があっても趣味には打ち込めるからです。
それが収入になれば将来が開けるという期待が見えます。
私の考える「ハーフタイム就労」もここに芽があります。