不登校の中学卒業生の進学先、不登校の高校生の転校先、高校中退者の入学先、これらが通信制高校・定時制高校、大検(現在の高校卒業資格認定)であることを証明した調査報告「不登校・中退生の受け入れ状況」を掲載しました。
調べたのは1997年のことです。
今日と状況の多くは変わってはいないのですが、全国的に昼間定時制高校が増えていることが変化でしょうか。全日制高校は当時から一部の寮制高校が受け入れていましたが、特に寮制高校が増えたわけではありません。
そのころにこういう調査をしておいたのにも意味があったと感心しているところです。
他にもいくつかの調査があり、掲載されないまま埋もれようとしています。ボツボツ発掘し掲載にこぎつけようとしています。
日別アーカイブ: 2012年7月28日
発達障害に取り組む状況調査
「アンケートのまとめ・発達障害とフリースクール等の対応」ページを作成しました。
2007年12月に毎日新聞のY記者の企画に協力して集めた発達障害の生徒にフリースクールがどのように受けとめ、対応し、何を必要と考えているのかを調べようとしたものです。
東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のフリースクールと対象としたものですが、回答数が少なくY記者はたぶん現状分析には十分なデータが集まらなかったと判断されたのではないかと思います。
しかし、改めて回答を読み直してみると、集まらなかったこと自体にそれだけの背景、すなわち対応の遅れないしは対応体制がうまく取れていない状況が表われていることに気づきます。
むしろ、当時の状況を相当に正確に表しているのではないかとさえ思えます。
比較的小規模なフリースクール(生徒数が少ない)では、特別の体制がなくても、教師の子ども観の範囲で対応できたのではないのか。その視点からの意見がいくつかあり、これは実は私のもっているはずの教育観や子ども観に近いものです。
しかし、規模が大きくなるとそれだけでは不十分になっている現実が反映されていると受け取れます。背景には、発達障害的な子どもがなかなか対人関係をつくれない、社会に入れない現実とそれなり理由があります。子ども世界の消失(子どもが少なく大人の目の届く範囲にいる)、親世代が高機能化した社会で生活していること、などが思い浮かびます。
そういう面をこのアンケートの回答は映し出しているように思えます。実に味のある、重要な内容がある原石のようなものです。じっくりとこれに取り組んでみたい気もしますが、何しろ時間がないのがやや残念です。
児美川孝一郎先生と打ち合わせ
法政大学キャリアデザイン学部の児美川孝一郎先生にあってきました。
今秋に池袋で総合相談室(名前は未定ながらSES教育相談室を仮称)を開きます。その開設の記念講演をお願いするためです。
テーマは大学生の不登校ですが、最近の大学生や青年の置かれた状況を見たうえでどういう話をしていただくのか意見交換をしながら考えるためです。
学生との接触が多く大学生の不登校を提案しているトカネットの藤原宏美さんに同行してもらいました。
大学生の中退問題が社会問題として浮上するでしょうとか、「現代の学生の特徴は?」と尋ねたところいろいろな学生がいると前置きしたうえで、「傷つきやくい、壊れやすい」、思春期型反抗を自覚した人は1~2割など教えてもらいました。児美川先生の専門は青年期教育論で、学部長でもあります。
講演の方向はこれから考えます。新NPO設立講演会は11月23日の勤労感謝の日を予定しています。