支援者交流会から実践交流会へ名称の変化

17日、全国若者・ひきこもり協同実践者交流会の実行委員会がありました。
多くは3月の大会準備の実務的な意見交換でした。そのなかでこの集会が始まって12年のうちに支援者交流会から実践交流に変わった意味をやり取りする場面がありました。
「ひきこもり」は支援の対象者であるばかりではなく、支援の側に回ることが相当に多いという事情があります。出席のある方が「支援の対象から現状変革の主体者でもある、それを内包している」といいました。そういう理解の仕方が12年のなかで広がり、数年前から支援者交流会から実践交流会に名称も変えたのです。
このことは私も気づいていたことです。これは「ひきこもり」の顕著に表れることかと思っていたのですが、障害者や高齢者などの取り組みにも共通する事情があるそうです。

「引きこもり経験者という“当事者”の可能性」(2016年5月10日)
「引きこもり素質のある人が引きこもりの支援者になる」(2016年2月28日)
http://www.futoko.info/…/%e5%bc%95%e3%81%8d%e3%81%93%e3%82…/

「ひきこもりニュース通信員」説明会をします

15日にした「ひきこもりニュース通信員」の説明会を再度行います。
12月24日(土)1時から3時まで。
場所は不登校情報センター(JR総武線「平井」駅南口)
参加しようとする人は前日までに連絡ください
メール:open@futoko.info 〔通信員の件〕としてください。
1名以上の参加で実施します。
不登校情報センター・松田武己

文通ボランティアを希望する方へのお返事

文通ボランティアを希望して詳細を知りたいという連絡が続きました。その返事を紹介する形で最近の状況をお知らせします。
<引きこもりなど経験者の間の文通は、一時の活発な時期を超えていまはかなり少ないです。
その理由は十分に説明できませんが、文通以外の方法の普及、より直接的な対人接触の機会などが整ってきたことにあるのかもしれません。
いまは数人のなかで継続的、断続的に文通が続いていますが、新しく文通を始めるのは年に数人です。
「相手から“してもらう”」関係ではなく、「お互いに役立ちあう」関係が長く続く条件のように思います。
もし可能であれば、あなたのできるだけ詳しい体験を書いていただけることを希望いたします。
詳しい個人的な事情のなかに本当のことがあると思いますし、それを聞こうとしている人は多いからです。
こちらでは、それを体験記(かなり詳しく書く)と文通募集(比較的短く書く)の2つの形で掲載しています。
あなたにもできれば体験記の詳しい方で書いていただきたいからです。
それを書くことは、読む人だけではなく、書く側にも有益であると信じています。>

「ひきこもりニュース通信員」の募集説明会

「ひきこもりニュース通信員」説明会をしました。
いまは事務作業として「ひきこもり周辺ニュース」集め・分類・保存を進めているのですが、参加者を増やす目的です。
方法がわかると各自が在宅で取り組んでいけます。この「ひきこもり周辺ニュース」ページをつくり始めたきっかけは、私が加わっているメーリングリスト「なくそう! 子どもの貧困」に送られている新聞記事の情報です。この記事を生かすことから始めたものです。方法がわかれば在宅でもできます。
目的を少し整理してみました。
(1)「なくそう! 子どもの貧困」は一般新聞の福祉関係の記事が中心ですが、それを産業、教育、心理、工芸分野など福祉以外の分野に広げる。
一般新聞にかぎらず、業界紙、機関紙、広報紙からも情報を集めます。「水産産業新聞」に関連記事があり新鮮という感想がありました。こういう取り組みでもしないと見つけることはない情報です。
(2)参加したら「ひきこもり」などの検索語でネット上の業界紙から記事情報を探します。より頻繁に関連情報が得られる業界紙を見つけ、効率化を図ります。見つけた記事はメールで送ってもらいます。まずは試運転です。(その人ができそうな方法を考え、提案をします)。
(3)もう一つは集めた記事を分類し、保存を工夫して利用できやすくします。ここはやや複雑で松田が担当します。いずれは複数人で相談できるようにしたいところです。
(4)説明会の参加は1名でしたが、テキストが「テーマを問わず情報集めをする参考になる」と言っています。自分なりの検索語(テーマ)も加えればそのうち自分企画が見えるかもしれません。自分に関心があるテーマを持ちながら、さしあたり「ひきこもり」などの検索語で記事を探します。慣れていくに従い自分なりのテーマを持ち込めるでしょう。メンバーは少なくとも4名募集しますので、関心のある人は松田まで連絡をください。

発達障害を進化論から説明する協力者を探しています

11月末から12月にかけて、「発達障害を歴史性と進化論からみる」を書きました。発達障害を進化論から説明しようとする試みです。
その支えとなるのが中原英臣氏などの考え方です。具体的には『ウィルス進化論』(中原英臣・佐川峻、早川書房、1996年)によります。しかしまた、他のいくつかも参照にしており、この『ウィルス進化論』とは異なる進化の説明もあります。先日は「種の変化、定向進化を含む“ウィルス進化論”を肯定的に参照しています」と含みのある表現にしたのはこのためです。
手元にある参考書は『ウィルスは生物をどう変えたか』(畑中正一、講談社ブルーバックス、1993年)と『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一、講談社現代新書、2007年)などです。
例えば、新ダーウィン主義での突然変異を中原説では否定的に受け入れていますが、畑中説と福岡説では突然変異をウィルスの働きとしています。
このような点を含めての確認事項が多数あります。当然、それを理解するのに必要な文献も多いでしょう。実験・観察する条件はありませんので、文献から合理的に理解し説明できる道をたどることになります。
しかし、私にはそれ以前に生物学の基本とか、DNA及びRNAなどの基礎知識が欠けています。それらの分子生物学の理解から取り組まなくてはなりません。たとえば『DNAと遺伝情報』(三浦謹一郎、岩波新書、1984年)というのがあります。
以上の2点は、いわば裾野のところであって、その上にウィルスの働きで人間が進化する、それも現在進行形にあると進みます。発達障害は人間進化の途上の現象と説明したいと考えます。
これらを一緒に取り組もうとする方を探しています。また文献紹介(入手可能な)もお願いします。

こもり歴8年の男性Oさんからの体験手記

20代にこもり歴8年の男性Oさん(39歳)が自分の体験を書いてきました。タイトルを「心の帰る場所」としています。
8年間のすさんだ生活をこう書いています。
「8年間通して仕事もろくにせず、酷い生活ぶりではあったのですが、22、23歳の時は特に酷かったと思います。甘い母親に付け込み、運転免許代30万をもらって、そのお金をパチンコなどのギャンブルで散財したり、家に帰らず明け方までネットカフェでゲームをし、入り浸っていたり‥‥」
他にもいろいろありますが、悪びれず率直な反省ぶりに潔さを感じて私なぞは好感を持ちます。
偶然ですが11月に受け取った手記にも、今回の手記にも「捨てる神あれば拾う神あり」とありました。
好感・嫌悪感、どちらを感じられるかは予測できませんが、好感は得られなくとも構わないので(真実はそういうことには無頓着です)、これからも引きこもり等の体験者の手記を募集しています。

親と一緒の外出、外からの自宅訪問

会報『ポラリス通信』11月号で「外出を促す方法」の概要を書きました。12月の親の会では具体的な詳細をテキストにしました。そのうちキーポイント部分を伏字にして公表します。伏字にしたのでわかりづらくなる所もあります。全文は相談に来た方にお渡しします。

ひきこもっている人がどこかの居場所(みたいなところ)に行くようになるには、そこが最低限の安全と安心の場所であると感じられることが前提です。
外出したいと思いながら、なぜ外出できないかの直接的な理由は恐怖がわき起こるからです。特に玄関を出るときは周囲の目がとても気になります。そこにはある程度、自分を知っている人がいるかもしれません。
一瞬自分を見たその人は、自分の最近情報として尾ひれを付けて近所にうわさ話をするかもしれません。恐怖心にはこのような自分の姿を吹聴されるかもしれない心配も含まれます。
自分の様子を知っている家族が一緒にいることは、この安全と安心を支える役割をします。外の世界と自分の間にあって緩衝材の役割になります。ちょうど幼い子どもが町中に一人ではおれない心理状態と似ています。家族となら入れるけれども一人では入れないのは、漠然とした恐怖感と不安によります。
この状態の強い程度は神経症領域とみられます。しかし、外出できない人のすべてが神経症領域ではありません。一般に薬物療法による対応にしないほうがいいのです。気分的に追い込まないで、一緒に同行して外出の機会をつくる形がいいと思います。これが家族と一緒に外出時に付け加えることです。

次に訪問についてです。これは私の場合を想定し情報センターに来る点を中心に話します。
私が自宅を訪問して、本人に会ってその後、不登校情報センターに来るようになった人は十人以上はいます。
しかし、訪問しても本人に会えないこともありました。会う回数を重ねながら情報センターには来なかった人もいます。自宅を訪問した後、情報センターに来るというのは100%確実ではありませんが、それでも高い割合になります。
自宅を訪問の場合は、事前の準備がいります。これを軽視しないでおきたいです。何らかの形で本人の意思を確かめ、生かさなくてはなりません。そういう過程が安心感をつくります。
方法は、5~7つの選択肢を提示します。項目は実情によります(その例)。
サポートステ―ションに行く、親の知人の仕事を手伝う、○○教室でパソコンを習う、カウンセリングに行く、など継続的に出かけられる所を提示します。本人にもわかる、聞かれれば親が少しは説明できる所です。
この選択項目を紙に書いて渡し、1週回程度あと(○月○日まで)に返事をもらいます。上の例の他に重要な2項目がありますがこれは伏字とします(十行以上のセンテンスになります)。
××××××
××××××
××××××
××××××
××××××
数日して返事をもらいます。「知人のところを手伝う」などの回答があれば、その方向に進みます。継続状況を見ながら対応を考えます。
返事がないまま期限が来たときは、「○日から不登校情報センターの○○に来てもらう」と本人に伝えます。〔*伏字の関係で説明がわかりづらい点があります。〕
私が自宅を訪ねたとき、自室のドアを開けるのは(家族や私ではなく)本人です。家族や私が開けないほうがいいのです。自分の意思が尊重されるという安心・安全確認の一つです。
声をかけたりノックをしてもドアが開けられなければしばらく待ちます。それでも開けられないと別の場所で家族と少し話してその日は終わりにします。これを繰り返します。
初回から開く人もいますし、2・3回であく人もいます。家族と話している時に顔を見せる人もいます。ほとんどは数回で自室のドアは開いて本人と会えるようになりますし、話せるようになります。それからがいろいろなのです。
開かないことが続くとドアなどに書き置きをはさむこともあります。10か月ほど訪問を繰り返しても、ドアが開けられなかった人がいます。これは最初の選択項目の設定を省略して始まったことが影響したものと考えています。
またもっと期間をかけてもよかったと反省しています。他の実例ですが2年かけてやっと会えるようになった例もあります。安心・安全を確認するにはそれぐらいの期間や回数が必要になる人もいます。
会って話せるようになったけれどもそれを繰り返すだけで、次への進展がなかった人もいます。情報センターに来てしてもらうことを提起できなかったことがあります。近場の役所などへの同行して行く提案などを思いつかなかったことも影響しています。また自宅にいて出来る作業の提案もできるようになりましたので、人によってはそこから進める方法も考えられます。
これらは上手くいかなかった経験からいろいろ試行錯誤して取り入れた方法です。
情報センターに来るようになればめでたしめでたしではありません。そこからは次の物語になります。

〔参考:外出を促す方法〕http://www.futoko.info/…/%E5%A4%96%E5%87%BA%E3%82%92%E4%BF%…

中崎シホ「狂詩曲・続編」を自力で掲載

中崎シホさん「狂詩曲・続編」はこれまで送られた詩をこちらでブログにアップしていました。ここに進展がありました。
アップのしかたを書いて送り、それに従って自分で掲載しました。
このアップの手順を1つずつ書いていくなかで、私も伝え方の勉強になりました。書き漏れの部分があり、そこは未完成でこの追加を私がしました。それらは次回に伝えましょう。
あと2回で詩100作品の掲載です。そのあとは彼女が自分で新展開をしていくことを期待しています。

〔狂詩曲・続編〕http://www.futoko.info/zzblogk/

自治体広報紙からの情報を2分野に転載できます

各地の自治体が発行する広報紙から関連の情報を集めようとしました。目的は、「ひきこもり周辺ニュース」に載せる記事を探すためです。しかし、それに該当する記事にはいまのところあまりでありません。
しかし、2つの明確に活用できる情報があると確認できました。
1つは、関係するイベントの情報(講演会など)が多いことです。これは「不登校・ひきこもりのイベント情報」ページに載せることができます。
もう一つは、日時が指定されていない、相談窓口などの情報です。これは市区町村名のページがありますので、そこに載せることにしました。
市区町村ページは、自治体2000のうち半数以上の1000ぐらいのページができています。所在する学校や支援団体を載せる程度のものでした。その市区町村ページに内容を盛り込む貴重な企画になり、役立つでしょう。早急に100以上の自治体に掲載したいものです。

工事途中の平井駅南口閉鎖で案内に不便

平井駅(JR総武線)の改装工事が進んでいます。今日昼過ぎに駅に行くと南口が閉鎖されています。線路下に当たるところに臨時の入り口が設けられていました。臨時東口というところでしょうか。北側の入り口はこれまで通りです。
入り口案内の人に聞くと、工事が終わればまた南口は復活するそうです。
今のところ南側はヴィド・フランスのパン屋さんが取り壊され、南口が閉鎖された状態です。
不登校情報センターの案内は、平井駅南口からとしているので、少し戸惑う人が出るかもしれません。遠回りというほど大げさではありませんが、初めての人にはちょっと案内しづらいです。