アメーバブログ〔ゴミ置き場管理人エンジの日常「求む!ひきこもり・発達障害の方〕(http://ameblo.jp/jfdsajfdsa/)に最初の書き込みがありました。おもしろくて、かなりわかりやすいです。それに笑えるのがGood! です。産業廃棄物中間処理施設の様子とブログを書くエンジくんの人柄が自然に表われています。ここならば一度行ってみようかなという人も出てくるかもしれません。
それで少し先のことですが、7月18日(月・祝日)に説明会を兼ねた交流会を考えています。目の前のエンジくんは、ブログに表われるのとは違い静かなゆっくり考えていくタイプと思える青年です。ブログの調子とのギャップにちょっと驚きです。彼は人と話せる機会をつくりたいと思っているし、一緒に働ける人を探してもいるのです。ブログを見てください。
月別アーカイブ: 2016年6月
保育園児の忘れ物をめぐるミニ事件
ひきこもり当事者が社会参加するための社会的条件の現在
以下は昨日6月12日「大人のひきこもりを考える教室」でのレクチャーテキストです。いくぶん加筆しました。
最近の不登校情報センターに届いた案内です。…
(1)Re:Homeアカデミー:(チラシ参照)手伝いから始める就労支援の場合。
(2)産業廃棄物中間処理施設のKくんの場合:ブログ〔ゴミ置き場管理人エンジの日常「求む!ひきこもり・発達障害の方〕(http://ameblo.jp/jfdsajfdsa/)を始める。
(3)ストレス解消法を学ぶ講演会:(チラシ参照)
(参考)不登校情報センターの居場所ワークの場合。
ひきこもりから社会につながる方法・過程は、いろいろな方法があります。ひきこもっている本人の状態により、また家族などの周囲の環境条件によりどれがいちばん適合するかをさぐります。初めから答えがあるのではなく、本人の状態を見ながら探し加工し、適合できる状態にします。
この探す過程、自分で行きその場に入ること自体が一つの実際の体験です。出来そうなこと見つけて試してみる。初めから上手くいくことは少ない。うまくいかないことや失敗も欠かせない貴重な経験です。しかし無理をしてはゼロまたはゼロ以前に戻ります。状態にあったできそうなことを重ねる。大事なことは完成した方法を当てはめることではなく、本人の状態に合わせて加工すること、カスタマイズ(自分仕様)することです。
現在、社会的にできつつある状況は、このひきこもり状態に適合しそうな条件が少しずつ整ってきたことです。学者や行政職による机上の理想的なプランではなく、ひきこもり当事者と接触点を持つ人たちがその条件に即してつくる地道なものです。
(1)上にあげたのはRe:Homeアカデミーと産業廃棄物中間処理施設および不登校情報センターの居場所ワークは、居場所的な要素を持つゆるい対人関係・就業体験のできる場です。
(2)初歩的な対応レベルでは訪問が必要です。初歩的というのは容易ということではなく、この場合は難しい面があります。その訪問・同行活動の取り組みは遅れています。KHJ親の会でピアサポートをすすめようとしています。トカネットの訪問活動は不登校から高年齢の人を対象にしたものに広げています。一部の社会福祉協議会などの取り組みがあります。
しかし訪問活動のこれらの動きは局地的・限定的で大きくは広がっていません。支援者は家族とともに本人状態にあったアプローチの仕方を考え工夫しなくてはなりません。
(3)当事者が集まる居場所づくりには大きな動きができました。フューチャーセッション庵に代表されます。当事者中心の居場所が広がっています。一般の支援者が関わり、ひきこもり経験者の気分・状態にあった方法を追求しています。
(4)長い視点で見れば、20年前、10年前よりは引きこもり経験者が動きやすい社会的条件「居場所的な要素を持つゆるい対人関係・就業体験のできる場」が出来つつあります。それでも大部分の真性ひきこもり状態の人にはまだ動きづらい社会的な条件のままです。この点を理解しておくことです。
手伝いから始める就労支援の場
群馬県高崎市で「Re:Homeアカデミー」を始めた岩崎武栄さんから連絡をいただきました。
「Re:Homeアカデミー」は、「自ら賃金を(バイト代程度ですが)稼ぎ、人の役に立つ喜びを体験させるため、地域の人たちの困りごとを助けるささえあい活動」をするところす。受講者は手伝いの形でかかわります。例示されている手伝いには買い物同行や荷物運び、庭木の手入れ、片付け・掃除・ゴミ出し、話し相手、料理・お菓子づくり、大工・水道・塗装など、です。
アルバイト程度の収入を得られる点では職業訓練よりも先に進んでいます。しかし、内容にはあいさつやコミュニケーションから始める対人関係や社会性訓練のようなことが含まれます。…
ひきこもりやニートにとっては、職業上の技術訓練と並んでこのような場は有効です。
「Re:Homeアカデミー」の連絡先は、電話027-386-8322(岩崎)
シドニー留学を進める阿相さんのバナー作成
オーストラリアはシドニーへの留学を進めている阿相守彦さんが訪ねてきました。
阿相さんはしばらく前にもある青年をシドニーに同行してきたところです。現地の語学学校に3か月の短期留学を進めるのです。
阿相さんが自分スタイルの留学のポイントとしてあげているのは次の3点です。…
(1)現地のシドニーに日本人の世話人Guardianがいる。
(2)日本人が経営する精神科医師がいて連携している。
(3)ホストマザーが日本人のホームステイ先がある。
阿相さんはシドニーの異文化生活体験を、この日本人ネットワークを生かして青年の精神的・社会的な成長を図っているのです。
阿相さんは高校時代にやんちゃな生活をして警察にお世話になった経験があります。シドニー留学を進めるのは自分と経験の重なる人で、女子は苦手で対象とはしていないといいます。自分にできることとできそうにないことの判断に潔さがあります。
その阿相さんの留学支援を案内するバナーを作成しました。このようにどこかの団体・組織を背景に活動している人でもそれぞれの特徴はあります。そういう人の紹介につなぐ案内にもバナーを生かしたいと思います。
ひきこもり親の会など紹介ページの充実計画
<「親の会ネットワーク」ページ群を発展させる計画案>を作成しました。
不登校、ひきこもり、発達障害に関係する親の会は多数あります。アクセス数も少なからずあります。以前から少しずつ集めてきた親の会情報です。数年前には発達障害に関係する親の会をまとめて集めました。昨年来ひきこもり家族会を普及させているKHJ家族会の情報を得た機会に、このページ全体を充実させようと考えました。
現在のページ状況でもかなりの件数を紹介しています。しかし、いくつかの点で不十分であり情報の更新と整理整頓も必要です。何よりも情報件数を多くしなくてはなりません。そのあたりを考えての計画です。
〔「親の会ネットワーク」ページ群を発展させる計画案〕
http://www.futoko.info/…/%E3%80%8C%E8%A6%AA%E3%81%AE%E4%BC%…
「仕事づくりのための個人広告」バナーを数点並べました
先月から「仕事づくりのための個人広告」という企画を進めています。引きこもり経験者が自分で何かを始めようとするときに役立つ広報用バナーです。きょう「手作りアクセサリーを販売しています♪」というトレフル・ウフさんの商品紹介ページにバナーをつくりリンクして案内しました。それに合わせて「パステル画 誰でも簡単に楽しく描けます」と「東京ゲーム交流会」のバナーもつくりました。
問い合わせ確認中がほかにもいくつかあります。問い合わせを含めて必ずしも引きこもりの当事者からではありませんが、仕事づくり・仕事おこし、内職的なアルバイトに役立つものと思います。これまでできたバナー数点を全部並べましたので、関心のある方は見てください。何かできそうな人からの問い合わせを待っています。
〔仕事づくりのための個人広告〕
http://www.futoko.info/…/%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%A5%E3%81%…
葛飾区教委の不登校対策事業にがっくり
葛飾区教育委員会が策定した「学校支援総合対策事業」を見る機会がありました。
区内には30日欠席基準の不登校生が353人います。この事業計画では、その出現率を4年後の2019年度まで毎年減少させ、適応指導教室の利用者を現状の40名から80名に利用できるように目指しています。不登校生の縮小対策と言えるものです。
具体的な方法は、①教育支援センターの整備、②拠点教室の拡充検討、③訪問型学校復帰支援、の3点が重点施策です。一般の小学校・中学校における不登校対策は見当たりません。
学校は微動だにせず子どもが学校に来るようにする取り組みです。不登校の子どもが提起していることは、これほど受けとめられていないのか。いまに始まったことではありませんが、唖然とするほどです。
過去30年の間には、適応指導教室ができました。大検資格が高卒認定資格になりました。高校卒業に必要な単位数が減少し夜間定時制も3年で卒業できるようになりました。昼間定時制高校もできました。夜間中学には不登校のまま中学校を卒業した生徒が入学できるようになりました。そのほかいろいろありますが高校中心で、小学校・中学校および高校の中核部分は変わりません。私はその部分を「微動だにせず」と表現しました。
不登校の問題の解決・解消とは、不登校の子どもがすべて学校に通い始めることによって実現するとは思えません。子どもの自立過程が現在の学校制度だけで保障されるのではなく、子どもと家庭、社会の状況に応じて多様に用意されることです。不登校の子どもが行為・行動で表していることは現状の学校への改善要求です。
学校側の、文科省や教育委員会の不登校対策にはそういう視点が全く感じられないのは驚くべきことです。不登校の原因は家庭・家族にある、本人の性格・気質にある…から学校としての対応策はないという意思を感じます。学校外の教育施策をすすめるのです。
私はこれを硬直的に言うつもりはありません。学校単独にはできないことは多いからです。それにしても、子どもの提起していること、民間で生まれている事態にあまりにも鈍感なスタンスはあきれるほどです。
上の3つの重点施策を民間で生まれていることに当てはめれば、教育支援センターはフリースクールの、訪問型学校復帰とはメンタルフレンドを指すのでしょう。拠点教室の拡充とは区内に1カ所の教育支援センターを複数にするということでしょう。それは認めていいのです。肝心の小学校はどうするのか、中学校はどうするのか、それがありません。
不登校の子どもは学校で得ることがなく不登校になっているのに、小学校・中学校における不登校対策はない。これが「微動だにせず」の意味です。学校は空洞化していませんか。学習面は進学塾や補習塾に任せ、生きた友人関係づくりや社会を学ぶ機会は担任教師任せになっている。「学校支援総合対策事業」を見て思うのは、書かれていることよりも書かれていないことの重要性です。
以前にこの点を書いたものがありますので、2点紹介します。
◎不登校・引きこもりの解決とは社会にある問題全体の解決に重なる(2014年1月27日)
http://www.futoko.info/…/%E4%B8%8D%E7%99%BB%E6%A0%A1%E3%83%…
◎不登校問題はいつまで続くのか(2012年12月17日)
http://www.futoko.info/…/%E4%B8%8D%E7%99%BB%E6%A0%A1%E5%95…/