相談者リストがなぜそんなにあるのか?

来年の1月末に学校案内書などを、不登校の体験者などにDMにして送る企画を準備しています。そのために不登校や中退者を受け入れている学校やフリースクールにこの企画に参加するように案内をしています。
ツイッター上でこの名簿はどうして集めたのか、フリースクールから質問がありました。不登校情報センターの日常活動の一端を伝えるいい機会なので、やや詳しく説明いたします。
名簿〈リスト〉集めという感覚でこの取り組みをしているのではありませんが、なるほどそう見えるのかという気分です。
リスト集めとして見ると2種類あります。1つは相談者等のリストであり、もう一つは受け入れている学校等のリストです。後者は周知のことのようですが、どこが受け入れ校なのかは整理しておかなくては答えられないものです。情報センターとはそこが中心になるのかもしれません。ここではリストに関わるこの両面を説明します。

相談者等のリストがどうしてこんなにあるのか。一言でいえば、それだけの人が相談等のために不登校情報センターに関わったということです。
といっても7、8年前から見ると3割ぐらいは減っています。最大時は1万人を超えていました。2002年ごろまでは文通誌『ひきコミ』が月刊で市販されていました。『ひきコミ』購入の申し込みとともに相談や相談先の紹介依頼がありました。
リストはそれだけではなく日常の相談活動、進路相談会への参加者からも追加されました。電話相談によるときは、お名前や住所を教えてくれる人は半数程度ではないかと思います。それでもその数は少ないとは言えません。記憶の範囲ですが年間1600人をリストとして追加したこともあります。

その一方、名簿の削除もズーッと続いています。『ひきコミ』の市販が終わった後は大量のリスト追加はありませんが、上の状況のため毎年数百人の新規リストが加わります。その結果、8年たった現在は3割減の7000人余になるのです。おおよその見当では設立後の15年間で不登校情報センターに関わった人は2万人ぐらいになります。このような経過からして私は必ずしも直接の支援者として関わった人ばかりではありません。

DMを現在のような形で取り組み始めたのは、関わっても不登校情報センターではほとんど何もしていない、各地でそれぞれの考え方や方法で取り組んでいる人につないでいけないかと考えたからです。
相談に来られた人についても、何らかの展開があるのは相談後すぐとは限りません。しばらくした後のことも少なくありません。それは支援者なら体験的にお分かりのことだと思います。
ときおりDM等を送り、学校案内書だけではなく不登校情報センターの取り組み状況、いろいろな集会情報、アンケートなども送りました。私自身はこれを“ご機嫌うかがい”みたいなものと考えています。そうするとまた何かを尋ねてきたり、ほかの学校や支援者をつながっている状況が伝えられることもあります。学校に復帰した、進学をした、就職をした…という事情も分かります。そういう追跡調査の意味もあります。
総じてこのDM発送自体が、新しい進路の提示であり、おかれた状況を考える刺激策であり、経過調査になるのです。不登校情報センターの取り組みとしては貴重なものです。

一方、不登校等の受け入れ側の学校等の調査も欠かせません。ただ今回は長くなったので、一旦ここで打ち切り、次回にします。