大田区における生活困窮者支援を聞く

10月28日に「生活困窮者支援の窓口を居場所や訪問に直結させたい」を載せました。
あまりうまくないとしたのですが、今日は大田区で生活困窮者支援法にかかわる仕事をしている人から話を聞きました。以前にこちらの訪問サポート部トカネットで訪問活動をしたことがある女性です。
所属は大田区が委託運営している社会福祉法人でJOBOTAといいます。「経済的に困り、生活・仕事・住まいのことで悩んでいる方のための無料相談窓口」です。相談から始まりますが、訪問(アウトリーチ)もしています。中間的な社会経験の場をつくって対人関係の練習や職場体験のできる協力会社を開拓しつつあるようです。相談した人をたらい回しにするのではなく、実質的な対応があり、それを広げようとしています。
そういう受け皿の条件をつくり、相談者一人ひとりはマンツーマンでその条件を生かす個人プランをつくります。それぞれの状態の応じて支援する方法です。
大田区の例を見ると、生活困窮者支援の運用は自治体の間で開きが大きいのかもしれません。進んでいるところが見本になり他の市区町村に広げる役割を期待します。

〔大田区生活再建・就労サポートセンター〕http://www.jobota.net

サイトをアフィリエイトに生かす制作・企画メンバーを求めます

Amazon本のアフィリエイトを張り付けています。ざっと500冊になる見込みです。
それらの本の出自を見るとこうなります。
(1)サイト内に紹介している学校や相談室などの関係者の書いた本。
(2)それらを含む多くの人から寄贈を受けたさまざまな本。
(3)参考のために松田武己がこれまでに読んできた本(どこかに行ってしまった物も思い出したら追加するつもり)。
(4)何かと参考するために置いてある辞書や辞典類。

本を調べる中で思いついたことは、お世話になっている出版社や元同僚が続けている出版社もあります。こちらは教育系と医療系のミニ出版社です。これらの本はほとんどが推奨したいものです。
調べていたら、電子辞書と電子書籍もあります。もしかしたら本の枠を超えるかもしれません。また事務用のイスを注文したところ、商品リストのある分厚い冊子も届きました。それを見て事務用品や生活用品も頼みました。これと重ねあわせるとAmazonのアフィリエイトは本だけではなく、いろいろなものが対象になりそうです。明確にすれば「文房具、事務用品」、「手作り品・ホビー作品・装飾品」が次の対象になりそうです。
アフィリエイトは、自分では在庫を持たないのですが、「手作り品・ホビー作品・装飾品」は、直販やそれに似た方法もあるかもしれません。創作活動と結びつくかもしれません。

これらの可能性が考えられるのは、不登校情報センターのサイトが巨大なレベルになり、多数の人が参考にアクセスする状態になったからです。情報提供のサイトであるとともに商品などを紹介する装置になったのです。
この装置を運用する(情報を集め、制作し企画する)メンバーがたりません。引きこもり・不登校の経験者でITに関心を持つ人の協力を待っています。条件は「引きこもりがあること」という珍しいものです。関心のある該当者、その家族の方からの相談や問い合わせを待っています。

〔Amazon本紹介ページ〕http://www.futoko.info/zzmediawiki/Amazon%E6%9C%AC 

 

パステルアートで12月のカレンダー制作

今日14日のパステルアート教室は12月のカレンダーをつくりました。
描いていたのはクリスマスツリーの絵です。
小雨の中を自転車で駆けつけた人もいて、今日の受講者は3名です。
机の関係でこれが定員いっぱいですが増えたら別の方法があるかも…。
来月は、12月12日(土)、新年の干支になるサルの絵を入れたカレンダーづくりになります。あべちえみ(abechiemi.bebe@gmail.com)さんに連絡してください。

(作品はここに)http://wakamono-ivento.bbs.fc2.com/

夜間中学は不登校気質の生徒に対応できるのか不安

 都内のある夜間中学校にいきました。
「形式卒業生」という、不登校のまま中学校を卒業している青年Tsくんの入学準備です。事前に連絡していなかったのですが、担当の先生が1時間余りかなり熱心に案内してくれました。全部で9クラスあり全部を回りました。生徒数はいずれも1桁です。体育館では2クラス合同でバスケットボールの練習をしていました。ここの人数がいちばん多く、教員を含めて10人あまりです。
生徒は十代から高齢者までの異年齢が混在する生涯学習の場、中国人を中心に外国人が多くてインターナショナルスクールのようであり、カリキュラムが柔軟でフリースクールのようでもありました。
好印象を持ったことは確かですが、一緒に行ったTs青年はいまいち反応がよくありません。元々のおとなしい性格ですが、後で考えてみるとそれだけではなさそうです。夜間中学の課題も見えてきました。

担当者の話に印象的な言葉があります。夜間中学はできるだけ昼間の中学校と同じにするというのです。週5日登校し、社会の約束事を学び身につけることです。
この夜間中学には不登校の経験者がほとんどいないのです。生徒は活気があるのですが、Tsくんのようなタイプには日本の学校のシステムが合わなかった背景もあります。長い引きこもりの生活の後で、週5日登校が原則では尻込みしてしまいます。日本の学校のシステムからはじかれた人に夜間中学では適応を迫るのも、少し違うように感じます。
このあたりの感覚を受けいれる教員側でどこまで対応するのかは、未知数というより不安感になります。

ある外国人の生徒が本国の慣習で休んだことがありますが、原則それも認めないです。その人は日本で生活していくわけで適応する必要があるという理由です。これは見方によっては適応という名の同化策です。違いを認めて共存する方向とは微妙に違います。
外国に移民してきた日系二世・三世の人たちはもはや日本人の生活感覚は通用しないと思うことはよくあります。移民先の国で同化したわけで、その逆バージョンですが時代が違います。19世紀末や20世紀前半の移民とは違うのです。
21世紀日本の外国人は、違いを認められながら共存する方向ではないでしょうか。共存しながら融合し新しいものが生まれるのではないですか。日本社会の規則とか慣習を身につけさせるだけではスムーズではないと思います。

各地の自治体に夜間中学の設置を勧めようとお願いしたいと思ったのですが、担当する教員はかなり大変なことも想像できます。適応指導教室の教員にも似たようなところがあるかもしれませんが、もう一段上のランクの違いを感じます。

(全国の夜間中学一覧)http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…

岩手県矢巾町教委から「いじめ事件」につき返事

いじめの重大事件がニュースになっている岩手県矢巾町教育委員会より先日来お願いしている情報提供の回答をいただきました。
11月4日にFAXで依頼していたもので、同じ情報提供依頼は全国の教育委員会あてに送っている途中です(半分程度終了)。すでに回答を少しずついただいていますが、11日の夜になって矢巾町担当者からのメールによる回答を確認できました。
依頼は教育相談室、適応指導教室、それに教育委員会のそれぞれの状況や対応をお願いしています。受け取った回答は順次、サイト内で紹介します。
矢巾町からの回答では、「いじめ事件」に関連して次のようにありました。非公式の返事というところです。
<現在、いじめの重大事案に対して、「矢巾町いじめ問題対策委員会」、いわゆる第三者委員会における調査が始まり対応しているところです。
今後、第三者委員会からいじめ防止にかかるご提言を頂いたり、町の施策や学校における活動や対策も挙げて対応することとなります。>

(矢巾町教育委員会、矢巾町教育研究所)http://www.futoko.info/…/%E7%9F%A2%E5%B7%BE%E7%94%BA%E6%95%…

 

閉じこもり状態の人への接触する機会をつくる

日曜日8日の「大人の引きこもりを考える教室」では、家族からきく引きこもり当事者の状況に種類と段階を感じました。多くの人の例を引けばさらに細かくなります。
1、家族ともほとんど話がなく外出しない人。
2、家族との会話は少ないけれども外出はそこそこしている人。
3、一人住まいになり外出はするが特定の人や場には行っていない人。
4、家族とは通常の話はしているが外の人や場には特につながりのない人。
5、特定の場所には通っているが家族とは日常の話以外はできない人。
6、一人住まいで働けるようになっているが経済的な自立にはまだ心配のある人。
要約的に分けるとこうなり、各タイプの引きこもり状態について話しました。だいたいが30代以上の男性です。各人それぞれのテーマを明確にし、さしあたりの対応方法を考えあう、学びあうのがこの教室です。
派遣型の就労などをしている引きこもり経験者なども加わり内容のある場になりました。

ここでは最初の「家族ともほとんど話がなく外出しない人」の人が引きこもりの状態、閉じこもり状態といっていいのですが、それについて紹介します。
この人はこれまでの経験の中で嫌な体験をし、その思いから強い人間不信、対人恐怖になっていると推測できます。そうであると受けとめるスタンスが必要です。その体験していることを軽く見ては何も始まらないでしょう。人と接触することはそれだけで恐怖がありストレスです。医療者に出会うことも必要レベルかもしれませんが、それも対人恐怖になります。
家族から聞くと1年ごとに火災警報器の点検があり、去年は自室から逃れて風呂場にいたそうです。その点検日が近づいています。給湯器も古くなって新しくしなくてはならないかもしれません。こういう家族ではどうにもできないとき、当事者は外から入る人を歓迎はしないけれども拒否もしない人が多いようです。
これは家族以外の人が家に入ってくる機会です。この方法を生かして「できるだけ“侵害”しない形で接触する」機会をつくるように提案しました。これは非常にゾーンの狭い接触ルートですが、抵抗感の少ない方法を探すヒントです。私は訪問活動をしてきた経験からどういう接触方法があるのかを話しました(ここでは「教室」で話したこと以外にも言及します)。
外から人が入る場合は自室に入り出てこないことが多いのです。「おじゃまします」という部屋の外からのあいさつ、「おじゃましました」という退去の連絡は静かにすることです。大きな声はそれだけで威圧的になります。静かに話していたはずでも「大声で怒鳴っていた」と感じるものです。
自室は“聖域”ですから入ることは“侵害”と心得ましょう。とはいっても、あいさつのとき「入ってもいいですか?」というと、内から戸を開けたり、うなずいてOKしてくれる人もいます。無言でいるときは了解していないのですが、姿を見ていれば瞬時に話の糸口を見つけられれば入ってもいいと合図をされることもあります。それらが基本であると理解したうえで、“聞く機会”をつくるために、入り口のところでその時、その場で思いつく声かけをします。話をするためではなく、話を聞くために会うのが基本です。
自然な声かけができなければさっと撤退し、次回を期します。「無理押ししない姿勢を」そこで表すのです。それを貫くと、次回以降には少し話せることがあります。声をかける自分の方が「観察され評価を受ける人」なのです。家族から様子を聞き、当事者の振る舞いや表情を見てどういう言葉から“聞く機会”にできるのかを考えるのです。

先日の「大人の引きこもりを考える教室」では、最初の人の例をここまで詳しくは話していません。引きこもりの状態の理解は、状態に困難を感じる人ほど深い理解が必要です。自分の子どもの場合もそこまで掘り下げて理解できるヒントになると私は信じています。

〔大人の引きこもりを考える教室〕http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%… 

 

吉賀町教育委員会から「不登校に関係する取り組み」の回答

教育委員会への情報提供依頼を始めました。依頼先は市区町村の教育委員会でおよそ2000か所になります。今月中には一通り終える予定ですが終わらないかも。
依頼内容は3つあります。①教育相談室、②適応指導教室、③その他の不登校に関係する取り組みです。
③の「その他の不登校に関係する取り組み」は先日の事務作業グループの企画会議で出されたうち、不登校に関係する項目に絞って(?)依頼文に加えました。それは次のようになります。

< 次の動きや検討がありましたら、1項目でもいいのでお知らせください。
①スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを導入している(全小学校・中学校か?)
②不登校生への訪問援助・同行援助を始めた・検討している(メンタルフレンドなど実施しているところは方法や条件をお知らせください)。
③いじめ対応策として地域社会との協力などの具体例を教えてください。
④中学校における校則・制服の改善、生徒手帳の扱いを変えている(実例を1つ)。
⑤いわゆる中学校の「形式卒業生」への対応を含めて夜間中学校の設立、または関連する動きがある(公立夜間中学校の設立、対応する教職員の募集など)。
⑥障害児・生徒への通級学級への対応を変えつつある(全小学校に設置しようとしている自治体があります)。
⑦発達障害児童・生徒のための特別学級の設置を始めた・検討している(県立高校でそのような学校が生まれました)。
⑧子どもの教育費支援の方法(学習塾の費用援助も含む)として、市町村独自の対応が始まる・検討している。
⑨県立高校では昼間定時制ができています。市立高校でもこれに準じる動きはありませんか(不登校生受入れを標榜する公立中学校もあります)。
⑩これ以外の動きなどがありましたらお知らせください。 >

11月4日に数県を選び一斉送信をしました。昨日、島根県の吉賀町教育委員会から最初の回答がありました。教育相談室と適応指導教室のものはなく(もしかしたら両方とも存在しない?)、「その他の不登校に関係する取り組み」について2件です。

(吉賀町教育委員会)http://www.futoko.info/…/%E5%90%89%E8%B3%80%E7%94%BA%E6%95%…

Eakkasネットの交流会で東京芸術センターへ

今日、11月6日の夜、足立区北千住でEakkasネットの交流会(第2回)があります。
Eakkasネットは「都内東部エリア・不登校親子応援ガイドブック」を制作したグループです。連絡によるとこのガイドブック1500冊は底をつき、増刷中とのこと。書店販売以外での1500冊はかなりのものです。
来年3月13日に悠々ホルンさんのライブと広木克行先生の講演を企画中です。

会場は東京芸術センターです。同じ建物に足立若者サポートステーションがあります。交流会の前に寄ってみるつもりです。事務作業に来ているEdくんがここの登録メンバーで、今日の事務作業は休んでサポステに来ることになっています。時間的にはEdくんとはすれちがいになります。

ゲーム、パステル、カフェの日時を確認します

11月のゲーム交流会は11日(水)の4時過ぎからです。
担当の三田くんが年末近くなると忙しくなり、11月の後半からそういう状態になるそうです。それで今月は前倒しの11日になりました。
もう一つ変えたことは参加費を無料にしました。
ゲームの内容はいまさら言うこともないかもしれませんが…ネット・パソコンではなくカードなどを使うアナログゲームです。
これまで1度でも参加した人はまた来てみてください。初めての方も歓迎です。

パステルアート教室は、11月14日(土曜日)1時から。
セルフサービスカフェは11月19日(木曜日)3時から。

「はてな」ブログにネットのルールについて投稿

2015年10月12日「I・Mくんへの手紙――実名を発表する予定」を載せました。これは10月2日付で送ったI・Mくんへの手紙とその背景説明です。実名の発表は11月に入ってからI・Mくんのネット上での書き込みに即して行うことを告げました。
11月3日現在、I・Mくんのネット上の書き込みは継続しているのを確認しました。
そこで「ネット上のルールを考える機会をつくるための提案です」という投稿を載せました。場所は「はてなダイアリ」のブログ「ひきコミWEB版」です。数年前に設定し今は使っていないのですが、再利用しました。第三者が運営するサイトであり、I・Mくんの書き込みがあります。それに即した提案です。
なお、10月2日の私の投稿についてコメントがありました。はてなダイアリへの私の書き込みはこのコメントにも答えるものと考えます。以下に10月2日のコメントを公表します
 
< 第三者として私見を述べさせて頂きます。
ネット上のlM氏の発言については、元利用者の一つの意見、感情の吐露として読まれており、十分な反論を行なえば、必ずしも貴センターに対し読者が深刻な誤解を抱く原因にはならないのではないかと想像します。
仮にネット上で犯罪が行なわれているのだとしても、サーバーが有害情報の削除要請に応じ、あるいは公的機関が加害者の処遇を判断する前に被害者が加害者のプライバシーを公表することは人権問題に抵触しないでしょうか。
松田様の場合は支援団体の理事長という公共性の高い立場にあり、なおかつご自身の意志で実名を公表しているのですから、元利用者との公平性は、加害者のプライバシー公表の根拠としては弱いのではないかとも思われます。
貴センターが 脅迫行為の加害者ととられかねない対応をされる前に、ぜひご一考下さい。>

〔はてなダイアリの投稿ページ〕http://d.hatena.ne.jp/hikikomiweb/#edit_in_place