引きこもりの2つの高齢化問題

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高齢化し年金暮らしの親の元で、働くに働けない高齢化した引きこもりの問題が徐々に浮上しています。これを「二重高齢引きこもり」と言いましょう。

人間の成長にはそれに適した時期というものがあり、その時期をとらえそこねると、数倍の努力と苦労を重ねても、取り返しがつかないものがあります。
高齢引きこもりとはそのような面があり、20代後半から始まります。
これらの人は往々にして、いじめの被害者であり、虐待の被害者であり、競争社会がますます過当になるなかでの被害者です。
この状態にはならなかったがこれに近い人は少なくはないでしょう。
社会でそれなりに生活条件を確保してきた生活者が、自分のことに関心を集中しその横で発生している“異常”を見過ごしてきた“つけ”が回ってきたとも言えます。

働けない高齢化した引きこもりを、“怠け”とか“意識が低い”などと見ていては、事態になんらの改善変化はありません。
年間の自殺者が何年にもわたり3万人を超える状況の異常さを、異常と思わなければこの事態はさらに続きます。
引きこもりの2世代の高齢化は、このままではその条件に突き進みかねません。

不登校情報センターでは30代40代の引きこもり経験者が、現状から一歩前に進むためにあれこれのこと(例えば)を続けてきました。
ですが時間との勝負がますます明瞭になっています。
親が高齢化するなかで、これからどういう人生が開いていくのか。
私が相談を受けた最高齢は父親が80歳・母親77歳、子どもは54歳です。
引きこもる子どもが40代になる、親は70代になる……全国でこの状態になる人はますます増えています。
社会として、公共として、行政として、多面的な対応を必要としています。

自動的に「生活保護」制度の活用に向かうのは本意ではありませんが、他に活用すべき制度がないのも問題です。
例えば、私は2010年8月に「「ハーフタイム就労制」の提唱と積極的な可能性」というのを考えました。
その人の働ける条件に応じて、それを認め、それで生活できる社会的条件をつくる制度の設立です。
それで全部が解決するわけではありませんし、私の提案を最適とするのでもありません。
何らかの対応が必要であり、その一案になりえないかという意味です。

そのなかでの「生活保護受給」を制限しようとする風潮がつくられようとしています。
雇用の不安定化と巨大企業に偏った富を保護する仕組み、国民の収入の減少と貧富の差の拡大。そういう背景には目を閉ざして周りの小さな違いに目をむけさせ争わせる。そういう政治はおかしいと思います。
そういう方には政治家をやめて井戸端会議屋さんをお勧めします。

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