居場所を考える会の次回

時代小説を読んでいたらこういうのがありました。
「境遇の似たものは理解しあうか、反発するかのどちらかだという」
(上田秀人『無影剣』徳間文庫、2011年、142ページ)。
なかなかの人間洞察力です。
私はかつて引きこもり経験者の集まる居場所について書きました。
「引きこもりを経験した人たちによる“同じ体験をした人同士が互いに理解し合える場”としてフリースペースを紹介することがあります。 これは真実ではありますが、真実の全体ではありません。」(対人関係の諸相ー社会へのアプローチの時期(その3)=2007年1月)。
このことは何度か違った言い回しで書きました。居場所を考える会のときにもう一度意見を聞いてみようと思います。
こういうと居場所に行くハードルが上がるように見えますが、本当は逆に下がるのです。そのあたりができるといいです。
居場所を考える会は水曜日の4時ころから行います。次回は5月22日です。

メンタル本の表紙をアップ

『メンタルフレンド力(りょく)』をホームページに挙げました。何かをごそごそやっていたと思ったら、絵が入り表紙が少し変わりました。今後、刷りましをするときはこの表紙を使うようにということです。
さしあたりは手元にあるのを送りますので、表紙は少し違うかもしれません。内容は同じです。
詳しくは訪問サポート・トカネットのページを見てください。
http://www.futoko.info/tokanet/syin.htm#book_mentaruryoku

請求書の発送の後は雑談会

本日の事務作業グループはリンク料の請求書を書き発送しました。
合計で9件ありました。
依頼の案内文、複写の請求書を書く、他に同封するものが少々。ゴム印、法人印を押す。封筒への宛名書きなど出来たものを見ると簡単なように見えます。ところがいざ自分でやるとなると書く位地とバランス、文字の大きさなどなかなか普通にはできないもので、それを体験したことになります。
終了後は文書入力のパソコン入力の予定でしたが、即席の「居場所を語る会」になりました。特に準備をしていなかったので、雑談会に終始したようです。

動物園遠足に疲れる

上野動物園への遠足は11名が参加しました。ウィークデイなので人出は少ないと思っていたのですが、上野公園は混んでいました。とくに目に付いたのは修学旅行の中学生や高校生です。

動物園内では幼児がいっぱいです。歩き始めた子から保育園児くらいの子、乳母車に眠る子、家族づれが多くいました。そういえば子どもが小さかったころ連れてきたことを思い出しました。どうも動物園は子どもと一緒に来るところのようです。公園の出入り口には子ども用に貸し出す乳母車が並んでいました。園内でもいちばんは子どもが動物に触れ合う子ども動物園―ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ニワトリ、それにウシ、ウマなどのいるコーナーがなごみました。

 そのあとは動く気がしなくて、私はひとりベンチに寝そべっていました。空模様が怪しくなったのと四時を告げるお知らせを聞いて、一行を見ないまま離れて公園を退去しました。午後になるとどこかで横にならないと動けない感じが頻繁になりました。無理はしないことにしています。

戻されてきた傘

その日はやや風が強かったのですが雨は降りそうではありませんでした。
前ぶれもなくGsくんがやってきました。ちょうど半年ぶりのことです。
何人かで作業をしている途中で私は手を放せません。
そんな私に、Gsくんは「傘を返そうと思って…」といって新しい傘を差し出しました。
半年前の帰りしなに雨が降ってきて、Gsくんは事務所の置き傘をさして帰ったのです。
そして半年後、新しい傘となって戻されたのです。
私はそんなことはすっかり忘れていた、いやそのときでさえGsくんが傘を持って帰ったことさえ知らなかったのです。

Gsくんのこれは一般の大人の律儀とは同じではなく、しかしそれに近いものでしょう。
それは少年の正直さに近いものですが、それとは同じとは言えないようです。
ただこのような律儀と正直さのない交ぜになった一途さを大人の振る舞いとして低く見たくはない気がします。それは当然なのですが、ないがしろにされやすいことなのです。それを実行したことが私の日常生活にある種の刺激を与えてくれます。

文通ボランティアに資格?

ひきこもりの人たちの間に文通を勧め、また文通ボランティア制度を設けています。満足に機能しているとはいえませんが、動きは続いています。
ある方からメールがありました。「なにも資格はないのですが、文通ボランティアできますか?」という問い合わせです。文通ボランティアに資格はありませんのでお願いしました。

「文通者はひきこもりや対人関係が苦手・不安な人がほとんどですので、同じような経験者が比較的うまく行くようです。上から目線にならないことはとりわけ大事です。ですから、あなた自身の自己紹介を、自分が体験したことをなるべく詳しく書いていただくようにお願いしています。この人なら自分のことがわかってくれるという気持ちにならないと手紙のやり取りは始まらない可能性が高いです。」
このようにお返ししました。
なお「文通ボランテイアのネット展開(2012年9月25日)」と「文通ボランティア紹介コーナー」も参考になるでしょう。

高等専修学校と技能連携校

事務作業グループの定例日。参加者は2名と少なかったです。
高等専修学校技能連携校の詳細ページのないところに掲載の案内FAX送信。
夜までに2校から詳細情報が返ってきました。北見商科高等専修学校と静岡高等学園です。
近くサイトに掲載します。
この2つの種類は重複が多く(高等専修学校であり同時に技能連携校でもある)、2種類に分けるのではなく統合するのがいいと感じました。また高等専修学校と技能連携校は、詳細ページがなければ県別の種類ページから外していく方向で整備していくことになりそうです。
支援団体の情報収集とはいえ、それぞれの学校や支援団体の特色をある程度は理解していかなくてはならないようです。事務作業の説明としてそういう内容を繰り返し話していく機会になります。

親の会にも二次会を

大人の引きこもりを考える教室の運営を変えるため、終了後に何かを書いてもらおうとして準備をしました。紙を一枚用意して感想を書いてもらうだけの準備です。
終わり近づいたころ、いいタイミングで親同士が話す機会があればいいという意見がでました。「会の終了後に親同士の話し合う場を持ってはどうですか」と提案したところおおかたの賛同を得たらしいです。

感想文にはこれに誘導されたのでしょう、それに関することがいくつかありました。
「親同士で話せる場があるとよいと思います」
「親の気持ちのはけ口があるといいです」
「親のしゃべり場」
私の意識には、状況を聞きながら親として何をする、何をしないかを明確にしようとする気持ちが強かったのではないかと思います。「気持ちのはけ口」も大事ということです。

親の会(大人の引きこもりを考える教室)自体を挙げたものもありました。
「自分のことは良く見えないものです。会の中で気づいたことを言って欲しいし、話してもらいました」
「他の方の話も10年前の息子のことを思いながら聞いていました。親の居場所としてとても助かります」
会の終了後、お茶会の場として新小岩駅周辺のオールドファッション喫茶店が挙がりました。

次回の「大人の引きこもりを考える教室」は6月8日(第2日曜日)です。

自作本を売れば販売費進呈

最近作成した4点の自作本が昨日の質疑応答の会、今日の引きこもり教室、訪問サポートを考える会などでそれぞれ売れました。これまでの累計は次のようになります。
(1)『ひきこもり国語辞典』(400円)……………6冊
(2)『中年ひきこもり』(400円)…………………4冊
(3)『メンタルフレンド力』(400円)……………13冊
(4)『少女まんがに描かれた母親像』(300円)…2冊
*定価には税を含みません。

そこで考えたことです。これらの4点は通所者が販売したらいくらかの販売費を渡そうかと思います。「ビッグイッシュー」方式の真似事です。
(1)と(3)は1冊150円、(2)と(4)は30円を考えています。

15日夕方から居場所を語る会

居場所を語る会を始めます。
思いついたのは『メンタルフレンド力』の発行です。訪問サポート活動をトカネットの藤原さんが『メンタルフレンド力』にまとめました。わかりやすくて好評です。となると居場所についても同じことはできるでしょう。いつか『居場所力』をまとめて本にすればいいのです。

居場所に関しては経験も長く、思いつくことはかなり多いです。
そのなかで「居場所に行くだけのエネルギーがない」、「先に来てなじんでいる人たちの中に入れない」、「そこにいてどうなるもんでもないでしょう」などこれまで聞いてきた、居場所に行く条件を打ち消すものにも多く答えるのがいいでしょう。もちろん積極的な役割も多いのでそれも紹介します。いろんなことがありながらいろんな人が居場所に来ています。“先輩たち”はどういう経験や思いをしてきたのかをリアルに反映したいわけです。

そこで居場所を語る会を開き、定期化したいと思いつきました。
いくつかの質問を用意し、それに答えられる人が答える方式をとり、後半は特にテーマはなく交流会にします。それをあとでまとめて『居場所力』の発行にこぎつけましょう。
日時はさしあたり水曜日の夕方、事務作業グループのあと4時過ぎからとします。第1回は5月15日午後4時過ぎからとします(約1時間の試行会です)。うまく行けば継続します。
引きこもり等の当事者(自称でも他称でも)であれば参加できます。参加費無料。