学校案内書集めから思う

進路相談会のための学校案内書が届いています。それらを見ながら感じることです。

高校を卒業した後の状況は、(1)進学(大学、専門学校など)、(2)就職、(3)職業訓練(これには必ずしも職業訓練校ではなくパソコンの資格教室、語学学校、演劇・芸能・美術なども入り進学との境界が低くなっています)、それに(4)無職(家事手伝いなど)になります。

このうち無職・無業者の割合が年々高くなっています。これには就職難という事情も関係しています。就職はアルバイトやフリーター的な非正規就労者の割合が大きくなりました。聞くところによるとアメリカが日本の終身雇用制に異議を申し立て、それに悪乗りした人たちがいたようです。これが非正規就労が激増した背景にあります。

高卒後の無業者的な人の受け皿が生まれるのを、私は数年前から期待し始めてきました。特に文部科学省調べで通信制高校の卒業生の4割が無業者である現実を知った時はその念を強くしました。2年ほど前はそういう学校づくりの話もあったのですがいまは聞きません。

(1)学校案内書の集まりから見ると、これに対応するものは見当たりません。むしろ高校以前の中学教育に対応を広げようとしているようです。すなわち中等部の設立傾向がいくつかに見られます。

(2)もう一点は、専門学校の弟妹格にあたる高等専修学校が教育機関としての条件・状態を向上させているように思います。知識偏重型に対して生活技術や社会生活に実際的なものを身につけようとする意識が高まっているのかもしれません。基礎基本に目を向けたものはしっかりしたものになりやすいと思います。

「事務しごとのレッスン」少々

「事務しごとのレッスン」の案内を何人かにニュースにして送りました。
週1回か2回、2時間か3時間くらい来て、事務作業を手伝うような気持ちで取り組んでほしいというものです。パソコンによるサイト制作を主に男性に呼びかけるとすれば、事務しごとは主に女性に呼びかけるものです。

数日前に、そのうちの一人から連絡がありました。と言ってもご本人からではなくお母さんからでした。たまにしか外出しないので、このあたりのことがちょうどいいのかもしれないと思ったようなのです。外出する機会、外出するときの行き先、外出の回数として無理がない、そのへんを確認するつもりの連絡でした。

当事者の女性は前に一度センターに来たので話したことがあります。お母さんの話をききながら、改めて「事務しごとを手伝ってもらうつもり」の外出機会、人との接点を少しずつつくる場にできるのではないかと思っているところです。
はたして彼女は来るようになるでしょうか。