引きこもり生活のなかで、苦しくなると救急車に連絡をしているAくんがいます。何度も繰り返して救急隊員とは顔見知りになっています。
救急隊の仕事の範囲はどういうものかは知りませんが、Aくんから予想外のことを聞きました。救急隊の本来の仕事は、病気の人を医療機関に送る役割だと思います。引きこもり対応をしているわけではありません。
Aくんのところに来る救急隊は、医療機関に行くのではなく、様子を見て、話しかけ、落ち着いたら引き上げるようになりました。ただこのやり方を繰り返すのも策がないと感じたのでしょうか。隊長という人が「他にできることはないかな」的なことをつぶやいていたといいます。
それからどれくらいの期間が過ぎたのでしょうか。あるときAくんの様子を見てきょうは外出できると見えたらしく、Aくんに確かめたうえで外出し、救急車に乗せて周辺の“ドライブ”になりました。
救急隊が訓練する運動場のある訓練施設に連れて行ってもらったこともあります。「人眼がないところなら動けるかもしれない」と考えたようです。事実、そのときAくんはその訓練場でからだを動かすことができました。
救急隊の“この策”は、「他にできることはないかな」と考えた結果の策だと思います。もしかしたら各地の救急隊においてもその地域の状況に応じたそれぞれの策が生まれているのかもしれません。これらは表立って知られることはないのですが、外出困難な引きこもりへの対応策としては貴重な対応策だと思います。
救急隊の別の実例があれば教えてください。保健所の関係とか、生活保護担当者とか、不動産会社(賃貸住宅の管理人)の珍しい実例も紹介したいです。情報を待っています。