夏休み明けから子どもが学校にいけないという相談があります。例年繰り返されることですが、今年も例外ではなさそうです。
子どものこういう状態を少しは予想できる人、内心はらはらして事態を注視している人などですが、なかには突然のできごとに戸惑う人もいます。
先日はお父さんから高校生の男子の「突然行かなくなった」パターンの相談がありました。「どうしたのか? どうするんだ?」と問い詰めると「なぜ勉強するのか意味がわからない」「なにもかもダメなので死にたい、生まれてこなければよかった」という返事が戻ってきました。お父さんは「元の鞘に収める」つもりでしたが、立ち往生のようです。
結局「説教は空振り」になったのですが、私にはこの空振りはそれでもよかったと思います。気づかない、無視するのがいけないわけです。次にお勧めでないのが、命令口調の「学校に行け!」です。お母さんが無理やり一緒に学校に連れて行ったようですが、教室には入れずに戻ってきました。これも一度くらいなら最悪ではないかもしれません。
「空振りでもそれでもよかった」のは、子どもが不登校のときに親が真剣に対応する姿勢があるからです。そこにこの時期の子どもとの会話、子どもの気持ちを理解しようとする糸口が見えます。
子どもの不登校には、どのタイプに関わらず対人不安と人間不信、そして自己否定感がまじっています。それを不登校という子どもの表れを通して子どもの抱えている心の悩みを理解していけるのです。「わかった!」ということはないですが、わかろう、理解しようとする姿勢が子どもを安心させ、勇気づけます。
具体的には何をするのか、何ができるのかはきわめて個別の事情によります。進路相談会(9月25日、セシオン杉並)でも相談をしていますので、可能な人は来てください。他の方は電話予約(03-3654-0181)の上、相談に来てください。相談全般についてはこちらを参照してください。