障害者福祉の担当者と協力する話し合い

ある自治体の障害者福祉部門の担当者と話し合う機会ができました(4日・6日)。
私が訪問する一人について、行政部門の担当者と協力する方向を話しました。福祉部門の対応には一筋縄では改善に向かわない場合がいろいろあり、この方の場合は障害者福祉部門でも対応できなくなっている状況です。私の方も別の意味で行き詰まっているので、私から障害者福祉につなぐのに協力するのです。福祉においては「当事者の関与・同意のない方法は無効」という原則のなかで、いい協力関係に進み改善につなげたいと思います。
社会事情を見ると、虐待防止や自殺防止などにおいて、自治体においても難しい面があります。新しい方法や民間との協力関係が求められているのでしょう。
私が関係するこの一つの協力関係を有効に働かせたいところです。

『ポラリス通信』5月号から新投稿コーナーができます

会報『ポラリス通信』に連載していました本田夏惟人くんの「大学生のときのひきこもりを卒業して」は4月号で終わりました。
これに類するような当事者の投稿を呼びかけたところ、やや趣きの違う投稿の立候補がありました。この申し出は投稿を『ポラリス通信』に載せ、その後ブログに保存する形になりそうです。ブログ名や筆者名(ペンネームなど)もあわせて考えていただくことになります。5月号から実現できそうです。
*本田夏惟人くんの連載はサイト内の「体験記」コーナーに載せました
不登校や引きこもりの経験者からのこのような申し出は歓迎します。発表・掲載の時期が2人以上に重なってもできます。申し出を待っています。

〔大学生のときのひきこもりを卒業して〕
http://www.futoko.info/…/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E7%94%9F%E3%81%…

「自傷他害」の事件になる前に対応が必要です(市長への手紙)

近県のある市長あてに手紙を送りました。訪問でかかわる30代のひきこもりで追い込まれている人の状態を改善するための訴えです。「自傷他害」に至る事件を防ぐことが必要ですが、公共機関、公共の医療施設からも拒まれています。それらの現場の上位にある行政の首長に対処を訴えました。
根本的な長期的な対処方法の前に、当面の危険性を避ける対策が必要と考えて書いた手紙です。どうなるのかはこれからです。   〔要旨掲載〕

昨年の初めから、貴市内に住む30代の青年から「ひきこもり」として相談を受けております。最初は県の引きこもりセンターから紹介され、自分で連絡をとってきました。
この1年余りの間に訪問は10回近く、電話相談は20回程度になります。
市の福祉関係(生活保護等の受給条件を尋ねる)、近くの不動産を通して一人住まいのときのアパートを探すなどの同行もしました。
本人は以前に市の障がい者支援課に関わったこともありますが、そこの対応が受け入れられず、中断⇒回避になっています。昨年4月の施行になった生活困窮者自立支援法による対応を求めて関係部局に連絡したところ障がい者支援課の人が一緒に来て、しかも生活困窮者自立支援法による特段の対応もなくそのままになっています。

この状況では心配なことがあります。「自傷他害」的な行動の可能性です。実は本人もそれを感じています。気がついたら室内で火をつけていて、あわてて消そうとして焦った。何とか消したからよかったが、消せなかったら近所にも迷惑になっただろう、ということもありました。何か意図的にしようとするつもりはないのに、精神的に追いつめられると自分でもわからなくなるのです。
もはや相談のレベルではない、いつ何が起こってもおかしくはない状態にあると判断できます。父親との関係などが煮詰まった状態で、他にやりようがないときが繰り返されているからです。
どう対応するかを考えたとき、「措置入院」が浮かびます。これを話したところ、彼も自分から入院を考えたことがあるようで、それを求めるサインを出したことがあります。サインの言動はいろいろあるようですが具体的に話してくれた方法は次のようなものです。
(1)警察に覚せい剤を使用している、とニセ電話をしました。警察に連れて行かれ尿検査をしましたが、異常はなく自宅に帰されました。
(2)公民館で何かの催しをしている場に入り暴言を吐き、1人立てこもりました。110番通報され、警察に連れていかれましたが、厳重に説教され自宅に帰されました。
(3)自宅で火をつけボヤ程度のこともあったはずです。これがいちばん危険かもしれません。
どの時のことかはわかりませんが、警察と消防(救急車)が一緒に「入院」の必要を感じる事態が起きて、県の精神保健福祉センターに連れて行かれたことがあります。しかし入院を拒否されたそうです。本人は入院が必要で入院したいときでも入院できないと訴えています。
この話を父親に話すと、「どの病院も(現在受診している病院も)入院させてくれない」と話しました。「県内では名前が医療機関に知らされている」と父親もいっています

これらのことを考えると、これまでのやり方では「措置入院」もできない(してもらえない)状態にあります。
障がい者支援課をはじめ公的な機関は、対応できず、「連絡が来なければ、事態もない」とするのです。事態を隠すことで「事態がない」とする方法です。
このようなやり方をされると、事態の所在をはっきりさせるために、爆発するしかなくなります。そのときの責任を回避するために公共機関は対応しているのではありませんか。爆発し、本当の暴力事件になったら彼(と家族)にすべてを背負わせるつもりなのでしょうか。それでは行政の無策を隠してやり過ごそうとすることになりませんか。
本人の感想では、「警察も消防もやれるだけのことはやった。自分たちの手の届かないことはできなくてもしかたがない。それを感じたから当てにならない」となるのです。
私が市長あてにこの手紙を書くのは、現場では手の届かない問題が発生していると思えるからです。現場を超えたところの対処がほしいと思います。

本人は私を信頼して聞けばいろいろ詳しく話してくれます。私が意見の代弁者として、市の福祉部局の方の意向も取り入れて、警察や消防や精神保健福祉センターの方と話せる関係になれば、何かが開けるかもしれません。精神障害の枠ではなく、福祉行政の対応とすれば「当事者の関与なくして解決策はない」わけですから、そこから探し出す道です。
完璧な対処は自信がありませんが、本人と父親の状態に沿った、それなりに納得し、落ち着いていける方法を見つけたいと考えています。ご検討ください。

ひきこもるために登録派遣で生き抜くJさんが発表

理想的な姿・形ではないけれども、自分の心身状態と働いて生活できる収入を得るバランスがとれる方法が、これです。
「登録派遣で生き抜いてきた方法」として、「ひきこもり大学 in 下町」で発表するのを受けてくれたJさんが口にした言葉です。
昨日のひきこもり親の会の後、その場に出席した企画者のSさんは改めてJさんに発表をお願いし、内容の打ち合わせをしました。Jさんは「テーマ①:登録派遣で生き抜いてきた方法(当事者)」を話します。
「ひきこもり大学 in 下町」は5月8日(日)午後1時過ぎから、JR総武線「亀戸」駅近くのカメリアホールで行います。
長い間ひきこもっていて、これから働こうとなっても不安や心配が先になって、とてもそんな気分になれない人にとって、不安や心身の不調を持ちながらどうすればいいのかを考えるときの、1つの(あくまでも1つの)実際にそうしている人の体験的な方法を聞く機会になると思います。自分の条件に合わせてその方法を工夫(カスタマイズ)しなければなりませんが、“有識者”が考えたプログラムよりははるかに参考になると思います。

自傷他害の気持ちは意思ではなく精神状況(症状)です

少し前の話です。夕方になってTくんが電話をしてきました。
過呼吸がつづいている、これまでも過呼吸はあったがこんなに長く続いたことはなく、とても苦しい。これが最初の言葉です。一呼吸おいてまた過呼吸が苦しいと訴えます。
それだけではない。自分では気づかないうちに何か変な動きをしている。気づいてみたら部屋のなかをうろうろと歩き回っている。横に寝ているよりも壁にもたれている方が楽だがそれも長続きはしない。居ても立ってもいられないというのはこんなことかもしれない。
包丁を握りしめていた。刃の部分を握っていて少し血も出ている。
聞いている私はパニック障害の発作、自傷行為、それ以上に重大な何かが起きていると思いました。すぐにこれは入院を要するが、しかし…。これにはすぐにある壁があると思い、「いまから行く!」といって急きょ出かけることになりました。
おそらく私が行けばTくんは少しは落ち着くと思いました。外は雨でした。しかし、できれば短時間でもいいから一緒に雨に中を歩くのもいいかもしれないという思いが出てきました。これはTくんの様子を見ながら決めないとストレス解消ではなく、ストレス加重になるかもしれず保留にしました。
バスの中でおにぎりとお茶を夕食代わりにして1時間後にTくん宅に着きました。ベルを押し「Tくん!」とドアを開けながら呼ぶと、電気がつきました。今日は玄関付近で待っていたようです。いつもは奥にいるのですが。
二人で椅子に座ったあとゆっくりと話し始めました。Tくんの言うことを聞くつもりです。過呼吸は収まっています。1時間ばかり話しました。Tくんは、八方ふさがりの追い込まれた状態で何がなんだかよくわからない精神状態を口にしました。
こんなに苦しいことをどうにかしたい。忘れることはできないが紛らわすために最大音響でTVをつけているのに周囲の家からは何も言ってこない。これでは何かを言われてもしょうがないと思っているのだけれども、誰も言ってこない。それがまた不安を増す。
対人恐怖が強まっている。誰かに話すことができない。人を刺すとか、路上で暴発行動をするような気分になっている。それが、はっとして何を考えていたのだ、何をしているんだろう、なぜ部屋のなかをうろうろ歩いているんだろう。そんな自分に気づく…。
「気づいたからそこから引き返してきた。気づかなかったら戻れないかもしれない、戻れないままそこに定着したら病気ということになる」とこのあたりで一息入れます。
外は雨ですが、やや小雨になっています。「少し一緒に歩こう。50メートルでもいい」と誘うことにしました。
Tくんは同意して外に出ます。玄関を出たところが一番の難関です。そこを過ぎると気分がほぐれてきたようです。このときの雨はよかったように思います。夜の7時ころの住宅街ですが、外を歩いている人がいません。そのあたりを一周する感じで一緒に歩きました。5分以上、数百メートルになるでしょう。
あの時の状態では入院が正解だという思いはありますが、特別の事情が3つも重なりこれは勧められませんでした。Tくんにその事情を話したところ、むしろそれを裏付ける事情を話してくれました。このことも含めて今回は深い事情は書けませんし、かなり省略しました。
わかりづらいとは思いもいますが、Tくんのような場合、自傷他害の気持ちが(少なくとも表面に現れる)意思によるものではないこと、自然にわき起こってくる感覚的・情感的なものであることを説明したいために記録しました。
帰りがけにTくんから、少しはっきり(すっきり?)しました。できる範囲で動いてみます、という言葉を背後で聞きました。

1か月外出しないNくんからの電話

およそ1か月ぶりに引きこもり最中のNくんから電話がありました。
この間まったく外出していません。部屋を暗くして過ごしているそうです。
テレビを見るのもネットを見るのも出来ないそうです。なぜ見ることができないのかは、うまくことばに表現できないといいます。
布団から出るのもしんどくて、5cm手を動かすのも大変、体を動かすのも大変です。トイレは我慢に我慢をかさねてぎりぎりになってからよろよろと動き出す。食事は餌を口に入れる感じになるといいます。生理的な生存条件の相当に低いところにいます。
不安になって、生身に人の声を聴きたくなると、「0120-」の受取人払いの電話をする、以前にも「0120-」をかけまくったことがあるようです。(◎)
知り合いには電話をしない。どうも自己防衛的な気持ちがあって、なにかを言われるのを恐れている感じがするといいます。ここに書いてあることは、以前に他の人から聞いたことがありますが、この電話をしないのは自己防衛的な気持ちがあるためとは初めて聞きました。
「どうすればいいのか」と聞くので「どうしたいのか」と返すと、「わかりません」の答えです。すぐに「思いっきり出るしかないですね」と言ってきました。
この間、23分です。話しているうちに(私が話を聞いているうちに)少し気分が高まったからだと思います。対応は(アドバイス的なことではなく)よく聞くことになります。

◎『ひきこもり国語辞典』のこれに似たことです。「人の声(ひとのこえ):部屋にとじこもって家族ともしばらく話しをしていない日がつづくと、妙に不安になってきます。夜中になるととくに不安が強まるのです。ふとひらめきました。ある電機メーカーのクレーム受付が24時間体制で問い合わせに応じています。しかも「0120」で電話料は無料。思い切って電話をかけてみたら「こちらは○○ですが、ありがとうございます。 …」という声が返ってきました。なんだかほっとしたのですが、悪い気がして「すみません、間違いました」と電話をきりました。久しぶりに人の声を聞きました。」

案内物『通所先としての不登校情報センター』も作成

28日の葛飾区民大学の講座「子どもがピンチ!」に合わせて会報『ポラリス通信』(3月1日号)を作成しました。会場では会報に5月8日の「引きこもり大学in 下町」のチラシをはさんで参加者に渡しました。
講座は無事終え、今度はその『ポラリス通信』の発送です。ちょうど月末に当たりいいタイミングでした。
実は時期を同じくして、いくつかの学校とカウンセリングルームからDM(ダイレクトメール)を頼まれています。こちらの方がよほど大作業です。数日前から準備をしてきました。このDMに合わせて作成したのが『通所先としての不登校情報センター』という案内物です。表紙を入れてA4版4ページです。こちらは最近の活動状況をまとめたもので、当事者と家族への不登校情報センターの紹介です。3月13日に悠々ホルンさんのライブ&広木克行さんの講演会があり、そのチラシも預かっています。DMにはこれも同封します。
ほかに思いつくことが発生し、これは近じか具体化するつもりです。さらに重なることがあって、なにかと忙しい2月末から3月初めです。気候が穏やかになり助かります。ところが今朝は寒いですね。

飯南町社会福祉協議会のひきこもり相談事業

28日に「引きこもり素質のある人が引きこもりの支援者になる」と書いたのですが、今日受け取ったものにその実例がありました。
島根県の飯南町社会福祉協議会では、ひきこもり支援をひきこもり経験者が担当しています(サポーターといっています)。対応内容を見るとこれまで見たもののなかでいちばん現状に即したものだと思いました。そして、不登校情報センターの居場所の様子や考え方といちばん似ていると思います。
一見すると頼りないような取り組み方ですが、いちばんフィットするのではないでしょうか。参考になればいいです(文章にわかりづらいところがありますので、校正で見てもらいます)。
〔飯南町社会福祉協議会〕
http://www.futoko.info/…/%E9%A3%AF%E5%8D%97%E7%94%BA%E7%A4%

「引きこもり・ニート」分科会の報告

28日のかつしか区民大学の講座「子どもがピンチ!」では「引きこもり・ニート」分科会を担当しました。まとめ役はNPOミラクルの別所さんですが参加者4名のところ別所さんはこの日がNPOミラクルの活動日とあって前半を終えたところで退出になりました。事実上分科会は前半で終わりました。内容面を要約します。

(1)引きこもり当事者が参加の中心になるフューチャーセッション・庵の活動が注目されます。都内で2か月ごとに100名前後が参加して開かれています。その中に引きこもり大学という形があります。ひきこもり経験者が講師になってあるテーマを話すものです。
ひきこもり大学は山梨県、茨城県でも独自に実現し、分科会の参加者Sくんが準備しているのが「ひきこもり大学in 下町」です。総武線亀戸のカメリアホールで30人規模をめざして取り組みます。1回で終わらずに継続すればいいと思います。
Sくんは「かつしか子若ネット」の臨時メンバーになってもらうことになります。
(2)昨年4月に生活困窮者自立支援法が施行されました。これと生活保護法の関連を別所さんに現場の実務の点から話してもらいました。社会福祉協議会への情報提供依頼のなかでおおよそ明らかになってきたことですが、私のなかでは整理ができました。
(3)別所さんからは引きこもり経験者を企業と引き合わす取り組みが話されました。こちらからはこういう人がいると紹介し、企業側からこういう人はいないかと照会を受けている。これがなかなかかみ合わない。企業に広く呼びかけても、こちらにはそれほど多くの人はいない。呼びかけを少なくして業種が狭まるとマッチングする職種も探しにくい。こういう現場のリアルな実情が話されました。解決策は難しですが、さしあたりの対応策はありそうです。

引きこもり素質のある人が引きこもりの支援者になる

訪問サポートを志望する学生などに、不登校や引きこもりの経験者がだんだん多くなっています。そういう経験はしていなくても気質的に共通性がある、摂食障害をしていた、自傷行為をしていた、いじめを受けた経験がある…などその経験に似たような素質の人も混じります。
これらの学生は不登校の子ども、引きこもりの人の所に行ったとき、かなりレベルの高い対応力を示す話をよく聞きます。人として柔軟に子どもの様子にあった的確な対応をするのです。
以前にある引きこもり支援団体が調べたところでは、引きこもりの当事者が自分の所の来てほしい“支援者”の第1位が引きこもりをした経験者と答えたのを思い出しました。気質、適性の面からの見方です。回答者は予感を含んでいるのでしょうが、両者は符合しています。
引きこもり経験者が引きこもりの支援者になる可能性はかなりあると思います。ある人が、引きこもり経験の中で自分なりに学習をしており、それを生かす仕事になると話したのを聞いたことがあります。
両者が顔を合わせたとき、現に引きこもっている人の状態の意味付けが肯定的にできるためだと思います。深いところでの共感が起きるのかもしれません。
これは思っているよりも広い意味があるかもしれません。彼ら彼女らの職業上の選択に有効であるだけではなさそうです。対人サービス的ないろいろな面に通用するかもしれません。条件は深いダメージを受ける症状にはなく、一般人と通常の人間関係ができる状態にあることです。今はできなくても、そのうちにできるかもしれません。
不登校・ひきこもりの親の会に参加した学生が感想を話したとき、改めて感じたことです。