『ぼくはアスペルガー症候群』

著者からお送りいただきました『ぼくはアスペルガー症候群』(著者・権田真吾、株式会社彩図社)を読み終えましたので、紹介いたします。

わかりやすいのでお勧めします。アスペルガー症候群といっても個人差がありますので、アスペルガー症候群の全員が権田さんとは同じではないのです。そして権田さんは確かにアスペルー症候群らしい行動・感覚があることが見て取れます。そういう意味で参考にしていただき、アスペルガー症候群への理解を深める参考にしてください。

定価1000円+税。ISBN978-4-88392-800-2 です。

不登校、引きこもり、発達障害に関連する本のご寄贈をお待ちしています。

 

引きこもり発表は予行演習?

昨日、「体験発表の出前サービス」の発起人(?)のI さんが来ました。
29日(金)の午後にSさんの少人数の「引きこもりの体験発表会」予定しているので、少し話しました。
これは「体験発表の出前サービス」の予行演習のようなものです。

29日の参加者ははっきりしませんが、親世代の参加申込みはまだありません。
3名ぐらいが出席するようですが、もしかしたら実験的な発表会になるかも知れません。
「出前サービス」となると、訪問サポート的な色合いを持ちますが、そこまでの負担は重いので、どこまでできそうなかを考える場です。
実験的というのは、これからも定期的につづけて行きたいので、その運営のしかたが1つ。
発表予定のSさんは発表のしかたと、先々にはコーディネーのしかたを考えているようです。
これらを含めて“実験的”な感じがします。
親世代の人が1人でも参加していただけるといいのですが、はたして…。

〔6月26日追記〕お母さんが一人参加することになりました。さらに参加者を募集中です。

30代後半からの人とつながり方

引きこもり状態のまま30代後半になっている男性の母親からの相談です。
これまで通院していた医師から、統合失調症の診断を受けました。
家にいてパソコンやテレビを見る生活が10年以上続いています。数年前にある自助グループを聞いて一緒に行ったところ、息子は違和感をもったようです。以後そこには参加をしないし、行く気はないようです。聞くところではその自助グループの参加者は統合失調症の人が多く、年齢も息子よりもかなり高い人が多いようでした。
この経験があり外出する行き先が見つかりません。統合失調であるなしにかかわらず、もう少し若い人、30代から40代の人の集まる場所はないでしょうか。
これが相談の主旨です。
この相談からは次の点が考えられます。
(1)引きこもりが長期になり、家族以外の人との接触が極端に少なくなるとき、精神障害になりやすいことです。生活に現実感がうすれ、想像世界が肥大し、バランスが取れなくなる1つの結果ではないかと思います。
(2)家族以外の人と接触する機会を工夫する必要があります。本人が人と接触するためには膨大なエネルギーが必要です。それをカバーする試みが求められます。
対策としては家族が、いろいろな場所にいき、目で見た様子を話すなどの外部情報を入れること。
自宅に出入りする人を多様につくることです。集金の人、宅配の人などが玄関から声をかけられるようなスタンスをとることなども工夫になります(当事者は嫌がるのですが)。
家庭自体が当事者に引きずられて準引きこもり家庭にならないことです。
(3)訪問サポートが典型的ですが、「あらゆる社会資源を生かす」つもりで他の手段も考えましょう。
いろいろな支援団体・公共機関に家族が相談に行くこともすすめます。地域によっては保健所が対応しそうなところもあります。社会福祉相談に出向き職員と親しくなるところから始まることもあります。
不登校情報センターの取り組みとして、引きこもり体験者による「体験発表の出前サービス」を始めました。他の支援団体でも対応しているところがあるのかもしれません。家族が行動する中で見つかることです。
(4)このような人との接点をつくるなかで、人のなかにいられる条件が高まります。結果を急ぐと本人の負担が大きくうまく行かないことが多いです。着実に準備を重ねましょう。

高野山高校で発生した傷害事件

和歌山県の高野山高校で生徒による傷害事件が発生しました。
高野山高校は不登校生・中退生を受け入れる高校として不登校情報センターのサイトでも紹介しています。
このような事件が生じたことはまことに残念です。被害者の回復を祈り、関係者の心労に思いいたすところです。
高野山高校は、全寮制の男女共学の高校で、普通科と宗教科があります。
これまでも関係する進路相談等で紹介したことがありますし、同校の学校案内書は希望者に配布するために保管もしています。
以前に相談されたある人は、精神的な不安定状態を改善するために高野山高校に行きたいともいっていました(いくつかの事情で実現はしませんでしたが)。
事件の詳細は報道以外にはわかりませんが、高野山高校への進学案内は継続する予定です。
なぜならこの事件は、学校の体制やスタンスの問題から生まれたものと判断できないからです。生徒間の事情であり、事件後の学校の対処もおおむね適切であるように思います。
より詳細なことがわかりしだい、情報センターとして可能で必要なことは行いますが、いまの時点ではこのような方向が必要だろうと思います。
十代の高校生を寮制度で受け入れ、生活と教育をすすめるのはそう容易なことではありません。
不登校・中退を経験する生徒のなかには問題を自分のなかに抱え込むタイプの人が少なからずいます。そういう生徒をサポートすることはことさら大事であり、高野山高校はそれを長く実践されてきました。
この事件が生じたからといって、その課題にウェイトをおいて取り組む高校を非難がましく言うことはできません。
むしろこのような課題を避け、“リスク”をとらず楽な道を選ぶ高校よりははるかに優れているのですから。

ブログ「放送大学の奇跡」の紹介

静岡県で「奇跡研究会」として活動されている黒田さんから連絡をいただきました。
通信文の一部とともにブログ「放送大学の奇跡」を紹介いたします。

娘が「放送大学」の選択を決めるまで、家族と話し合ったのはもちろんのこと、私自身も改めて通信制高校高認、そして通信制大学のことなどを調べてみました。
これらの過程で、私は「放送大学」というところが、受験で苦しんでいる子どもたちや、不登校・中退で悩んでいる子どもたちにとって、きわめて有効な進路選択になるのではないかと思われました。
そこで、これまでは「インターネット」というものをまったく否定して活動してきたのですが、今はこの方法を使って、このことを広く紹介していきたいと考えました。
そして「放送大学の奇跡」というブログを立ち上げました。
“書いたら読んでもらえる”というわけではないことは承知していますが、このどうしようもない社会のなかで苦しんでいる人たちに、何か役立つこともあるかと思い、自分なりに精一杯書いていこうと思っています。
*「放送大学の奇跡

大飯原発の再稼動決定に思う

福井県の大飯原子力発電所の再稼動を政府は決めました。
原子力発電の動きに関してドイツの場合との比較をしてみました。
ドイツは保守政権が2020年までに原子力発電の全面停止を決めました。
詳しくはわかりませんが、地震や津波は日本ほど多くはないでしょう。
内陸部に原子力発電所があるので、別の自然災害があるかもしれませんが、考えられる要因の一つは人為的なミスです。
原子力発電所を順次止めていき、2020年には全面廃止します。
逆にいいますと2020年までは原子力発電は継続することになります。
脱原発運動がこれを自動的に受け入れ、静観するとは思えませんが、いずれにしても2020年には終了します。
しかし、それまでに8年もあるのです。

日本の場合は、政府方針として原子力発電の停止は決めていません。
政府は可能ならばより早く、より多くの原子力発電所を稼動させたいようです。
しかし、実態として国内50基の原子力発電所は停止しました。
13か月毎の定期検査とその後の再稼動を巡り、反対派の抵抗を超えなくてはなりません。
地震が頻発する日本で本当に原子力発電の安全を図ると言う政治家とはどんな人かと疑いたくなります。
政治力とか政治判断というものはそういう奇妙なものに変質、劣化しています。

津波だけが問題ではなく、地震が問題です。
原子力発電所の周辺の地下に活断層を多数抱える日本です。
しかもどうやら地震の活発な時期に入っているらしいです。
それにくらべると人為的なミスなどは眼中にないのでしょうか。
少なくとも福島原子力発電所ではいくつかの人為的なミス(というよりは人間は100%なしえないことが前提なのです)が重なっています。
数年前に10mの津波で福島原子力発電所は電源確保ができないことがわかっていました。
それを無視したこと、これもまた人為的な作為的なミスです。
あらゆることを想定できない、政府はそれを100%の安全はありえない、といいました。
想定できても、しない・できないものも人為的なミスでしょう。
日本の反対運動では、例えば2020年までに原子力発電全面停止というのは優先されないでしょう。
1基ごとに再稼動をめぐって激しい抵抗が生まれて当然ではないかと思います。

科学技術的な処理レベルが届いていない原子力発電を稼動しようとする政府方針は変えることができないようです。
これでは政府自体を変えるしかないのではありませんか。

7月のカウンセリング予約受付

今日は「ナチュラル&ピース」というカウンセリング相談室を開いているライフカウンセラーの柳井嘉人さんのカウンセリングの日でした。これからもときどき情報センターでカウンセリングをする予定です。
今後は予定日で時間が取れるとき、予約でカウンセリングを受け付けるようにお願いしました。
次に可能な日は、7月22日(日)の午後です。カウンセリング時間は1時間。
開始時間は、予約受付のときに決めさせていただきます。
当事者の特別料金は1000円、家族は3000円です。

なお金子さんの次回カウンセリング日は7月30日の午後です。
予定が3名入っています。当事者の特別料金は1000円、家族は3000円です。
和田さんは8月の予定です。

カウンセリング・相談を受け付けています。

連絡はTEL03-3654-0181、松田まで。

支援者募集のツイッター情報

ツイッター上で、不登校支援の学校等で教員・職員を募集しているのを見つけました。関心のある方は、該当サイトにアクセスしてみてはどうでしょうか。不登校情報センターでは「支援者募集コーナー」をつくりヘルプをしています。ご利用ください。

 (1)不登校・転校・中退@FutoukouTenkou  教師を急募します。大卒以上。教員免許不問。年齢40歳位まで。勤務地高松校高校生の悩み相談、高校卒業を目指す指導。等。頑張れる先生 待ってます。明聖館高等学院 087-837-6323 山田

(2)NPO D×P@npo_DxP  NPO D×Pでは新たに二名、スタッフを募集致します!日本の教育や若者を取り巻く状況に課題意識を持たれる方、問題解決に対して行動して行きたい方、ご応募をお待ちしております!募集の詳細はこちらから→ http://yume-brainsto.jugem.jp/?eid=221

(3)にしおぎ学院/田中勢記@nishiogigakuin  にしおぎ学院では、不登校・長欠経験のある中・高・既卒生の指導に理解のある講師スタッフ(アルバイト)を募集しています!理系:数・理総B・生、文系:英・日または世(いずれもセンターレベル)詳細はHP「スタッフ募集」でご確認ください。

 

(別件)八洲学園大学国際高校(広域通信制:沖縄)@YASHIMA_KOKUSAI  学習提携校(サポート校)を募集しております。興味のある塾やフリースクールは、本校担当者(中村教頭:0120-917-840)までお問い合わせ下さい。http://study.jp/hs/yashima/support/campus.html

Rさんからの近況手紙

Rさんから近況を伝える手紙が届きました。
不登校情報センターの周りにはかつてはよく来ていたけれども今はほとんど来なくなった“付かず離れず”状態の(元)当事者がかなりいます。
『ひきコミ』を月刊で発行していたころにはそれを送り、返事をもらう人もいました。
『ひきコミ』が数か月毎になるとそれも途絶えがちです。
そんなことにお構いなくふらっと連絡のある人もいます。
その空白を埋めるように、ときどきお便りを書いてくれる人がいます。
多くは女性なのですが、ときたま男性も混じります。
Rさんからの手紙には、心療内科に通いながら自分を立て直せる居場所さがしをしている様子が書かれています。
とりわけ人とは距離をとらなくてな安定しない人が多いと思いますが、その一方、安心していられる居場所はだれにとっても必要ではないかと思います。
情報センターの状態や私(松田)の様子はこの「センター便り」をみていただければ少しはわかると思います。
かつて情報センターに来ていた人からの連絡をお待ちしています。

中学校教育の変わり方の予感

先日は、高校教育の変化は全日制高校内部ではなく、通信制高校とサポート校が表に出てくる形で実現することを書きました。こちらの終りの部分
これには寮制高校と昼間定時制高校を加えた方がいいでしょう。
今日は中学校の変化はどう進むのかのヒントを得たように思います。
適応指導教室、町中の学習塾が大きな役割をするのではないでしょうか。
これは今日の不登校の親の会=セシオネット親の会の席で話された母親の話から感じたことです。
もちろんそれが全部ではなく、山村留学やフリースクールのこれまでの取り組みの影響が加わるはずです。
適応指導教室にかかわった中学生のそこでの生活と進学の実例、近くの学習塾にお願いして学習の遅れを取り戻す実例を聞いていくなかで感じたことです。
多くの中学校があり学校現場でいろいろな教師が努力と工夫を重ねているわりには、その点を感じることができないのは残念なところです。
高校の変化の状況と同様に、中学校の変化のしかたは中学校本体ではなく、周辺部分から始まるしかないと感じられるのです。
中学校教師は子どもへの対応時間ではなく(学級の生徒定数が多いことも関連して)、教育委員会に提出する書類作成などに時間をとられすぎているのです。
このような仕組みが続く限り、教師個人に努力を求めてもラチがあきません。