不登校情報センターの組織面で、いろいろな検討と対応を考えています。
(1)NPO法人(特定非営利活動法人)はやめます。既に手続きを開始しています。東京都所轄ですが、法務省所轄の登記所で行います。いったん登記所に出向き、そこでもらった書類を東京都に提出し、もういちど登記所で手続きをするというものです。かなりの時間を要します。
(2)親の会は存続しますし、居場所(当事者の会)も存続します。親の会はトカネット親の会から続く十代・二十代の親の会と二十代後半以上の「大人の引きこもりを考える教室」の2系列あります。これらが別の会になっています。重なるところもあり、組織としては1つにします。そのうえで運営を別にする方向です。
(3)親の会はKHJ家族会(全国KHJ家族会連合会)に入る(=支部になる)可能性から考えています。予備的な話はしていますが、近くKHJに出向いて話す予定です。家族会ですから、ひきこもりの家族が代表者になるのが条件のようです。
不登校情報センターの情報提供活動、訪問サポート部門、相談活動、居場所での仕事づくりは、KHJの枠組みにはなさそうで、支部の独自活動になるはずです。KHJには全国大会や関東圏ブロックのような地域的な枠を大きく広げる活動面もあります。
(4)さらに賛助会員制度もあるのですが、これという役割はないので廃止します。
(5)会報『ポラリス通信』の扱いも組織面を考える一つです。訪問サポート部門トカネットの会報を不登校情報センターの会報にしています。それは支障ないのですが、会費がなく送付していますので、購読制にしたいと思っています。しかし、事情を考えると一律にはいきません。不定期読者(会員外で購読料の支払いがない人対象)もありとする予定です。
不登校情報センターの会計年度は7月1日から、翌年6月30日にしています。ちょうどその時期でこれらをまとめて考えることになりました。
「不登校対応セミナー」カテゴリーアーカイブ
“休戦協定”と不安解消のことば
ひきこもって家にいる人にとっては、「何時から学校に行くんだ」「そろそろ働きに行ってもいいころじゃないか」と親から追及されるのは嫌なものです。とくに自分でもそうしたいのにできないでいると思う人にはウザイのです。
家族と顔を合わせなければならない食事時になると、そういう言葉がいつ飛んでくるかわかりません。目を合わせないように急いで食べる、自分の部屋の持って行って食べるというのはその防衛策です。
親の方もひきこもっている子どもから何とか早く学校に行くとか、働きに行くという言葉がほしいのです。いつこの種の言葉が飛んできてもおかしくはない状況です。
これは精神衛生的にもいいことではありません。ここは“休戦協定”を提案してはどうでしょうか。
子ども側から提案するときは「(学校に行ける気持ちになるまで・働こうとなるまで)どうしたいか決めたら自分から話すので、それまでは待っていてほしい」と告げることです。
親から提案するときは「どうするかあなたの答えを待っている。それまでは注文を付けないからゆっくり食事をしなさい」というようなことがいいでしょう。
こう並べて見ると子どもからの提案は親から催促を受けやすいことがわかります。自分から言っといて後はなしのつぶて……と思われやすいのです。いい提案のしかた、話し方を工夫しなくてはなりません。
ともあれ親から提案するのが効果的です。これが“休戦協定”です。
ところが親からこの“休戦協定”は破られやすいのです。早く結論を出して動き出してほしいからです。そう簡単にいかない事情はわかっていても親はそうしがちです。
理由は親が不安になるからです。その不安を解消するために何かの答えを欲しいのです。親はしんぼうづよくないとつとまりません。
それに加えて、親として何もしないでいるのではないかと心配になります。周囲の人からそうは思われたくないがために「しょっちゅう言ってはいるのですけれどね」というアリバイづくりをする人もいます。要するに親の不安解消や周りから言われたときに何もしていないのじゃないという言い訳づくりのためにひきこもる子どもを追求し、何らかの反応を得ようとするのです。これは子どものためではなく、親のためのことばです。
“休戦協定”を提案し、時間をかけてゆっくりとことを進めます。数か月してから「あれはどうなった」ときく、数回繰り返したら「期限を決めてあなたの考えを聞かせて…」という具合です。その先に親側からの「ひきこもる子どもにできそうな提案」が考えられます。その提案にはいくつかの方法がありますが、子どもの状態によります。比較的多いのは、外から誰かに来てもらう方法です。この提案は(個人差はありますが)子どもが自分で考え、迷い模索し、提案を受けとめ、心のうちで咀嚼する時間が必要なのです。(つづく)
5月28日の不登校セミナ-のなかで感じたことを書きました。終りの方は要点だけなので詳しく書く必要がありそうです。
9月のスペース予定の変更と追加をお知らせします
9月13日(日)1時~ 大人の引きこもりを考える教室。
9月17日(木)3時~ セルフサービスカフェです。新しい参加者を募集します。
9月19日(土)1時~ パステルアート教室。新しい参加者を募集します。当初の予定は12日でしたが、1週間ずらします。
9月23日(水・祝日)4時過ぎからゲーム交流会をします。
9月20日は講演と対応策「引きこもりから仕事についた人との交流会」を開きます。
9月26日(土)1時~ 不登校・ひきこもりの親の会。
9月21日(月・祝日)には亀戸のカメリアホールで進路相談会(1時30分から)をします。
問合せなどは不登校情報センターにメールか電話をしてください。個別の相談や訪問も入りますから、連絡にはすぐに出られないこともあります。
あす不登校対応セミナーを開きます
中止の予定であった不登校対応セミナーを明日11日(土)午後1時から急遽開くことにしました。担当の藤原さんはいませんが、田中登志道さんと松田が運営します。
連絡できない人には申し訳ありません。不登校の中学生、高校生のいる方が参加対象です。急に決めたことなので参加者は少ないはずですが、いろいろな事情があっても定例化したものはなるべく欠かさずに継続をしていきたいということです。
場所は、不登校情報センター(江戸川区平井、JR総武線「平井」南口5分、TEL03-5875-3730)。参加費は500円です。
なお、あさって12日(日)の大人の引きこもりを考える教室は予定通りひらきます。新しく2人の方が参加する予定です。
不登校の子どもと親の思いはなぜすれ違うことがあるのか
不登校セミナー(12日)は参加した親たちに深刻ななかにも“熱さ”があります。
親の思いと子どもの状態の差が特に大きいように思います。親には子どもへの愛情と期待、動機付けや条件づくりの一生懸命さが表面に出てきます。それが“熱さ”と感じる素なのでしょう。
対する子どもは動かない、テレビ・パソコン・まんがに浸る生活です。この子どもの生活や状態は親から見ると「何も考えていない」「(いま必要なことを)何もしていない」と映るのです。
子どもに必要なことは、自分のペースを取り戻し、自分を知り、自分でそれにあった進み方・生活の仕方を考えることです。すぐに答えがわかるようなものではありません。まず休みます。その空白時間をテレビ・パソコン・まんがに浸ります。……子どもが意識的にそうしていればたいしたものですが、ほとんどの子どもは無意識に自然状態としてそうなります。
自分の状態を意識する子どももいます。その場合の多くは「これではいけない」など自分の状態を否定的に考えます。自分のペーストは言えません。誰かの尺度との比較における「これではいけない」です。
子どもに必要な自分のペースを取り戻すためには、その環境が必要です。誰かが会いに来て、誘導や指導があるとこの環境はできず壊されます。
自分を理解し自分のペースをつくるには行動なくしてはできません。頭も中の作業だけでは不可能です。これまでに経験したこと、ときどきの思いを受け止めてくれる人が必要です。答えを出す人ではなくよく聞いてくれる人です。
しかし会いに来る人はどんな人かはわかりません。子どもは(そして人はすべて)前に進むときには、防衛を準備するものです。自分に会いに来る人が指導や説得を試みるようなタイプはこの自分でつくりたいペースを妨害する人です。
だから会いたくないのです。これまであったのがそんな人ばかりだとどんな人とも会いたいとは思いません。一度失敗すると次にやりにくい、次をするのは時間を置かなくてはならないのはこのためです。
違いは前に進もうとする親と自分を守ろうとする子どもの違いに根ざすのです。
「気を楽にする」と「気をそぐ」
学校は休んではいけない、それはとてもいけないことと思いつめている生徒がいます。
親のほうも(むしろ親がそれ以上に)、学校は休むことは非行のように考えていると、子どものこの気持ちは解放されません。
本人は、ここで登校をやめたらダメだ、と自分を追いつめる状態になっています。
八方ふさがりのときに、親から「学校は休んでもいいんだよ」といわれて、子どもの気持ちが楽になることがあります。
親から見てもこれ以上は無理をさせられないと思いそう言うのです。
病気や怪我をしたときにはごく普通に考えられる学校を休むことが、これほどのものになるのは不思議なほどです。
子どもがいじめを受けているのを知らずに、登校を強いられる状態にいることがわかって、学校を休むことの肯定的な意味が一つ広がった感じがします。
不登校に関わる多くの人が、もっと広い意味で学校を休む意味を肯定しているのに少し近づいてきたのかもしれません。
反対の場合もあります。
子どもが重大決心を、今日から学校に行こう、アルバイトに行こうとしているときに、親から「苦しかったらやめて帰りなさい」と言われるようなときです。
いや、私は親の気持ちはこれでいいと思います。
ただそれを、気を張っている子どもに言うのは気持ちをそぐことになりかねません。
実に微妙です。
子どもによってはそう言われたほうがいいこともあります。
気持ちが楽になって、むしろ思い切りがよくなるときです。
野球なんかで監督が選手に対して大事な場面で「三振してもいいから思い切ってバットを振ってこい!」というのに似ています。
ですがこれからチャレンジしようとしている子どもの場合は、気がそがれた、親に対して怒りを見せることもあります。
親は心の中で応援しながら、今回はうまくいかなくてもいいんだと思いながらも、黙って子どもを送り出す手もあるのです。
この判断は、子どもの性格や、場面つまりTPOによります。
昨日の「不登校ミニセミナー&質疑応答の会」で話した1コマです。
どうする・どうしないの交流会
第4回不登校の子どもへの対応:ミニセミナー&質疑応答の会の参加者は2名です。都内の中2の男子のお母さんは、以前に別の進路相談会に来たときに顔を合わせたことがある方。「ポラリス通信」を送っていましたのでそれを見て参加しました。もう一人の髙2男子のお母さんは前回も出席です。午後1時から4時前まで、いろいろな状況が出され、田中登志道さんと私で答えました。
回答者2人で微妙にニュアンスが違うと思ったことは、「人と会う」チャンスのつくり方のところでしょう。田中さんはストレスのかかる攻撃を受けて傷つかないことをより大事にしたいと考えて、家で一人なにかをしていても安心できる環境を優先しました。私は安心できる生活の中で、人と会う機会をどうつくるのかの工夫をより重視していることを感じました。
家族旅行について、何かの本にあまりお勧めではないということが書いてあったがどうですか、という質問がありました。
私は、しばらく外出をしていない人は外出をすると外の人に気遣うエネルギーのために消耗が激しく、家に戻るとぐったりする状態はよく見られること、それに慣れることに従い疲れ加減が減っていきいつの間にかそれほど疲れなくなるようになるものという、これまでの事例から、家族旅行自体は反対ではないと答えました。田中さんはそれに加えて、参加するかどうかは本人の気持ちや判断によったほうがいい点を指摘してくれました。
子どもさんのいろいろな状態をどう考える、どうする、どうしないを話し合った感じです。
次の第5回は2月9日(第2土曜日)午後1時からです。予約制ですので参加希望者は〔090-4953-6033 藤原〕までお願いします。
思春期と青年期とその後
一途に何かに向かい自分なりの感覚と経験でそれを会得する力は十代で最高に達します。これは思春期を代表するものではないでしょうか。それに続く青年期では、この様子が発展または衰退します。
ある人はそれによって自己成長の感覚をつかみ自己学習能力として回転していきます。思春期時代にこの感覚を得た人はそのまま進んでいけばいいのでしょう。いずれ別の壁にぶつかることがあるとしても…。
他方では、思春期にこれをつかみえなかった人もいます。こちらの方が大多数をしめます。妙に事態を見越して動いてみないまま結論を出して行きがちです。大したことはない、やっても無駄、という感覚になり動こうとはしないのです。その感覚まではいいのですが、大したことはない、やっても無駄という結論は言いすぎです。自分には結論を出す条件はないからです。自分の経験による類推で出す結論です。それが言いすぎなのです。青年期の課題は社会との関連においてこの部分が中心を占めるようです。
12月1日、「不登校の子供への対応―ミニセミナー&質疑応答の会」を開きました。参加者は中学生と高校生の母親4名です。相談員はトカネットの藤原宏美さん、教育カウンセラーの田中登志道さん、それに松田です。
質問のなかに、30代ぐらいの引きこもりの人への対応と十代の不登校の子どもへの対応は同じでいいのか、というのがありました。これへの答えを考えたときにいろんな事例とその背景を考えるなかで思い巡らせたことです。
例えば、絵を書いている人に「いまの自分で描ける最高のものに挑戦」というと、十代の子どもは乗りやすいですが、20代後半以上になるとほとんど乗ってはきません。ごく普通のことのようですが生活のいろいろな場面でこういう事態は生まれています。
十代・思春期はある意味で無謀なのです。ときには逸脱もしますが何かもつかみます。青年期になるとそうはいきません。物事をある程度経験しているので、先が読めるといえばそうですが、未知のことに対しやらずの結論を出し、臆病になります。
不登校や引きこもりを経験する人においては、これがさらに極端になりやすいです。もちろん個人差はつきものです。これを「乗りがいい」と俗語で表してしまいますが、もう少し精密な言い方もあるでしょう。
これが先ほどの親の質問に答える内容になるのです。十代は多少、引っ張っていく方法が功をなすことがあります。20代後半以上になるとそのやり方が、妨害になりやすいのはそのためです。基本は同じく本人の状態に基づくことです。そのうえでいくぶん違う面があるということです。
「不登校の子供への対応―ミニセミナー&質疑応答の会」の次回は1月12日、土曜日午後です。十代の不登校生の親の参加を待っています。場所は不登校情報センターです。