相談を受けたら途切れずに支援につなげる取り組みが重要

ヒューマン・スタジオの丸山康彦さんと意見交換しているなかで相談援助の役割を聞くことができました。丸山さんは神奈川県藤沢を拠点にひきこもりの支援活動をしています。
丸山さんの相談援助では、発達や精神の障害の有無や影響の大きさに関わりなく「ひきこもり状態」ということで横断的に相談を受けています。発達障害の相談、精神障害の相談という縦割りではありません。相談に加えて家族会や訪問活動まで含めて、ひとつの独立した相談援助の方法です。これらは不登校情報センターの取り組みと類似しています。

丸山さんは家族相談だけで本人が動き出すことを何人も経験しています。相談援助が軽視されていることがひきこもりの長期化の一因ではないかとまで言っています。わが子がひきこもり状態になった親御さんがとる最初の行動は「相談すること」だからです。
それなのに「支援につなぐための相談」として対応される、すなわち最初の相談した後は他の支援セクションに回されることが多いです。そういう相談活動ではうまくいきません。
その意見も私とだいたい同じです。本人または家族と一緒に役所などの関係機関に同行することがあります。これは不登校情報センターだけではなく丸山さんにもあると思います。
しかし、他の支援セクションに直接に引き継がない紹介は「親御さんも本人も安心できない」と言います。私の予測はそういう方法ではほとんどが支援機関との関係ができないまま途切れます。
丸山さんは相談援助から途切れないで支援活動につなげる重要性を述べました。この視点から、私の相談活動・相談援助を意識して見直してみようと思っています。

なお不登校情報センターは、保健所、精神保健福祉センター、社会福祉協議会にお願いして相談活動等に関するアンケート調査をしたことがあります。この調査をこの機会に読み直して現状を確かめるつもりです。

〔保健所と引きこもり〕
http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…

〔精神保健福祉センターと引きこもり〕
http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…

訪問活動の実績を件数から評価されていると感じたTnくん

ひきこもり最中のTnくんからSOSの電話がありました。この中で飛び出した逸話を紹介します。
Tnくんは行政から委託を受けたある福祉団体からときどき訪問を受けています。この日もその訪問予定の日だったのですが、昼過ぎに担当者が顔をのぞかせて「急用ができたので今日は取り消し、次回は2週間後になります」と言って帰ったそうです。
Tnくんは「これを話そう」と待ち構えていたのですが立ち消えになり、イライラして私の方に電話を回してきたのです。
この様子をやり取りするうちにTnくんから2つの疑問が出てきました。
①担当者は取り消しをなぜ携帯電話で連絡をして来なかったのか――番号を伝えているに携帯を使わなかった理由は信じられないものでした。
②もう1つの疑問は、この日はとりわけ短い“訪問”だったのですが、いつもの訪問も15分から20分ぐらいで、どういう目的で訪問しているのかよくわからない――。
この疑問から合理的に出てくる1つの“解”は「訪問件数が実績になる」というものです。短時間の取り消し連絡も訪問件数にカウントされていると感じたのです。感性の鋭さと経験から推測できる答えです。
行政はこの福祉団体の取り組みを件数により把握しているレベル、と理解できます。

この状況を評価するには多くの面に触れなくてはなりません。
訪問活動は(件数ではなくて)内容から評価しなくてはなりませんが、これを本格的にできるような訪問活動は、特にひきこもりへの訪問活動はかなりのレベルの高い活動との交流がないと意味がつかめないと思います。私は件数による実績評価を認めないのではありません。形骸化させてはならないのです。しかし、現在の全般的な訪問活動のレベルはまだ低調であり、経験交流などを通してレベルアップを図らなくてはなりません。私なりの予測では信頼関係と傾聴力が大事になると思います。
また訪問時間が短くなるのがすべて否定的に考えられるわけではありません。少なくとも訪問先の相手の状況により時間の長さの良しあしは判断するのであって(ストレスの程度が強い、体調からみて離れた方がいい)、訪問者側の事情によらないことです。
多くの面を書いていく必要は感じますが、以前に書いてきたものもあります。下に代表的なものを紹介します。この日のテーマ「件数」に関することはこれからも考え発表します。

〔ひきこもり生活者への訪問活動〕(①~④)
http://www.futoko.info/…/Center:2008%E5%B9%B48%E6%9C%88%E3%…

現場の実践者と当事者の取り組みを反映させたい

全国若者・ひきこもり協同実践交流会の準備のために忙しくしています。
私は居場所がテーマ、藤原さんは訪問活動がテーマですが、他にも声をかけていくなかでロビー部などいろいろな方面に広がります。
すでに10名ぐらいの方の声をかけています。まだ確定している話ではないですが、ネットを使う取り組みを発表できないか、悠々ホルンさんはロビーで何かできないか、引きこもりの相談窓口の人の対応のしかた(窓口相談における引きこもりへの対応?)…など。
中心は、現場の実践者と当事者で動き出している人の取り組みを反映させることです。

ゴミ捨て場をめぐる状況

往来の上をカラスが数羽行き交いし、電線にも留まっている。
家から出かけるときに気になっていた収集場のゴミの散乱がなくなり、道路の片隅に集められていた。
30分ほどして戻るとき、ゴミが散乱したままなら片づけるしかないと思っていたが、どなたかがカラスのシワザを処理してくれたようだ。
こういうと犯人はカラスのようになるが、実はヒトも加担していて、こちらの方が難問だ。
分別されていないし、捨てるゴミを袋に入れていない。カラスの“犯行”はここを衝いたものだ。カラスにはエサを探し出す好条件が与えられていた。
ゴミ捨て場に好ましからざる状況が発生して2か月ぐらいになる。
ゆっくりと平穏に対処してよくはなっているが、まだ合格点ではない。「ピンチはチャンス」という最後の手段はまだ出る機会がない。もうしばらくこの状況は続くみたいだ。

上尾市のお店に毛糸小物&フェルトスイーツを出品

ニット作品などの手芸品製作をしている<スピカ西山>さんからの連絡です。
<10月は以下のBOXで、毛糸小物&フェルトスイーツを出品します。
小さな店ですが、他にも色々あるのでお立ち寄り下さい。>
出店するお店は埼玉県上尾市のあぴっと(情報・賑わい発信ステーション あぴっと!)です。
所在地・連絡先は、埼玉県上尾市宮本町3-2-207(TEL048ー871―7660、URLはhttp://apitto.com/)。営業時間:10:00~19:00、定休日・月曜日。

通信制高校の新しい傾向

この25年間の通信制高校の質と量の変化には大きなものがあります。
不登校生や中退生を積極的に受け入れることによって、それまでの通信制高校とは大きく変わりました。特に広域通信制高校(82校ある)はその中でも大きな役割を持っています。
通信制高校の数も3倍ぐらいに増えましたし、その周辺にある学習センターやサポート校を入れると千校を超えると考えられます。
その一方では旧来型の通信制高校のいくつかが姿を消しました。
もうひとつ新しい傾向があります。通信制高校が不登校生や中退生の受け入れに限らない性格を持ってきている点です。
数年前にある通信制高校から、不登校情報センターのサイトから削除してほしいという依頼がきました。それまでは通信制高校は不登校生の受け入れ先として先方から個別の紹介情報がない場合も、都県単位のところには学校名と所在地や電話番号だけは掲載していました。申し出はこの掲載の取り下げでした。
同じ事態が続出とはいえませんがその後もいくつかありますし、各校の個別紹介の情報提供があまり増えない理由とも考えられます。
その1つの理解のしかたはこうです。不登校生や中退生の受け入れに限らない通信制高校の方向を意図的にめざすものです。以前はスポーツや芸能活動をする生徒の受け皿的なものかと考えていたのですが、さらに一般的な生徒を受け入れようとしているように感じられます。高校卒業資格の取得という目標を超えて、大学進学を目標とする通信制高校もすでに生まれています。
もちろんこの動きは通信制高校の動きの中ではわずかなレベルだと思います。しかし、時の経過とともに大きくなっていくと予感します。

〔通信制高校群の拡大と広域通信制高校=2014年4月16日〕
http://www.futoko.info/…/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E5%88%B6%E9%AB…/

児童相談所のポータルサイトに向かっています

メーリングリスト「なくそう! 子供の貧困」ネットワークに送られてくる情報をその気になって整理し始めて3か月目になります。
整理しながら集まる情報の構造づくりをしているのですが、なかなか難敵です。
そのなかでも虐待に関する記事が多く、担当する児童相談所の情報がいろいろな形で入ってきます。
こちらの情報整理の基本は、できるだけ固有名詞に即してページ名をつくろうと考えています。といっても事態はこちらの思い通りに展開されているわけではありません。
固有名詞と並んで多くの一般名詞も入ります。そこで混乱というか、社会の複雑な様子を文字にする、分類することの難しさを感じるわけです。完全なものはありませんから、少しでも探しやすく、作りやすく…あたりが目標になります。
途中になって振り返ってみると、児童相談所のポータルサイトづくりに向かっていると気づきます。これがあるレベルになれば、他の事項(保健所とか教育委員会など)にも活用できると見込んでいるところです。
新聞や雑誌の見出しは必ずしも名詞ではないので、難しいものをどう分類しているのかに逆に関心が向いてしまいました。

〔児童相談所の関連ニュース=まだ途中です〕
http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…

フューチャーセッション庵に出かけます

きょう(2日)は午後から中目黒のフューチャーセッション庵に出かけます。
目的は、来年3月予定の「全国若者・ひきこもり協同実践交流会」の企画メンバーの募集です。予定では2人に話したいと思っていますが、さてどうなることやら…。Sくんに紹介をお願いしました。
しかし、会報『ポラリス通信』30部くらいは持っていくことにしました.そのために朝から印刷作業をしました。