事務作業グループを「引きこもり経験者の居場所の一種」とするのはどういうことかという質問を受けました。
居場所というのは場所、人の居る所を指すけれども、人の集まり自体ではありません。ですから予測される質問です。もし事務作業グループが居場所なら、野球の応援団が居場所になり、ファンクラブも居場所になります。実際そういう使い方も可能です。しかし、もう少し説明しなくてはなりません。
両者には違いがあります。しかし重なる面もあります。
居場所、フリースペースは場所(スペース)から見た評価です。自助会、自助グループは人の面から見た評価になります。さらに医療等における作業療法・デイケア、福祉等におけるワークショップ、心理等における集団カウンセリング等は行為の面から評価したものと言えるでしょう。
同じことを見る角度を変えて表わすときに言葉が違います。しかし重なる部分が同一ではないこともあるので自動的に同じものとは言えない場合もあります。慣習により使う対象が特定されることもあります。
あるワークショップに参加した人たちを、そのまま自助会メンバーとは言えませんし、そのワークショップを居場所ということもできません。しかしワークショップが継続し、恒常的に参加するメンバーが現われるとそれは居場所や自助グループの様相を持ってくると思います。
不登校情報センターの事務作業グループを居場所の一種と表現するのはこういう状態になってきたからです。事務作業グループは週2回の作業日・1日2時間の作業時間がほぼ定着してきました。引きこもり経験者・引きこもり状態の人の参加を呼びかけています。