●文通番号9-05 独創性開発
色眼鏡君(AT君) 〔東京都 男 26歳〕
私は自分という存在理由において、たくさんの違和感や孤独感を抱いています。どうして自分の顔に自信がもてないのか、決然とした意志や自我などをあやふやにしてしまいがちでいます。体裁や見栄を利用して、自分を相当な人間であると気取り言葉を用いては、それで自分をフォロウしています。
〈僕はダメな奴だ〉……と素直に自分を認められず、他の人には気づかないような独創的な才能はないかと、常に日頃から自分自身を分析しています。
この不登校情報センターに所属をしてから数か月間で、いくつかの刺激もありました。あとどれぐらいまで関係性が保てるのかは、明確ではありません。現在、ある学習塾にも所属をしています。
今のところは、何も目標としてるものはなく、ただ学生としての体裁だけにしがみついています。きっと「自分なんて世間で認められるはずもない」。そのようにシャットアウトをしてしまいます。遊ぶことの楽しさや、スポーツで汗をかいたり、また働いて稼ぐことの充実感。それらの生き甲斐は、自分にとっては全くと言ってもいいほどに実感が持てません。頭で考えてばかりでなかなか手も足も出せずに、幻想の世界を思い描く時間が多くあるのです。
『源氏物語』最終巻
春の夜の 夢の浮き橋 とだえして
峰に分かるる 横雲の空
見渡せば 花も紅葉も なかりけり
浦の苫屋の 秋の夕ぐれ
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