新聞告知:引きこもり講演会

引きこもり高齢化対策を考える講演会―あす葛飾区で
社会問題化している「引きこもりの高齢化」を考える講演会が8日午後1時半から4時半まで、東京都葛飾区の同区新小岩地区センター3階第1会議室で開かれる。
主催者のNPO法人「不登校情報センター」の松田武己代表が「30代以上の引きこもりへの支援活動」のテーマで講演。
「かつしか夢プラス」「NPO法人FDA」など、引きこもりの対応してきた支援団体の活動状況をパネルディスカッション形式で紹介、今後の課題を話し合う。相談会も開催する予定となっている。
参加費500円(当事者は無料)。問い合わせは同センター=電話03-3654-0181。

「東都よみうり」5日号に続いて、今日7日付の「東京新聞」に「ひきこもり高齢化への対応」―講演会&支援機関の活動紹介&個別の相談会の告知記事が掲載されました。紹介したのは東京新聞の告知記事です。両紙ともいわゆるベタ記事になります。
参加者がどれくらいになるのか危うんでいましたが、新聞告知に助けていただいたようです。出席者が参加して何かひとつ手がかりをえたと感じるものにしたいと準備しています。

引きこもり高齢化対応を報告

10月8日の祝日に活動報告「引きこもり高年齢化への対応」を開きます。
私はそこで不登校情報センターがこれまでどのように対処し、これからどの方向に向かうのかを話します。
多くの引きこもり支援団体で引きこもり支援に取り組んでいますが、さしたる成功例は聞いていません。
当日は「NPO法人FDA」さん、「かつしかゆめプラス」さんにも参加していただき、それぞれ取り組みを発表してもらいます。
引きこもりからの就職支援の取り組みはあまりいい話が伝わってきません。仮にいったん就職してもその後はどうなのよ、という点が問題なのです。
しかし不登校情報センターもうまく行っているレベルではありません。方向性が就職型以外になるのは、これまでの経過から明瞭になってきたと思います。いまその報告の原稿を書いています。

報告会は次のようになります。
「ひきこもり高齢化への対応」―講演会&支援機関の活動紹介&個別の相談会
「ひきこもり高齢化への対応」という講演と、支援機関の活動紹介と相談会を行います。ひきこもりの高齢化が社会問題化している中で、ひきこもりに対応してきた団体・個人が集まって、講演、活動紹介、相談会を行おうとするものです。
◆内容/(1)講演「30代以上の引きこもりへの支援活動」
*講師・松田武己(NPO法人不登校情報センター代表)
◆内容/(2)支援機関の活動紹介
*〔参加団体〕
かつしか夢プラス
NPO法人FDA(Future Dream Achievement)
NPO法人不登校情報センター
訪問サポート・トカネット

対象者/ひきこもりの子どもを持つご家族、支援者、当事者、支援に関心のある学生・社会人など。
日時/10月8日(月/祝)、午後1時30分~4時30分。
場所/葛飾区新小岩地区センター3階・第一会議室
(東京都葛飾区新小岩2-17-1、JR総武線「新小岩」駅南口 徒歩5~6分)
参加費/一家族500円(当事者は無料です)。
主催・連絡先:NPO法人不登校情報センター
TEL/03-3654-0181、FAX/03-3654-0979、
E-mail/open@futoko.info

しごとセンター企画参加は変更

21日の東京しごとセンターのセミナー「在宅ワークの仕事の見つけ方」を案内いたしました。その日に申込書をしたのですが、休み明けの今日、しごとセンターから連絡がありました。申込みは2名までしか認められませんでした。定員オーバーのようです。
いろいろ話しをするなかで、しごとセンターは主に支援者を対象にしていることも聞きました。定員オーバーですから2名参加で了解せざるを得ません。
21日の多くの人への参加呼びかけは停止します。それに代わりセミナーの報告や東京しごとセンターの相談について説明の場を持とうと考えています。

少し勉強をさせていただきました。
在宅ワークは、業務委託、請負型の仕事を在宅で行うものをいいます。そのうち手作業になるものが内職です。
在宅勤務は、就職型で仕事につくことで、仕事を自宅で行うものを指します。在宅ワークというのは在宅勤務と同じものを指します。
自宅で仕事起こし、仕事づくりをするものは起業であり、SOHO型がこれに当たります。
不登校情報センターの向かうものは、集団的なSOHOをめざしながら、そのうえで個人の仕事づくりや在宅ワークを支えるものになると思います。

しごとセンター企画に参加予定

東京しごとセンターのセミナー「在宅ワークの仕事の見つけ方」のチラシをI さんがもって来ました。東京しごとセンターは就職支援からそれ以外の就業方法にウィングを広げていると思っていました。しごとセンターの支援対象者はニート的な層でしょうが、不登校情報センターの向かう先とはそれほど違わないことになりそうです。

さっそくこのセミナーに参加することに決めました。セミナーは10月25日(木)午後です。今日行こうという人は4名ですが、目標(?)8名で参加することにします。定員は80名なので早めに申込みをしたいです。東京都以外の人も可能です。参加費は無料。
これまで不登校情報センターにかかわりを持たない人も事前に相談に来てください。何かを見つけに一緒に行きましょう。

在宅パソコンワークを考え中

30代の引きこもり状態の人の相談を受けることが続いています。
男女比は2対1ぐらいで男性が多く、一律の方法はありません。十代の人でも一律な方法はないといえますが、30代ではその個人差はさらに大きのことは確かです。
とりわけ重視したいことは、引きこもり状態を変えようとするのではなく、そのままの状態を生かしてその人なりの条件や特質を生かすことになりそうです。それが社会参加のしかたになれば前進になるでしょう。

最近の研究課題の1つは在宅ワークの可能性です。
4人ぐらいの人が思い浮かべる対象になります。ある訪問先人が自宅でホームページをつくっています。これが収入になれば可能性がでてきます。こう考え始めてみると、同様に考えられる状態の人が他にもでてきたのです。パソコンの技術に関しては私よりはみんな詳しいはずです。見つけるべきは企画ではないかと思います。
そう思って1つのサイトづくりの企画を考えて見ました。それは公表できるレベルには届いていませんし、技術的なことはわかりません。ある程度の人の関心をよぶもの、各人の経験や興味につながるもの、収益構造が設定できること、それに私が関わることができるとすれば不登校情報センターのつながりとサイトを生かすことも加わるかもしれません。
これもまた仕事づくりの1種です。

葉っぱビジネスが示すヒント

高田馬場のブックオフに『そうだ、葉っぱを売ろう』がありました。書名だけで、これはあれかと見当がつく本です。
徳島県の山間部の上勝町で、おばあちゃんたちが地域にある葉っぱを収集して販売している地域おこし活動は有名です。ここに働く一人の農協職員・横石知二さんの発意と熱意が生み出した事業です。
本の販売価格を見ると800円、定価の半額ですが私にとっては高額です。買うのはやめました。ところがいつの間にか葉っぱビジネスを考えていて、買っておけばよかったと少し後悔しています。

葉っぱは料理の“つまもの”になる実用品です。身近にある葉っぱを収集し、商品化します。横石さんはその販売ルートをつくったのです。販売ルートができることで、葉っぱの収集は生産活動になりました。本を読んで私にそこがどれだけわかるのか、役立てられるのか。また、おばあちゃんたちは社員としての雇用ではありません。働く自由人、独立自営の農業(林業)者でしょうか。これも何かを肯定的に考えさせます。

おばあちゃんにとっては、「これなら私にもできること」が、目の前に提示されたことになります。たぶん初めから信用した人は少ないでしょう。動いている人を実際に見て、参加者が広がったと推測されます。そこから始まったユニークで、好感の持てる事業になりました。
「これなら私にもできること」が、目の前に提示されること、それが経済活動として回転し継続していること(収入になる)が前提になります。出来そうなことが目の前に提示されること、これも困難と思える「引きこもり支援活動」を展開する上で残されたヒントです。違うことの一つは高齢者と青年、これは自己実現の願望の差になる気がします。

親の会に出前発表が決まる

10月に、なの花会(千葉県のひきこもり親の会)の定例会に当事者として体験を話す準備をするために、なの花会の担当の方が来られました。
これは「体験発表の出前サービス」として、仕事づくりの1つとして取り組み始めたものです。先月、私がなの花会で話したときに紹介しておきました。それでさっそく申し込んでいただいたことになります。
これからも、保健所や親の会などに出席し体験を聞いていただく機会をつくります。これは引きこもりの理解を深めるし、家族関係や今後の対応策を考える参考になると考えるからです。

なの花会での発表は、H・I さんとM・Sさんの2人。10月20日(土)午後の定例会。千葉市民会館特別会議室3Fです。連絡はKHJ千葉県なの花会(090-8491-0971、http://www.geocities.jp/nanohanakai2003)まで。

カラーセラピーのレッスン

今日は島田さんのセラピーがありました。事情が変わって、受講はMmさん一人になりました。次回は8月21日、火曜日になります。個人別にカラーセラピー&メイクセラピーを選んでいただきます。受講希望者は、直接に島田さんに連絡をしてください。TEL : 090-6070-1973
FAX : 03-5707-8610  E-Mail : mail@pashupara.com

さて、その島田さんと、受講のMmさんにそれぞれ話をする機会がありました。Mmさんには情報センターにおいて「情報収集に関係する事務のしごと」をお願いすることにしました。その内容は「(1)家から出て人のなかにいる経験をしてみる。(2)人の話を聞き、返事をし、考えを話せるのが目標。(3)事務作業=郵便物を出す、Faxを送る、ネット検索、メールを送る文書入力」などというものです。

不登校情報センターにおける「事務のしごと」とはこのようなものです。職場というよりはワークスペースという意味はこれである程度見当がつけられると思います。Mmさんには週1回ぐらいをお願いしたところです。

島田さんとの話もこれと似た事情があります。受講者によって個別の事情が違うということです。それがカラーセラピー&メイクセラピーの取り組みに影響します。ここが彼女の課題になっているようです。

予想外の形でねらう方向が実現

ヴァーティカルホライズンさん。居場所コーディネーを自称し、ブログ「居場所巡り放浪記」を書いています。今日13日の記事「第1号」を見てください。
予想外の形で居場所コーディネーの活動が実現しました。
この活動の本筋は引きこもり経験者と一緒に居場所に行こうとする取り組みでした。実現したのは、自分の居場所(コミュニティカフェ)をつくろうとしているWさんと、カフェセキュア四谷に一緒に行き紹介したことです。これが活動第一号になったのです。

自分が企画していること以外の姿で、現実が迫ってくることはたびたびあることです。
不登校情報センターを設立した目的は相談と情報提供活動であったのに、不登校経験のある青年数人が連絡をとってきたときもそうです。10年近く前に引きこもりからの社会参加の道がどうすれば可能なのか考えていたころ、「情報センターを働ける場にしてください」と要請されたときがそうです。他にもいろいろなことがあります。それらが積み重なって今日の活動スタイルになりました。
こちらで考えていることではなくとも、それに向かっていく方向は周りから出てくることはあります。とくに当事者からの出されたものは大事にしたいと思います。

予想外の形は、引きこもり生活をしている子どもが動き出すときにもよくあることです。
特に親への反発する形、斜に構えた言動で表われることは多いものです。親の思い通りの出方ではなくても真意をチャッチする親のアンテナの感度を高めることで理解でき、動きをうまく軌道に乗せられるかもしれません。

居場所コーディネーも別の実現方向が見えてきたのでしょうか。

自己実現の時代と仕事づくり

高年齢引きこもりへの対応(その4)   「働くことが自己実現としての働くことにならざるをえない時代の変化を迎えている」という(その2)で「別に述べる」とした点にも触れておきます。
私たちは社会の大きな変化の時代に生きています。その変化に伴ういろいろな波を大きく受けるのは子ども・若者たちです。そして子どもたちはその変化をいち早く察知し、独特で極端な形で表現します。1980年代から顕著になった子どもの不登校をその視点かえらとらえなおすのが必要になったというのが、私の確信でもあります。
当初は登校拒否といわれたこの現象は、子どもの逸脱行為の一種とされ、また精神心理的な対応が主流とされたものです。やがていくぶんオーバーな反応でしたが「だれにでも起きうるもの」にされ徐々に変化しました。それを否定的な現象とする理解は今でも主流であるとは思いますが、それだけではないことがはっきりしました。
子どもの不登校のおかげで問題が析出され、改善されたものはいろいろにあります。たとえば家族関係の不自然さに気づいた人がいます。子どものいじめや人間関係のゆがみが表面化したこともあります。精神科医療もだんだんと問題点が浮かび上がっているように思います。何よりも学校と教育制度に与えた影響は大きなものです。従来の学校・教育制度と並行する形で、フリースクールとその官制版の適応指導教室が全国に普及しました。通信制高校とサポート校が広がり、学習塾を巻き込んでいまなお激変といえる状態です。これらの変化は、社会の土台が以前と同じなかで進んできたものでそのぶん不十分です。
しかし、子ども世界に生じた不登校が、社会全体の本物の変革の前ぶれであるとすれば、それに続いて本物の社会の変革はまもなくやってくると考えて当然ではないでしょうか。
社会全体の本物の変化がどこに進もうとしているのか。それは日常生活に徐々に広がり、いずれ政治的・制度的な変化として急に目の前に現われるのかもしれません。インターネットの普及と情報社会の到来は、日常生活に大きな変化をもたらしていますし、まだその変化は進行途上です。その変化は「パソコンの好きな子どもたちの熱中時代」をはるかに超えていますが、国民の半数が実感するところまでは届いていないようです。
ここで生まれる国民意識の変化は、人間の等質性に基づく平準な関係が、社会の情報伝達という技術的な基礎を条件にして達成されることです。法律その他の手段では抑制できなくなるのです。もう一つは若者世代には「自己実現」の願望が身体の一部として形成されるだろうと見込まれます。他にもいろいろな精神的、意識的な変化が表われると思いますが、少なくともこのあたりは想定できます。
引きこもりという若者と子どもに現われる現象(少し異なる意味では高齢者にも広がっているようですが)は、この社会の変動との関係を意識して評価し、対応していくことになるはずです。ごく端的な例で言えば、引きこもり経験者の就業は就職にウェイトを置いたものではなく、自由業的なもの、それに結びついた仕事づくり的なものが相当の役割を持つだろうと予測しないわけにはいきません。それは引きこもりの青年に限られたことではなく、若い世代全体に表われるものです。社会的企業(ソーシャルビジネス)の誕生が広がりつつあるのはそれに対応しています。一過性のブームとは思えないのです。
今回のテーマに関しては、3月21日の「若者の適応ではなく企業の変化が必要」、3月28日の「等質の人間関係になる情報社会」でその時代が推移する背景を書きました。直接的には2月21日「自己実現の病(?)を考える」のなかで、諸星ノアさんの実例を長く引用して述べたところです。それぞれを参照してください。