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中学受験

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2018年11月21日 (水) 14:11時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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中学受験

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ページ名中学受験、、(小学校のニュース、中学校のニュース)
超難関中学が望んでいるのは「伸び切ったゴム」のようなガリ勉君ではない
6年生まで野球・バイオリンを続けながら難関国立中学に合格した親子の体験記「小学生生活を犠牲にしない中学受験」(WAVE出版)から、中学受験を目指す親子が救われ、励まされる考え方をご紹介。わが子をつまらない優等生にしたくない両親必読の「常識」とは?
「君のような子に来てほしい」
息子が5年生の頃、とある超難関校の学校説明会に行ったときのことです。
私の大学の同期の中でもこの学校出身の人は変わった人が多かったので、「ちょっと変わった世界なのかな」と、正直偏見を持っていました。
でも説明会に参加してみると、意外なことに大学受験の話はほとんど出ませんでした。
むしろ勉強だけじゃない、時代を超えてもぶれない教育理念の下、「こういう人間を育てたい」という先生の熱意が伝わってきて、とても共感を覚えました。
説明会が終わった後にいくつかのグループに分かれて校舎の見学をしたのですが、引率の先生と話したとき、息子が野球をやっていて塾に行っていない話をしたら、満面の笑みで息子と握手をしてくれました。
「中学に入って伸びるのは、君のような子だ。本当はうちも、塾に行って勉強ばかりしている伸び切ったゴムのようなガリ勉君じゃなくて、君のような子に来てほしいんだ。
ところで、成績はうちのレベルに届いているの?」
「いや、全然」
「ガハハ。まあ、がんばって!」
と、こんな具合です。
超難関中学も健全な小学生生活を過ごした子を望んでいるのです。
子どもと一緒に学校説明会に行こう
前の項にもあるように、私の中学受験への印象は学校説明会に参加してガラリと変わりました。
中学受験を検討している方は、塾やママ友から余計なことを聞いてしまう前に、しかもできるだけ早い段階で、自分自身で学校説明会に足を運ぶことをオススメします。
学校説明会は、子どもがまだ小さくても、親として参加できる学校がほとんどだと思います。
子どもの成績をチェックすることはないので、どんなに難関校だろうと遠慮はいりません。
また参加したからといって、受験しなければならないこともありません。
中学受験と高校受験の選択で迷っているのなら、高校の学校説明会に行ってみるのも一つの手でしょう。
どの学校がいいかは、受験する本人やその家庭に合うか合わないかによって決まります。
したがってその評価はどうしても主観的になってしまうので、誰かから聞いた情報を信じるのではなく、親であるあなた自身が確かめるのが一番です。
そして子どもが6年生になって志望校が絞られてきたら、今度は子どもを連れて学校説明会に参加しましょう。
願書も子どもと一緒にもらいましょう。
うちも、息子にその経験をさせたところ、目標が頭の中で具体化したのでしょうか、本人のやる気が高まっていくのを感じました。
ちなみに、この学校説明会は週末の土日に開催されることが多いのですが、6年生らしき子どもの参加が少ないのが気になりました。
参加者は大抵親だけか、4年生ぐらいまでの小さい子たちです。
受験間近の6年生が自分が受ける学校の説明会に参加することは、志望校選び、そして受験勉強のモチベーションを高める意味でとても大切です。
それより塾のテストや授業を優先するなんて、本末転倒ですよね。
学校が好きなのは社会性が育っている証拠
以前、関西の中学受験の大手進学塾が、何と平日の昼間に授業を始めたことがあったそうです。
当然ですが、小学校を休まないとその授業は受けられません。
これはさすがに大きな批判を呼び、関西の最難関私立中学が、小学校にほとんど通っていなかった受験生を不合格にしたそうです。
そしてそれ以来、その学校は出願時に小学校の調査書を提出させるようになったとのことです。
現在でも大手進学塾生の間には、6年生の3学期に入ったら小学校を休むという暗黙のルールがあるようです。
うちも家庭教師の先生に「まだ学校を休ませないのですか」と何度も聞かれました。
願書の提出は1月の初旬で、調査書には2学期までの出欠しかないため、教育産業としては学校を休んでくれたほうが稼げるということなのでしょう。
息子は学校が大好きだったので、休むことなどあり得ませんでした。
しかも3学期は文集づくりや卒業式の準備など、大切なイベントがある時期です。
子どもにとっての1カ月は大人の場合と大きく違います。
友だちと過ごす大切な時間を受験のために犠牲にするのでは、失うものが大きすぎます。
さらには塾を休ませたくないという理由で、運動会や修学旅行を欠席させる親もいるという話を聞いて、私は耳を疑いました。
運動会や修学旅行などに向けては、当日だけでなく、かなり前から先生やクラスの仲間と準備をしたり、練習をしたりするはずです。
こうした行事を経験することで、子どもは社会性を身につけるのです。
みんなと一緒に一つの目的に向かって努力する一体感、一人ひとりがみんなのために貢献し、お互いを認め合う喜び、そして何よりも楽しい思い出が豊かな心を育てるのです。
私たちが住む区には学校選択制度があって、隣の校区の小学校を選べます。
その中に、越境して中学受験をする子が集まるので有名な小学校があり、運動会や修学旅行を休む子がたくさんいると聞いて、うちでは真っ先に子どもをそこに行かせるのをやめました。
そういう学校が近くにあったおかげで、のびのび育てたいと考える家庭の子どもたちが集まる小学校に通えたことは、息子にとってラッキーでした。
聞いた話ですが、ある小学生が塾の宿題をこなすのに夜中まで勉強していて、学校では「保健室登校」状態になっていた子がいました。
その子は何とか難関中学に合格できましたが、その後不登校になってしまったそうです。
合格と引き換えに集団生活をする社会性を失ってしまった。最悪の結果だと私は思います。
「受験勉強で忙しいので、宿題はさせません」と、先生に宣言した親が息子の小学校にもいましたが、公立小学校の宿題すらこなせないような子が、厳しい試験に合格できるのでしょうか。
みんなができるように指導されている学校の宿題をきちんとやる。
宿題には、内容だけではなく、みんなが課せられた義務を一人ひとりがきちんと守るという道徳教育的な要素も含まれているはずです。
休まずに学校に通うこともそうです。
学校がせっかく育ててくれている社会性を、親がぶち壊しているという見方はできないでしょうか。
学校の勉強をバカにするのってどうなの?
反抗期の中高生が授業の内容に対する不満を口にすることは、あっても仕方がないと思います。
でも「いい大人」である親が、学校の勉強をバカにするような発言をするのはいかがなものでしょうか。
中学受験を経験して気になったのは、受験勉強の学習内容と小学校でのレベルが大きく違うからか、学校の勉強を軽視する親の言動があったことです。
確かに今の公立小学校は、できる子を伸ばす視点に欠けている面があるかもしれません。
でも子どもが人間として成長する過程で、学校で学べることはたくさんあります。
必要以上に学校を軽視する発言をするのはどうかと思います。
なぜなら、子どもは親の価値観を受け継ぐからです。
それもかなりの拡大解釈で。お母さんは算数の授業のことを言っているつもりでも、子どもは学校そのものをバカにするかもしれません。
小学校の授業をバカにする子は、中学生になっても授業を軽視する子にならないでしょうか。
中学生や高校生になって授業を聞いていないと、あっという間に置いていかれます。
授業中に寝る人は言うまでもなく、塾の宿題をしたり、別の教科の勉強をしたりした人で、勉強がよくできた人を私は見たことがありません。
逆に本当に優秀な人は、必ずどの教科の授業でも、先生の言うことをしっかり聞いていました。
人はそんな基本的なところで、差がつくのかもしれません。
高校の同窓会で恩師と話したときに、同じようなことを言っていました。
高校時代、私のクラスには今は大学教授になっている優秀な生徒がいたのですが、彼は先生が授業をしているとき、「先生、こんなに興味深いことをわかりやすく教えてくださって、ありがとうございます」と言わんばかりの表情で、集中して先生の話を聞いていたそうです。
先生は、「そんな顔をして、お前だったらこんなことを習わなくても、知っているだろう」と、心の中で突っ込んでいたそうです。
一方、先生の長い教師生活の中でも、「そんなこと、もう知っていますよ」と言っていた生徒は、大抵たいしたことはなかったそうです。
これは学ぶことに対する姿勢です。
学ぶことに貪欲な人は、決して自分の現状に満足できない。
さまざまなことを、いろんな人から学びたい。純粋にそう思っているのが態度に表れるのでしょう。
知識が増えるほど、自分がまだまだ何も知らないことを思い知る。
そういう境地に達している人は、決して傲慢にはなれないのでしょう。
試験に出ないことはやらないなんて、ケチくさい発想はないのです。
かくいう私もそんな境地には達しておらず、高校生のときは遠距離通学と部活で疲れ果て、授業中に居眠りをしたり、宿題を忘れて慌てて他の教科の授業中に内職したりということをしていたこともありました。
でもそのうちに、授業中に他の勉強をすることが、いかに非効率な時間の使い方であるかということに気づきました。
予習して授業をしっかり聞いて理解しておけば、内容はきちんと頭に残ります。
逆に授業を1回聞かないだけでも、後で取り返すのは大変です。
中学受験でも大学受験でも、求められるのは「基礎に対する深い理解」です。
先取りしている人にも授業は復習になるので、その内容が聞くに値しないことはないのです。
そもそも私には、授業が受験に役立つかどうかという損得勘定はありませんでした。
それは、授業内容や先生の話が純粋に面白いと思うことが多かったからです。
先生が話をしているときに聞かないなんて失礼だ、という罪悪感もありました。
でも、もし私の両親が学校の勉強を軽視するような発言を繰り返していたら、そういう罪の意識すら感じなかったのかもしれません。
〔2018年11/13(火) リセマム《リセマム リセマム》〕

3年待ちのカリスマ家庭教師・安浪京子先生に聞く最強の中学受験
中学受験を巡る家庭の悩みはさまざま。巷にあふれるキラキラした合格体験記を読むたびに「それに比べてうちの子はどうして…」と、ため息ばかりついていませんか。
少々お疲れ気味の悩み深い親御さんに向けて、予約3年待ちの超人気カリスマ家庭教師・安浪京子先生が、中学受験をハッピーに導くための秘訣を伝授してくれました。
まとめノート(女子)/最強の中学受験「普通の子」が合格する絶対ルール
首都圏の中学受験は“習い事”感覚
--中学受験にも理想と現実があると思うのですが、なかなかリアルな「現実」の部分が表に出てきません。
そうですね。勉強の体制ができている子どもの親や先生の意見は、多くの悩んでいる親御さんにとっては別次元の話です。
合格体験記を読んでも、それが我が子にそのまま当てはまるとは限らず、むしろ当てはまらないケースのほうが多いかもしれません。
特に首都圏では、中学受験をする割合が4人に1人です。
関西は今でも10人に1人くらいなので、決断した時点で「うちはほかの家庭とは違う」と覚悟を決めます。
ところが首都圏では水泳やサッカー、ピアノやバレエと同等の”習い事”感覚です。
少子化ですから、塾側も「すべてお任せください」と甘い言葉を囁いてきますし、親子とも何となく周囲の雰囲気に流されて始めてしまう。
でも中学受験はそんなに甘い世界ではないので、塾に大金を支払って3年間預けただけではゴールまで連れて行ってくれません。
一方的に大量の課題が与えられ、よほど器用な子ども以外は溺れてしまうのが普通です。
そうとは知らず、宿題がこなしきれない、テストの点数が一向に上がらない我が子に対して、親がテキストを投げる、破る、捨てるというのは決して極端な例ではないのです。
つまり、中途半端な取り組み方では、子どもも親も傷つく結果に終わることが多くなってしまうのが現実です。
--塾は「お任せください」というけれど、実体としてはお任せできない、と(苦笑)。
我が子のどこができていて、どこから理解できていないのか。
塾側がそれをきちんと把握してくれているというのは幻想です。
たとえば、丸付けの仕方からちゃんと教えてあげないといけない。
間違っている答えにはバツを付ける。
大人からすれば当たり前のことですが、本来子どもはバツをつけるのが嫌いです。
解答を見て自分の間違えを消して正しい答えを丸写しし、しれっとマルにしたりする子は非常に多い(笑)。
だからこそ私は、バツが多いノートに「いっぱい考えたね」と言って花マルをあげます。
丸つけの仕方から正しい解き直しとは何かまで丁寧に教えてあげることで初めて、成績が上がる勉強の仕方になるわけです。
子どもはどうしても自分の都合のいいように、楽なほうに流されます。
これは6年生になっても多くの子どもがやってしまうことです。
また、なぜ間違えるのか、要因を探ることも重要です。
単なるケアレスミスではなく、根本的な理解不足だったり、精神的な不安が背景にある場合もあります。
子どもに何が起きているのかを知ろうとすることが大切なのです。
共働き家庭は、うまく外の手を借りればいい
--とはいえ、共働き家庭も増え、ただでさえ忙しいのに、そのうえ子どもの勉強を見るというのはなかなか大変です。
確かに中学受験のために家庭でやるべきことは少なくありません。
だからこそ、忙しくて家庭だけでは回らない場合は、うまく外の力を借りればいいと思います。
たとえば子どもに塾でどの先生が好きかを聞き、ひとりでも信頼できる先生を見つけておくといいでしょう。
わからない問題があればその先生に質問に行くという習慣を作っておくのです。
また、親子関係が煮つまったり、子どもの成績が伸び悩むときは、親御さんも遠慮なく塾に電話してその先生に相談してみてください。
第三者のプロの視点で役立つアドバイスがもらえるはずです。
また、無料動画で配信されている授業を活用したり、私のような家庭教師を依頼するなど、とりわけ受験の“テクニック”の部分についてはプロの力を有効活用するのも手です。
すべて家庭でカバーしようと両親のどちらかが仕事を辞めたところで、今度は親が子どもを追い込みすぎて家族から笑顔が消えてしまったら元も子もないですからね。
子どもより親のプライドやブランド優先? 
--最近の親御さんを見ていて、何か気になることはありますか。
ひとりっ子が増え、核家族化で地域との横のつながりも希薄になり、両親の関心がその子だけに集中してしまい、視野が非常に狭くなっていると感じます。
「どうして思いどおりに育たないのか」「私はこんなに頑張っているのになぜ我が子はわかってくれないのか」と簡単に逆上してしまう親御さんが多いように思います。
「そもそも子育ては不条理なことの連続だ」という現実に耐えられない人が増えているのではないでしょうか。
実際にそういった親御さんには高学歴で社会的に成功をおさめている方も結構多くて、ご自身が失敗のない人生を生きてきた分、合理的にコントロールできない子育てには理解しがたいところがたくさんあるのかもしれません。
--子どもたちには変化がありますか。
共働き家庭の増加で両親ともに忙しく、なかなか子どもに目を向ける時間がない現実はよくわかります。
ただ、それによって子どもに影響が及び、子どもから親へのSOSサインが出ているのです。
たとえばゲーム依存は小学生の場合、親子関係が原因となることが多いのですが、親がそうした問題には向き合わず、とにかく中学受験で結果を出すことばかりに気持ちが向いてしまうケースが少なくありません。
子どもからのSOSは親からの愛情を求めているだけなのに、そんな子どもの“気持ち”をケアすることよりも、大人のプライドや学校のブランドを優先してしまう。
本来は勉強以前に子どもの心をほぐすことがもっとも大事なのですが、それに気づいていない、あるいはそれも塾や家庭教師で何とかしてもらえると誤解されているケースが結構多いですね。
家がストレスフルな環境になるのはNG
--親は“管理”以前に、子どもの“気持ち”に真摯に向き合う必要がある、と。
ネット社会の今、たとえば子ども部屋やリビングにカメラを付けて、職場から子どもを遠隔監視しているご家庭もあります。
子どもがおやつを食べてくつろいでいると「ちゃんとやってる?」と、いないはずの親の声が飛んでくるという(苦笑)。
これで子どもが勉強をサボらないようバッチリ管理して無事に合格できました! というサクセスストーリーが実際にあるわけです。
親の立場からすれば「我が家も続け」とばかり、すぐさまカメラを買いに走りたくなるのかもしれませんが、果たして子どもの気持ちはどうなのか。
私が子どもに聞くと「親に信頼されていないことが一番嫌」「カメラがお化けに見える」という本音を打ち明けてきます。
親の期待が大きすぎて、わからないことをわからないと言えなかったり、少しの時間でも遊びに行くのをためらったり。
「パパやママのために勉強している気がする」という子どももいます。
家がまったく気を抜けない、ストレスフルな環境になってしまっている。親と子で意識はこれほどまでに違うわけです。
--では、親子でどんなコミュニケーションを心がければよいでしょうか。
塾帰りのお子さんに「何点取れた?」ではなく、「今日はどんなことを勉強してきたの?」と聞いてあげてください。
点数は答案を見ればわかることですし、親が点数ばかり気にしていると、プレッシャーから本音を言いづらくなってしまう一方です。
何を勉強したかについて会話を続けていれば、子どもは次第にわからなかったことを具体的に説明できるようになりますし、頑張ったのに報われないといった弱音を見せることもあるでしょう。
そんなときこそ親御さんがフォローしてあげることで、親子の信頼関係が深まっていくものです。
--親のフォローとはたとえばどんなことですか。
家庭環境も違えば精神的な成熟度も異なりますから、どういうフォローが効果的かというのはご家庭によってさまざまです。
中学受験はこうあるべきという画一的な理想論にとらわれないことが重要です。
いつも忙しくて家にいないお母さんが仕事を家に持ち帰り、勉強する子どもの隣に座るようになったというだけで成績が上がるケースもあれば、お父さんが「よーい、ドン!」と競争し、わざと負けて褒めちぎることで初めてやる気になるようなケースもあります。
わが子にどんなアプローチが有効かはお子さんの成熟度や性格を考慮しつつ、コミュニケーションをとりながら色々と試してみてください。
6年生は“まとめノート”で知識や理解の定着を
ただし、今6年生の場合はそんな悠長なことも言っていられませんよね。
特に夏休み以降、模試の結果に翻弄されて不安で悶々とストレスを抱えるくらいなら、過去の模試や塾のテストで間違えた問題の“分析”をお勧めします。
重要なポイント、よくミスする考え方、覚えておくべきことを一緒に振り返り、お子さんの言葉でノートにまとめるのは、知識や理解の定着に効果的です。
--ハッピーな中学受験ができる家庭に共通する特徴はありますか。
親が子どもの話をよく聞いている家庭ですね。
そこには、子どもが物怖じせず自分の意見を言えるような雰囲気があります。
家族の会話が弾み、とても明るいんです。
一方で、子どもを待てずに親が先に結論を言ってしまったり、発言を矯正してしまうような家庭だと、完全に子どもの思考を奪ってしまいます。
あるいは両親のどちらかが中学受験に否定的な立場だと、子どもはどうしても本気になれません。
子どもの気持ちを置き去りにしたまま、最後まで力づくで子どもを引っ張って何とか合格に至るケースもありますが、入学後には伸びきったゴムになってしまい、中には無気力から不登校や退学という結果に陥ってしまうこともあります。
中学受験は「枠」にはめる作業だからこそ心に愛情を
--ハッピーな中学受験のためにこれだけは欠かせないものは何でしょう。
先ほど外注の話をしましたが、外注できないのは親御さんの愛情です。
「塾だけでは足りない。少しでも我が子に良いサービスを」と金銭的に無理をしてでも個別指導や家庭教師を頼り、それでもうまくいかずにもがき苦しんでいる親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
確かにキレイゴトでは済まないのが中学受験です。
最難関校に悠々合格するタイプ以外の「普通の子」にとっては多くが辛い経験です。
「枠にはまらない子を無理に枠にはめなくてもいい」と謳う自由な校風の学校であっても、入試本番では枠からはみ出たら受かりません。
つまり中学受験は枠にはめる作業なのに、現実は第二次性徴期で子どもが反抗的になったりと、枠にはめるどころか親の思うとおりにはいかないことばかりです。
だからこそお子さんの気持ち、心に愛情を持って向き合ってあげてほしいのです。
繰り返しになりますが、中学受験の正解は1つだけではありません。
理想論にとらわれず我が子に向き合い、トライ&エラーの気持ちで、柔軟にやって行きましょう。そして笑顔を忘れずに。
安浪京子氏の新著書「『普通の子』が合格する絶対ルール 最強の中学受験」(大和書房)には、さまざまなタイプの子どもを想定しながら最善と思える策、それが効かなかったときの代替策がたくさん提案されており、まさにトライ&エラーの指南書。
子どものメンタルコンディションを重視した“子ども目線”が、他書にはない秀逸さである。
2018年8月10日から23日まで、リセマム読者の中から抽選で3名様に本書のプレゼント応募を受け付けている。
〔平成30(2018)年8/10(金)リセマム《リセマム 加藤紀子》〕

中学受験の“ラスボス”はお父さん? 「小6の最後になって登場して…」〈AERA〉
多くの子どもにとって避けては通れない受験勉強。小学生で経験するか、中学生で経験するか──。
それぞれに長所も短所もある(撮影/篠塚ようこ)
中学受験大手・日能研グループのみくに出版が発行する中学受験専門誌「進学レーダー」の井上修編集長と、最難関高校受験で圧倒的な合格実績を持つ進学塾「早稲田アカデミー」の酒井和寿高校受験部長。
中学受験、高校受験に精通した二人が、中学受験の長所、短所などを語り合った。
──まず、中学受験と高校受験、それぞれの位置づけについて教えてください。
井上:2018年の調査では、東京、神奈川、千葉、埼玉の中学受験率は20.1%です。特に東京の中学受験率は29.8%と高い。
中学受験が一般化した世代が親になり、ますます関心が広がっています。
もう一つの傾向としては、私立中学受験に失敗して公立中学に進む生徒の割合が、ここ20年ほどで急減しています。
日能研で見ると、かつては高校受験でリベンジするというタイプもいましたが、今は第1志望校に受からなくても、9割以上はどこかしらの私立中高一貫校に入学します。
保護者の大半は、入り口の偏差値は関係なく、6年の間にきちんと育ててくれる学校を見つけようという考え方です。
酒井:逆に、公立の中高一貫校に不合格だった場合は、高校受験でリベンジする人が増えてきています。
また、早稲田アカデミーでは中学受験を経験した生徒は全体の2割弱。
公立小学校から公立中学校に進み、初めて受験に挑む生徒が中心です。
中学受験はご家庭の経済力などを理由に誰もができるわけではありませんが、高校受験はある意味、誰もが経験する類いのものです。
──中学受験をするメリットは何でしょうか?
井上:中高一貫校に入れば高校受験の必要がなく、進路選びに時間をかけることができます。
大学が多様化し、昔のように偏差値で学校の価値が並んでいるわけではなく、教育内容などをきちんと見極める時間が必要です。
たとえば立教大学の中でも人気の経営学部は、偏差値が早慶(早稲田大学、慶應大学)レベルになるなど、今後ますます大学ではなく、学部・学科で進学先を選ぶようになる。
──時間的余裕が中だるみを生むという指摘もありますが。
井上:中高一貫校の今のトレンドは、中学3年生の過ごし方です。
中3で大学訪問に行く学校もあれば、長期間の海外研修に出かける学校もある。
大事なのは、キャリアガイダンスです。いったい自分は何がしたいのか、そのためには何を学ぶべきか。
6年間の学びを通して、学科、学部名から、最後に大学を選んでいく。中だるみはありません。
酒井:一方、高校受験組のカリキュラムは中学3年間と高校3年間に分断されます。
一般的に高校で勉強する内容のほうが圧倒的に難しい。
同じ大学を目指すにしても、6年間を見通したカリキュラムで勉強できる中高一貫校に比べ、高校受験組は高校3年間の勉強が急傾斜になります。
そのため安易に数学が必要ない私大の文系学部を選ぶなど、苦手科目を作る生徒が出てくる。
それ以前に、理科、社会を勉強しなくても受験ができる魅力的な私立高校も多く、結果として大学の進路を狭めている可能性もあります。
──早稲田大学が政治経済学部の一般入試で、21年度から数学を必須とすると発表しましたね。 井上:苦手科目を作らないという点でも、中高一貫校が有利。
国公立大学の合格実績を伸ばしている三輪田学園(千代田区)では、高校受験がない分、中学2~3年生で時間をかけて数学をやるんです。
進学校の海城(新宿区)や洗足学園(川崎市)など、高校募集を停止する私立の中高一貫校が増えていることも見逃せません。
高校入学組が入るとカリキュラムを複線化せざるを得ず、学校としては対応が難しいのでしょう。
洗足学園は海外大学合格実績の高い学校ですが、海外大学受験は大学情報も含めて中高一貫で時間をかけて力をつける必要があります。
──では、高校受験ならではのメリットはあるでしょうか?
酒井:最も大きなメリットとしては、高校受験は半分子どもで半分大人の時期にあるイベントになります。
親の影響力の大きい中学受験に比べて、ある程度自分の意思を持って進路を選べるのではないでしょうか。
──逆を言えば、それは中学受験のデメリットと言えます。
井上:親主体で受験が進む分、子どもに合わない学校を選び、最悪、不登校になるなど脱落するリスクがある。
例えば帰国子女枠での入学者は、一般入試枠の入学者より、退学や転校が多い。
帰国子女向けの入試は入学枠が別にあったり、試験も一部免除されたりします。
そうなると親は欲が出て、損得で学校を選び、結果として学校選びを間違ってしまう。
昔は偏差値順に学校を決めていれば良かったのですが、今は同じ進学校でも麻布、開成、武蔵を校風で選ぶ時代です。
小学校4年生くらいから、子どもを真ん中にして、家族で話していかないと駄目なんです。
──小学4年生からですか?
井上:主な中学受験塾の本科コースは4年生からです。
ただ、我々のなかでお父さんを「ラスボス」と呼んでいます。
最初からお父さんの姿が見える家庭はトラブルが起こりませんが、お母さん主導の場合、小6の最後になってお父さんが登場し、進路が180度変わることもあります。
酒井:高校受験の場合は、中学1年生から通塾する生徒が多いですね。
早稲田アカデミーで言えば、生徒数は最終的に中学3年で5800人程度になりますが、中1の夏の段階で約3200人。
その内、中学受験をしない小6クラスからの生徒が約1200人います。
〔2018年7/11(水)AERA dot.(構成/編集部・澤田晃宏)※AERA 2018年7月16日号より抜粋〕

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