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引きこもり経験者の興味・関心と気質的・文化的な背景

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引きこもり経験者の興味・関心と気質的・文化的な背景

〔回答その9〕引きこもり経験者の興味・関心に特徴的なことはどうでしょうか。
〔回答その7〕のところで「自営業的・自由業的な形」を特徴的と指摘しました。
興味・関心と職業選択の架け橋になる部分です。
創作活動が多いと思いました。
まずはまんが・絵、音楽、文芸などです。
たとえばイラストレーターやWebデザインを希望する人がいました。
小説を書く、詩作をする、エッセイを書くなどの文芸への関心もあります。
手芸的なことが趣味の人もいました。
こういう創作的な趣味や関心は平均的な割合よりも多いのではないかと思います。
先のアンケートが一つの根拠ですが不十分であり、勘以上の根拠はありません。
運動・スポーツ系や対人関係を楽しむようなタイプはが少ないと思います。
やがて個人サービス的な関心も多いと思うようになりました。
家庭教師、カウンセラー・セラピスト、整体師・マッサージ師などです。
ともに共同作業的な集団労働というよりも、人間一人を対象に単独でやり続けるようなイメージになる作業です。
1980年代終わりに不登校問題に関わり始めたころから私にはこのイメージがあり、職人的な工芸家が向いていると考えた時期もあります。
この場合の対象は人間ではなく、モノです。
これらは日本人の特徴を示しているのかもしれません。
オタク文化と言われる鉄道オタク、まんがオタク・アニメオタク、ゲームオタクなどは内向的な引きこもり気質を感じさせる興味・関心と相通じるものがあります。
趣味が高じて特異な専門知識を深めるのです。

興味・関心は自分のなかから自然に出るものでしょう。
いまから探すというのではなく、すでに日常していることにその要素があるのを見つけ出すことです。
テレビを見ている、ネットを見ているだけではなく、どんなテレビ番組を見ていることが多いのか、ネットの何を見ているかがわかれば、興味・関心も意識できると考えるからです。
当事者たちの料理やファッションへの関心もどこかそういう要素を感じるのです。

文化人類学的な視点から引きこもり問題を見たらどうなるのかという私の興味は、ここにあります。
日本人とか日本文化とのつながりが生まれるのです。
梅原猛さんは日本人の表現は伝統的に論理的・ロゴス的なものと並んで、感情的・パトス的な表現が際立っていることを説きました。
〔註:「無神論者の祈り」のなかの「Center:116-ロゴス的なパトスの把握」〕。
私が最近読んでいる脳科学の本〔註〕によると、人間が物事を理解し判断するのは言語的・論理的のことだけではなく、非言語的・情緒的な受けとめ方が理解や判断に大きな役割をすると明らかにしています。
〔註:ジョセフ・ルドゥー『エモーショナル・ブレイン』松本元・川村光毅ほか訳、東京大学出版会、2003年。
Joseph E.LeDoux,The Emotional Brain,NewYork,Simon and Schuster,1996〕
これらを引きこもりの経験者は、より強い濃度で示しています。

不登校は日本人のこの特徴的な気質を少年期において表現するものです。
成人の引きこもりはそれを本格的に示すものであり、不登校は引きこもりの先行形態ともいえるのです。

(その1)支援方法を接触できる引きこもり経験者から学ぶ
(その2)不登校情報センターが支援団体になった経過
(その3)引きこもりの家族へのサポートの概略
(その4)親の会の始まりと役割
(その5)当事者にとっての居場所の意味と役割
(その6)対応は先天的・後天的なことの複合した理由により異なる
(その7)自活型の社会参加をめざす引きこもり支援策
(その7)関係資料
(その8)引きこもり経験者が自活型の社会参加できる支援体制を考える
(その9)引きこもり経験者の興味・関心と気質的・文化的な背景
(その10)不登校・引きこもりの解決とは社会にある問題全体の解決に重なる

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